2023/08/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 富裕地区、昼間、行列を成している。
物凄い行列、長蛇の列、一体何メートル続いているのかも定かではない。
その理由たるや最先頭にあり、超有名な御菓子屋で新作限定伝説のスイーツ販売がされるという話なのだ。
そこに様々な思惑を抱く者達が駆け付けこうして整列をしているという次第。

「…ねむ」

そのど真ん中ぐらいに佇んでいる。
目の下に隈、背中には大きくて分厚くて密閉されている背負い箱。
昨晩からずっとこうして並んで徹夜していた為体調不良な事この上も無い。

テンドン > 「でも、此処でお菓子を買って行けば、目の玉が飛び出る値段で買い取ってくれるもんね、ふへへ…」

転売?NO!仕入れ!依頼!
御菓子大好きだけれども並ぶのやだやだ貴族にお願いされて此処に並んでいるという訳。
今も炎天下と遅々として動かない行列に膠着状態を余儀無くされつつも待機している。
あつい、風が生温い、直射日光ビームの前に皿の水分が干乾びた河童と成り果て脱落していく行列者達。
何かのイベントめいた雰囲気に道行く人達は軽く見物に巡り、医療者達は担架で倒れた熱中症患者を運んで行く。
人が集まればそこで商いを催す商魂たくましいのが出て来るもので日傘とか水とか販売をし始めていた。
何せ誰も此処から離れられないから。

「賢い事考えるなー…お菓子の一つ二つで二~三か月分の実入りとか金持ちの金銭感覚ぶっ壊れてるジャンって思ってたけど、こういう手も在ったよね…」

でも自分もまた最低限賢いので並ぶにあたって傘とか水分補給とかは準備している、えらい。

テンドン > 「…まだかなー…」

行列は中々動かない、多分最前列では今頃売買取引が執り行われているんだろう。
背中の保冷箱が重たい。常温管理なんてしてたら絶対腐るので向こうに準備して貰った奴は人間携帯の限界みたいな重量を誇る。
でも床に置いたりするのは汚いし何よりも一度盗まれかけて油断も隙も無いのでこうして背中に負わざるを得ない。

「これ終わったら即水浴び場行って水風呂飛び込んで湯上りにきんきんに冷やしたジュース飲むんだ。後味の濃いカレー」

くああ、出掛けた欠伸を嚙み殺す。
欠伸に4d6+14のダメージ、欠伸は死んだ。

テンドン > 「…………」

からころ、口の中で岩塩の粒と干した梅を放り込んで転がす。
何故塩分が必要かというと、塩は脱水だけではなく水をつかまえておく保水作用もあるからなのだ。
なので夏場においては水だけではなくて適度な塩分も用意しておこう!
じりじり照らし付ける直射日光を遮る為に頭上にさす傘。
列の前後において最初はまだかよーとか元気にわめいていた一角も、太陽さんの攻撃に膝を屈して静かになりつつある。

「ひゃっこー」

手持ちの水で濡らしたタオルを首回りに軽く巻く。
主要な血管周囲の血液の流れを冷やす寸法。

テンドン > じわ…。
照らし付ける日光への皮膚の防衛反応により、
メラニン色素が大量生成されてこんがり肌が小麦色に揚がって行く…。
テンドンならぬカラアゲドンへの進化の兆し。

テンドン > 「!!」

明鏡止水、心を無にして自動行列を詰めるマシーンと化していたら順番がやっと巡って来た!
じゃら、と、手に握り締めていたお金を店員さんに差し出す!

「下さい!」

そうして地獄の日中行列は無事に終わりを迎えるのである!

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からテンドンさんが去りました。