2023/09/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にクレイドルさんが現れました。
■クレイドル > 王都マグメール。富裕地区。
資産家や貴族などの御用達となっているオープンテラスのカフェ。
紅茶一杯と焼き菓子だけで、平民地区ではご馳走をお腹一杯食べられる狂気の価格設定。
今日の時刻は昼を過ぎ去って、空に輝く太陽も大分傾き出している。
そんな場所で寛いでいる面々と言えば、多少ながらに名の売れている富裕地区や外部から来た著名人などが目立つのだが。
その場に少し他とは異なって浮いているシスター姿の女が一人、パラソルの日陰下の白いテーブルについていた。
「ん~♪お上手お上手♪とーっても御上手ですわ~♪ちゃんとテーブルマナーが出来てて、何て良い子なのでしょう!」
それも子連れとなれば愈々目立って来る。
連れているのは娘であり、見掛けの年となれば年端も行かぬ10歳未満。
褐色の肌色の瑞々しく美しく顔立ちが整っている。
富裕地区で買える仕立ての良い子供用のドレスに装っているが、その手の甲には淫魔に呪われている証である紋章が刻まれていた。
まだ無邪気そうな笑顔を湛えて、テーブル上の給仕された御茶と果物のタルトに食器を使って手を着けている。
じっくり丁寧に教えた作法の通りに。
「流石わたくしの産んだ子供…♪世界に生誕した唯一無二の宝…輝ける宝石の原石、太陽すらも目を眩ませる麗しさですのよ♪可愛い可愛いですわ…♪」
溺愛っぷりの極みに腕に抱き寄せて、御菓子の屑塗れのほっぺたに頬ずり頬ずりとしていた。
べたべたに撫で付けて褒めそやし、美しく着飾り、生活には少なくとも苦労はさせていない。
何もかも他人から盗み取ったDNAの絡み合った結晶に感嘆の息をほう、と、吐き出しながら、糸目の眦をでれでれと下げっぱなし。
■クレイドル > 「ふふーふ♪気を付けて行くんですのよ~♪悪い人に御菓子をあげると言われてもついていっては駄目ですわ~♪」
そして家族のスキンシップと憩いの団欒を暫く過ごした後に、その娘を見送る事になる。
連れて来たのは娘だけではなく、どう見てもシスターに似ていない異種族や、
ローブのような衣装に身を包み全貌までは見えないが、到底に真っ当とは思えない風貌の者まで居た。
共通点は全てが子供達という事であり、伴い連れ立ち、仲親しそうに和気藹々としながら歩き去って行く。
子供達だけの時間と自主性を重んじ育む時期。ぶんぶん手を振りながら雑踏に紛れる一団を眺め渡していた。
「……子供は至宝。そこに居るだけで良い存在…あの子達の兄妹をもっと、ええ、もっともっと増やしてあげませんと…♪わたくしにお任せ下さいまし…♪」
恍惚にとろりと表情を崩して笑いながら頬を片手に首を傾ける。
そしてテーブルの自分の分、子供達に意識を割き過ぎて飲むのを忘れていた冷え切った紅茶のカップに手を着け。
それをソーサーと一緒に持ち上げ、改めて口を着けながら辺りにへと目を配っていた。
より育むに相応しい血の在処を求め、黄昏時を迎えたオープンテラスより窺える富裕地区の路上にへと。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にタン・フィールさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にリスリィさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からクレイドルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からリスリィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にサタンさんが現れました。
■サタン > 今宵も富裕地区にある馴染の隠れ家であるバーへと赴き
今夜も好みの酒を一人愉しむ。
知る人ぞ知るという立地だけに、客は男一人。
静寂の空間は、酒を愉しむ時は好むものであり
それはこの隠れ家の主も同様に知るからか、余計な雑音はほぼ無く
店の主がグラスを磨く音色程度。
「――――本当に、どうやって成り立っているか、
俺でも時々気になる具合だな、マスター。
それでいて払いが滞った事も無いから、尚更に。」
本来、酒を愉しむ場において、自らが言葉を発するような事は稀であると、自覚もあるが、
一部の酒は男の商会から卸している背景もあるだけに
繁盛とは正反対にある店の具合を感じながら、ふと気になったかのように
マスターへと男は言葉を紡ぐ。
返ってくる反応と言えば、グラスを磨きながら僅かに眉を動かす程度位しか、視覚情報として見て取れる物は無く、
多くを語ろうとはしない様子。
遣り取りとも取れない関係ながら、男は蒸留酒と球形の氷の入ったグラスを手に取り、口許で傾け、琥珀の雫を喉へと僅かに流し、
瞬間喉を焼くような酒精の熱と、発酵された芳醇な香りを愉しんでいた。