2025/04/07 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にメアリさんが現れました。
メアリ > 富裕地区の裏通り、比較的他の地区よりも治安の良いその場所だが、夜になれば人通りも無くなり静けさが訪れる。
人目につかなそうな建物の影、夜風も当たらぬその向こう側に人影がひとつ。

「――あなたが言っていたものはあの屋敷にはなかったわよ。
書斎から主人の寝室、金庫の中までくまなく探したけれど、どこにもね。
……本当よ、そんなに私の目を疑うなら鼠一匹送り込めばいいんじゃない?
ともかく、また一から探し直しかしらねぇ。」

女はいつもとは違う砕けた口調で誰かと話しながら、腕を組みつつどこか面倒そうにため息を零した。
女が潜む影の向こう側からは微かに男の声がするにもかかわらず、話相手らしい人物は誰一人おらず、居るのは木箱の上の鼠一匹だけ。

「あぁ、あれだけ苦労したのに無駄足だったなんて……。」

箱の上の鼠をつん、と突けば不満そうな男の声が一つ聞こえて。