2025/02/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にノア = セシルさんが現れました。
■ノア = セシル > 何処ぞの貴族が開いた慈善パーティー。貴族のみならず平民も歓迎される、極めてオープンで清らかな催し ─── というのも、あくまで建前。下がり続ける民の支持を何とか取り戻したい者、自分は清廉潔白だとアピールしつつ女ばかりを物色している者、そんな貴族に取り入らんと擦り寄る者、単にパーティーとはどんなものかと興味が湧いて立ち寄った者、タダ飯を摘みに来た者等… 其の目的は様々。
「 …………………… 、 」
そんなパーティー会場に、質素なメイド服を着た女が一人。手には銀のトレイを持って、立ち話をしている客の間を回り 給仕作業をしていた。空いたグラスを受け取ったり、新しく酒の注がれたグラスを手渡したりと、あくまで控えめに 邪魔にならないように動く。
見た目には淡々と作業をこなしつつ、貴族や商人の会話の中に 何か面白い話はないかと耳を澄ましながら。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にサリファさんが現れました。
■サリファ > (なんだこりゃあ…想像以上だな…)
知己のマダムに舞台に立てと言われ、慈善事業はお断りとしたらせめて顔出しだけでもと請われた。借りた衣装を着こなせばいっぱしの貴族を演じるが、内心は生々しい貴族や平民のやり取りに、げんなりした気分で練り歩いている。
時折道端で無料の劇を上演することもあるものの、開かれた催しはああいう風に楽しいものであってほしいと思う。声をかけられると愛想笑いを振りまきながら、一刻も早くどこかへ引き上げたいという本性を胸のなかに隠していた。
(せめて酒と食い物だけでも楽しんでくか…)
稽古なり座組なりやることはあるのだ。さっさと一座に戻ってこの暗い気持ちも笑い話にしたい。
「そこ行くお嬢さん、そのグラスひとつもらえるかい?」
そこでメイドの後ろ姿に、声をかける。耳を澄ませていれば近づいてくる足音も気配もわかるだろう。甘い香りを纏った女…に見えるが、着こなしは男性のもの。
■ノア = セシル > 老若男女、身分も様々な者達が集まる中、一際会場の視線を集める人物がいた。男、であるようだけれど… 其れは、性別に関わらず見惚れてしまう程の美貌で。
そんな中 目立たぬよう給仕をしていた女だったが、会場一の注目の的に呼び止められることとなる。相手の顔をまじまじと見る事もせず、あくまで今は給仕として僅かな余所行きの笑みだけを浮かべ 応えようとしたものの
「 どう… ぞ、─── 」
ふわりと漂う甘い香りに、つい無意識。興味を示した琥珀色の双眼が貴方の顔ヘ向けられれば、意図せず視線はぶつかってしまうだろうか。其の美貌に うっかり数秒目を奪われた後、直ぐ様長い睫毛を伏せて視線を落とし グラスを手渡した。直後、
『 おぉい、酒が足らんぞ! 』
「 ……………… っ、 」
何処からか聞こえてきた品のない大声に、メイドらしからぬ小さな舌打ちを零す。其れは会場のざわめきに掻き消される程の小さなものであったが、目の前の貴方には聞こえてしまうかもしれなかった。
■サリファ > 一見で、この場に染まった風のない給仕に目を惹かれた。開催する貴族の愛人か、あるいは雇われた平民か。欲望に輝いていない瞳にどこか安堵してグラスを受け取り、
「いやァ悪いね忙しいところに…」
名前くらいは聞いておこう。そんな下心をもってねぎらいを口にした瞬間に、響いてきた胴間声。その声自体はどこにでもあるようなものだったが。
(お?)
舌打ち。作法のよろしくないメイド、と受け取ることもできるだろうが…なるほどこの女、演じているのかもしれない。何故かはわからない。教育の行き届いていたメイドなら、「困った客」への鉄面皮はあるだろうから。そこで、
「っとぉ」
まるで、メイドが粗相を働いたように、グラスを自分のほうに転がして、自分の服を酒で汚した。
「…ああ~、いきなりでけぇ声出すから汚れっちまったじゃんかよお。昼間っから酔っ払ってんなよな。
おい、メイド。おめぇもだよ。着替えとかあんだろ?案内しろよ」
少しだけ濡れた上着の裾をひらひらと揺らしながら詰め寄るが…この場を抜け出す口実だ。このパーティーにうんざりしてるのは自分だけではないようだから。どうだい?そう悪戯っぽい笑みを彼女にだけ見せるようにした。
■ノア = セシル > 豪奢な、其れでいて品のある装い。優雅な所作や佇まい、そして余裕のある態度。まだ若いが、何処かの貴族だろうか… そんな印象を貴方に抱きながら、緩やかに頭を下げて名乗る。
「 ………ノアと申します。 」
対して全く品のない振る舞いを見せる 何処ぞの大声男には ( それ以上飲むな帰って眠れ ) との感情を心の奥に。顔面には余所行きの笑みを浮かべたまま、其方へ向かおうとした時 ──
「 ぇ、──── 」
貴方の上着が酒で濡れ… 否、態と濡らした瞬間を目撃した。更には 先程までの柔和な口調も何処へやら、女の粗相だと語り始めた其の口を 思わず睨み付けそうになる寸前
「 ─── 大変申し訳ございません、 此方へ。 」
貴方が浮かべる悪戯な笑みに、其の意図を察したから。女もまた、素直にメイドを演じて見せた。貴婦人達の視線が突き刺さるも 気付かないフリをしながら、清潔なナプキンを数枚手に、使用可能な来賓室へと貴方を案内する。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からサリファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からノア = セシルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロイナさんが現れました。
■ロイナ > 今日も今日とて、気分の乗るままに王都をぶらついていると、いつの間にか足を踏み入れていた富裕地区。
時刻は夕暮れ、そろそろ日も落ちる頃。
夜ほど閑散としていない時間帯、帰り道を急ぐ貴族の姿もちらほら。
この格好じゃ浮いてしまうかも…等と今更ながら自分の姿を見下ろす。
「……ま、いーか」
別に気にされたところでどうということはない。
マイペースに、今日も今日とて暇潰しの材料を探すだけだ。あるいは、興味を惹かれるような人材でもいないものか。
そんなことを思いながら差し掛かるは、富裕地区の住人──
それこそ貴族、王族に向けてであろう高級娼館が立ち並ぶ区域。
そろそろ開店なのだろうか。店員や娼婦が外に出て休憩中だ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロイナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロイナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からロイナさんが去りました。