2024/09/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 トゥルネソル家」にリーナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 トゥルネソル家」にリザさんが現れました。
■リーナ > 富裕地区の一角にあるトゥルネソル商会の娘たちが住まう家。
トゥルネソル家、通称―――竜の巣。
人と竜竜の相の子、人竜のリスを筆頭に縁者の竜やリスの妻や娘が住まうから、その名が付いている。
大きな竜が平然と入れるくらいには土地は広大で、庭も竜が数匹昼寝をしても問題が無い位には広い場所だ。
そんな広大な敷地、ぽてりぽてりと言う擬音がしっくりくるような歩調で進む少女が一人。
リーナと言う名前の人竜で、トゥルネソルの娘のうち一人。
ほんわかとした雰囲気を持つ、細い垂眼で、髪の毛は金髪で長く腰までの三つ編み。
日向ぼっこや、散歩といった風情で、庭を進むが、目的地は、家の方面だ。
ふんわりとした白いワンピースを大きく膨らませた胸を強調するのは、何時も身に着けている箱型の鞄、鞄のひもが胸の間に。
その所為で、大きな胸が更にぷっくり膨らんでいるようにも見える。
それを気にすることなく、ゆさり、ゆさりと震わせながら進むのだ。
アンゼリカキャップや、ナース服を身につけていない所から、今日は職場はお休みで。
にこにこぽてぽて、とリーナは頬笑みを浮かべながら、家の方。
しばしの時間の後、玄関口に到着するのであった。
■リザ > 今日は特にこれとしてやることがあったわけではなく、故に家の中で色々なものを見たり聞いたりしている見取り学習としていた所、
廊下を歩いている最中に姉の一人がそろそろ戻るころだという話を耳にした。
そこで、その下働き中のドラゴンズに話をして交渉して、水桶と手ぬぐいを受け取れば玄関の方へと向かっていた。
そして、玄関口に姉が到着したころが、桶を抱えて手ぬぐいを下げた娘もまたちょうど玄関口へと到着したところ。
「おかえりなさいませ、リーナお姉さま。」
いつもの落ち着いた口調でそう挨拶を向ければ、入り口に置いてあるであろう椅子に手を差し伸べて指し示す。
座ってください、と言う意図なのは一目瞭然のそれだが、手に持っているものからして、本来下働きの子がすることをリザ自身がしようとしているらしい。
なお、本当に大丈夫だろうかと……正しくは、『お嬢様に頼み込まれたから任せたけれど、それで本当に私たちは大丈夫だろうか』と心配している本来のお役目ドラゴンズたちがソワソワちらちらと覗き見ているものが見えるかもしれない。
■リーナ > 「あら~、リザさ~ん、只今~♪」
リザが掛けてくれた声に、リーナは、顔事リザの方に向き直って、のんびりした声音で返答を行なった。
水桶と手拭いを持っている姿を認めて。
頬に手を当ててこてん、と首をかしげて見せる。
「ええと、ぉ~?」
指さされた椅子、そして、桶と手拭いと。
それらを眺めて、思考がまとまるまでに、一秒、二秒、三秒。
ぽん、と両手を合わせて、得心が行ったように。
「リザさんは~、清拭に、興味があるのですかぁ~?」
リーナは看護師としての訓練を受けている。
だからこそ、其方の方面での理解を見せたのだ。
とは言え、それは玄関でするものではない筈なのだけど~と、首を再度傾げて。
そんなときに、メイドのドラゴンたちがハラハラして見ている様子に、手を横に振って、大丈夫ですよ~と。
「それでは~、お願い~しましょ~」
うんうん、とにっこにこのままに、リーナは、椅子に腰を掛けて、靴を脱いだ。
白い足が、汚れの付いていない足が。
■リザ > のんびり調子の返答は、リーナ姉様の本来のもの、特に問題が発生した様子なし。
そんなことを考えていれば、意図を汲んでくれたようで、椅子に腰かけて靴を脱ぐリーナ。
その前に膝をつく座り方をして、自分の太ももに左右の足を乗せてから、まずは右足を取って水桶へと。
軽く浸して、両手を使って足全体を、脚の指の間も丁寧に擦り洗いをしてから、水桶から上げて手ぬぐいで拭っていく。
「清拭にも興味はありますが、良くされることをしてみるとどうなのだろう、と気になったのです。
どの程度大変なことをしてもらっているのかを知ることもまた、一つの勉強かと。」
ぽつぽつと、訥々と、そんな返事を返しながら、今度は左足を同じように洗っていく。
勿論、脚を上げてから手ぬぐいで丁寧に濡れを拭い、どうやら誰のものでもない新しい靴下を商会店舗で買ってきたらしく、
それを丁寧にリーナの両脚にはかせてから、靴も軽く磨いてリーナの足にはかせていく。
一通りそれらが終われば、こくり、頷いて使った道具をまとめて抱えて立ち上がり
「お付き合いいただきありがとうございました、リーナお姉様。」
そう言葉を向けてぺこり、頭を下げて片付けるべく踵を返しかけたところで、
ハラハラ見ていたお役目ドラゴンズが駆け寄ってきて、道具一式は彼女たちの手の中に移動した。
『ここから先は、私達がっ!』と言ってそのまま片付け場所へと消えていく怒涛の動きをぽかんと見送って。
「……片付けも、お勉強になるかと思ったのですが……」
消えていった方向を見ながらぽつり、そんなつぶやく言葉が漏れた。
■リーナ > 「あは~♪
擽ったいですよぉ~」
丁寧に、足を洗ってくれる妹、綺麗な水桶に固く絞った手拭いで、足を洗ってくれる。
靴を履いていたわけであるから、汚れてはいないのだけども、他人の手で丁寧に拭われる感覚は擽ったくて。
くすくす笑いを零してしまう、足が跳ねそうになるのは流石に我慢したのだけど。
「成程ぉ~お勉強だったのですねぇ~?
リザちゃん、いいこ、いいこ。」
丁度頭がいい所に有るから、跪いてくれてる彼女、普段は妹の方が10センチ以上高いのでできないけれど。
今はお姉ちゃんとして、妹の頭を撫でまわせる。
よし、よしと、綺麗な銀髪の髪の毛をそっと撫でて、えらいこ、とほめたたえる。
そんなこんなしている間に、新しい靴が佩かされて、妹は立ち上がる。
視線が上に登っていくのは身長差から。
リーナもチョコン、と立ち上がる。
「そうですねぇ~。
ちゃんとぉ、そうする事の意図も最初に伝えた方が、良いと思いますよぉ~?」
基本的に、リーナは家族がしたい事を尊重する。
妹がしたい事を察したから、座った所からわかるだろう。
ただ、何がしたいのかをちゃんと言語化したほうがいいのでは、とお姉ちゃんらしくアドバイス。
「あとぉ。
皆さんは、あれでお金を貰い、ご飯を食べているのですからぁ。
先ずはぁ、お母様にお伺いを立てておかないとぉ、後で、あの子たちが~怒られてしまいますよぉ?
ちゃんと、後でお姉ちゃんと一緒にぃ、お母様の所に、お話に行きましょうねぇ~?」
掃除道具を持って、ダッシュで去るメイドドラゴンさんたち。
残念そうにしている妹。そのつぶやきからの無念を聞くのだけど。
どうしてメイドたちはそうしたのか諭しながら、一緒に行きましょうねぇ、と、伝える。
彼女は立派な子なので一人でも行けるだろうけれど、何か有った時の為には、自分も居た方がいいだろうから。
■リザ > 自分が姉の足を洗っている中で、頭を撫でられる。
いい子いい子とされるものの、自分としては普通に勉強をしているだけなので、
何故撫でられているのかがあまり理解できていない。
不思議そうに上目遣いで見やるものの、まずは足を洗う事とそちらにすぐ集中して。
程なくそれが終わって持っていかれた道具。
だが、その後でリーナから向けられた言葉を耳にして
「……なるほど、意図を。リーナお姉様の足を洗って差し上げたいのです、とかでしょうか?」
首がこくん、と右に傾く。
そして、続けて向けられた言葉の意味。
そちらの方が理解しやすかったのか、こくり、一つ頷いて
「……確かに。状況だけを見ると私が彼女たちの仕事を奪った、または、彼女たちの仕事を私に押し付けた。
どちらともみえる危険な状況です。これは、お母さまにご報告と、彼女たちにお詫びをしなくては。」
基本的に頭の回転は悪くなく、素直に物事を受け止めることが出来るリザ。
故に、リーナの言葉に頷いて、お願いします、と頭を下げた。
彼女たちは自分のわがままを聞いてくれたのだから、罰せられるべきではないのだと。
■リーナ > 「はい♪
良くできましたぁ♪
ちゃんとお話すればぁ、誤解もなく、意図も判って貰える時が多いのですよぉ♪
あと、追加で言うなら、『何故そうしたいのか?』今回のリザちゃんの考え方なら、お勉強の為にと伝えると良いのです。」
素直でいい子だ、姉として、とても嬉しい。
彼女に物を教える事が出来るのは誇らしい……と言っても、リーナも未だ、リザと然程年が変わっていない。
そう言う意味であれば、小さな子が、小さな子に物を教える感覚でしかないのかもしれない。
でも、お姉ちゃんが出来るのは、とても嬉しかったりする。
リゼが来るまでは、リーナが末っ子だったから。
「判ってくださって~お姉ちゃんは嬉しいですよぉ♪
それならぁ、後で、メイドの皆さんにはぁ~
食べ物を持って行ってあげるのも、いいかもしれませんねぇ♪」
理解してくれる。
自分よりも頭が良いと思う彼女だ。
今は自分の方が先を歩いても、直ぐに彼女は抜いて行くだろう。
学園で勉強もしているから。
だけど、今は、今だけは、とお姉ちゃんぶりたい、リーナだった。
「さて♪」
ポンと手を叩いて。
お茶でも飲みませんか?とリザに提案を一つ。
■リザ > 「……メイドさんたちのお仕事がどのようなものか知りたいので、リーナお姉様の足を洗わせてください。……これでいかがでしょうか?」
追加で言うならの部分を耳にして、少し考えてもう一度言い換えてからお伺いを立てるリザ。
実際の年齢は大して変わっていないとは聞いているものの、そして身体の成長では自分の方が成長しているけれど、それでもリーナは姉であるという認識だ。
何よりこうして自分が知らぬことを教えてくれているのだから。
母が母なので、いつ自分が末っ子でなくなるかはわからないが、少なくとも今は自分が末っ子なのである。
「はい。食べ物、困らない程度に、でも嬉しいくらいにはたくさん、もっていきましょう。」
既に仕事をしているリーナは自分には持っていないスキルを沢山持っている。
だから、どこまで言っても姉なのだ。
そういうリザの認識のもと、リーナから向けられる提案。
にこ、と笑顔浮かべて頷けば
「はい、是非ご一緒させてください。」
お茶の提案を受けた。その後で、どこがいいだろう、とか考え始めるもののリーナに腹案があって動き出すなら、思考を止めてついていくだろう。
■リーナ > 「メイドさん達への問いかけはぁ~それが一番かと思いますよぉ♪」
そうでなくても、実際に、どんな仕事をしているのか、と言う物を聞くことも出来るだろう。
他にも、図書館や……リスの商会の中には職業訓練所もある。
実際にメイドの仕事を学んだりするための場所も有るので、其方に行くのがお勧めだろう。
今までそれを言ってなかったのは―――流石にメイドの仕事に興味を持った娘が居なかったからでもある。
リーナだって、それがあるのは、知らないのであった。
最初にリスに相談して居れば、それは判ったかもしれないが。
「ふふ、それなら……お肉、ですね。
美味しいお肉を、牛さんを買いに行きましょう。」
それは、比喩では無くの話だ。
彼らは、人の姿を取っているが、総じてドラゴンなのである。
料理と言うのは好むが、然しそれは量が少ない。
なので、牛さんを丸々一頭買って持って行けば、彼等のお腹もおやつ程度にはなるだろう。
迷惑かけたドラゴンさんの分を買いに行こうという提案を。
まあ、それはリスにお話した後の話だけども。
「では~。
お部屋に行きましょうねぇ♪」
腹案などはなく、只お茶を飲みたい。
それなら、と改めて、メイドさんたちにお仕事を。
アフタヌーンティーの準備をお願いしますねぇ、と。
メイドさんたちにお願いをしてから。
さあ、いきましょう、とゆったりした歩調で歩き始める。
行先は当然、リーナの部屋、だ。
■リザ > 「はい。美味しい牛さんを買っていきましょう。」
お詫びならば、自分のポケットマネーから出すべき。
そのように考えているリザだが、リザは実は仕事をしている訳でもなく、無駄遣いをするタイプでもなく。
衣服についても強い興味を持たず、食事も与えられるもので満足しているので、大分お金は手元に貯まっている。
つまり、本当にいい牛を買えてしまうのだ。
そのあたりをどう捌くかは、リーナの手腕次第となるが、どちらにしてもまだ先の話。
なお、リザもドラゴン認識があるため、牛は牛。おやつに美味しい牛一頭という感覚は共有できていた。
リーナに連れられてリーナの部屋へと向かう道すがら、アフタヌーンティのお願いをメイドドラゴンにしているリーナ。
先ほどの足洗いにはあれだけ執着していたのに、お茶の準備(メイドの仕事)には大して興味を示さない。
そして、程なくリーナの部屋の前までやってくるだろう。
「そういえば、リーナお姉様のお部屋に来るのは初めて、です。」
部屋の外で話をしたり、リザの部屋にやってきてくれたりしたことはよくあるが、リーナの部屋に行くのは初めてだったな、と思ったリザは普通にそんな感想を口にした。
■リーナ > 「そうですねぇ~♪
村に買いに行きましょう♪」
大富豪と言う事もあり、商会と言う事もあり、トゥルネソルの娘達には其れなり以上のお小遣いがある。
必要があれば、リスに言えば、使用用途などは聞かれるものの、お小遣いをもらう事も出来る。
今回に関しては残念ながらリザのポケットマネーになるのだろうけど、問題はないだろう。
メイドも1~2人程度のものでもあるのだし。
裁くのかどうか、それともマルカジリかは、渡されたメイドたちの感覚にもよるだろう。
それらは当人同士の問題だから。
問題は、何処で買い付けるか、だ。農村だと、牛はミルクを出すし、運搬とか開墾用もあるので、さてさて、と考える。
その辺りは、リーナも一緒に考える、それは楽しい事だから。
「あらぁ、そうだったわね~。
お姉ちゃん恥ずかしいなぁ~」
今まで、自分の部屋に招いたことはなかった。
そもそも、昼間は仕事でいない事が多いし、夜は皆で生活することも多い。
必要があるかどうかで言えば薄かったので。
部屋の鍵を差して回し、扉を開けてはいる。
リーナの部屋は………。
いたって一般的な部屋だった。
職業柄、清潔にはこだわっているので、部屋の掃除はしっかりしている。
仕事で使う道具は綺麗に整頓されている。
服に関しては、同じようなワンピースと仕事着であるナース服。
持っていた鞄を、扉の脇に置いてある、専用の棚に置いて、さあ、どうぞ、と。
レースのカーテンをあしらっている窓。
大きなベッドはふかふかであり、その辺りは他の姉妹も同じだろう。
豪華でなくても、最高級の職人の渾身の作。
見た目より機能重視なリスのお勧めベッドだ。
特段改造してないので、他の娘と同じような間取り。
ティーテーブルに椅子は四つ。
其処にメイドたちができたての紅茶とスコーンとジャムなどを持ってきて、並べてくれる。
クッキーとケーキも置かれれば、小さなアフタヌーンティーパーティか。
■リザ > 初めて足を踏み入れるリーナの部屋。
入って暫し見渡して……今まで入ったことのある家族の部屋の中では一番しっくり来て落ち着く部屋だった。
とはいえ、先ほどメイドドラゴンたちにティーセットを依頼していたため、直ぐに席に着いたりはしない。
立ったまま、余計な詮索をしない程度にリーナの部屋を見渡して、メイドドラゴンたちが準備を終えるのを待つ。
その後に、椅子の後ろにメイドが立ったのを確認してからまずリーナが上座に当たる位置に腰掛けるを確認する。
その後で下座に当たる位置の椅子へをメイドの補助を受けながら腰を掛け、メイドドラゴンが一杯目のお茶を淹れて部屋を辞すまで静かに待って。
こういう一つ一つの所作については、もしかすると姉妹の中で最も洗練されているかもしれない。
それは、リザのもう一人の母親の血の影響であり、その教えによるものなのだが、それはそれ。
程なくお茶を楽しみながら、色々話をしていくのだろう。
曰く、リーナの仕事のことについて。
曰く、家族のことについて。
曰く、リザが通う学院のことについて。
曰く、ちょっとしたガールズトーク。好きなタイプや好きな人がいるかどうかや、ちょっとセクシャルな話まで。
■リーナ > 部屋に人を招く事態は、あまりしない事だから。
初めての事に少し恥ずかしさを感じつつも、それでも、妹を招き入れてにっこり微笑んで見せる。
リーナ自体は、リーナ自身は、別にお嬢様ではあるものの、リスも、ゼナも平民なので、彼女ほどに貴族のようなムーブは出来ない。
所作に関しては、リザが一番なのだろう事は、間違いはなくて。
それでも、お茶を楽しみたいと思うリーナの想いは、伝わってくれるのだろう。
「さて、と。」
お茶の準備が出来て、彼女も自分も腰を下ろして。
落ち着く匂いの紅茶、ミルクティーが好きなリーナは、紅茶にミルクを垂らし、砂糖を一つ、二つ。
さて、何から話したものか。
そう考えると、リザを初めとして、余り他の姉や妹とお話を出来てないな、と。
それなら。
「リザちゃんは、どうして、メイドのお仕事をやってみよう、と思ったの~?」
仕事のお話にしてみよう。
興味があった、学んでみたかった、と。
先程、清拭は別の機会、とも言って居たし、気になるなら、教えたい。
自分も未だ、見習いの立場ではあるけれど、其処は気にしない。
■リザ > ミルクティにする様子のリーナ。それに対してストレートティに少しだけ砂糖を入れるリザ。
この辺りは好みの問題であり、特にどうという話をするものではない。
一口、紅茶に口を付けたところで向けられる問いかけ。
「そうですね……」
少しだけ考えるような仕草を見せた後で
「私は、一般的な知識は一通り教わりました。ですが、技術的な面はまだまだ未熟です。
そのため、技術的なことはなんでも興味があります。そして、色々教師をつけて教えていただいています。
ですが、教師がつかない技術にも興味があるのです。
勿論、覚えるべきではない技術があることも知っていますので、興味はあれどそれらは除外。
しかし、そういうものでないのであれば、なんでもやってみないとわからないと思うのです。」
そんな自分の想いを主張した後で、一息ついてから
「メイドさんたちは、私をお嬢様と呼んでいろいろなお世話をしてくれます。
身分に違いがあるのですから、それ自体は決まりごととしては自然なことです。
ですが、何をしてくれているのかは知っておくべきですし、知ることでよりありがたいと思えるはずなのです。
だから、メイドさんの仕事をやってみたいと思いました。」
簡単なことを簡単にやっているように見えて、結構複雑な思考を経て決めたことだという事もわかるだろうか。
とはいえ、ならばなぜ、お茶の給仕には興味を示さなかったのか、と言うのもあるかもしれない。
同時に、リーナから質問を受けて、リザからも質問を返していく。
「リーナ姉様は既に仕事をされていると聞いておりますが、どのような仕事をされているのですか?」
■リーナ > リザの返答を聞いて、細い目を瞬くリーナ。目が細いので、瞬いているようには見えないかもしれない。
それでも、彼女の言葉は深く、そして、意味のある返答だという事が理解できる。
「成程ぉ~。
つまり、やって貰っている事を当たり前にするのではなく。
ちゃんと意味のある事、感謝を感じる行為としてぇ、認識してる、と言う事ですねぇ~?」
知識を知識だけでは無く、実務の経験として落とし込みたい。
知識欲と言う意味では、本当にたくさんの物を知りたいと感じているという事が理解できた。
彼女は、それこそ手当たり次第と言っていいくらいに、あれも、これも知りたいのだろう。
そして、その知識の集大成として、自分を作っていきたい、そう言う風に感じていると、取れる。
素敵な事ね、とにっこり微笑んで頷いて見せる姉が居た。
「私はぁ、治療院で、看護師……ナースをしているのぉ。
私はぁ、ホワイトドラゴン種でぇ、光の属性……人を助ける魔法に、秀でているけれどぉ。
魔法だけじゃなくて、技術の面でもぉ人の治療がしたくて、ね。」
自分の魔法適正は、回復、防御。
しかし、魔法だけでは、いざと言う時に何もできなくなるかもしれない。
だから、薬とか、治療技術を覚えて、それを行使したい。
その為に、治療院に就職したの、と、小さく笑って見せる。
因みに、竜としては、他の姉よりも、低いのだ。
名前のある種ではないから、と言うのが大きい、実際に、腕力とかはともかく、魔力とかは、名前のある竜の姉や叔母に比べれば。
1~3段ほど、堕ちてしまうのではないだろうか、魔法が得意なはずだが、苦手を標榜するシロナに勝てないのもあるし。
妹に話を振りながら、ふと。
「そう言えば……、リザちゃんは、恋愛とかに、興味があるの~?」
最初、聞きたそうにしていた、控えめに最後にしていたが、一番聞いてみたそうな事。
それが気になったので、次の質問に、してみた。
■リザ > 「はい。与えられることを当たり前と思ってはいけないと、もう一人の母から教わりました。
貴族であれ、豪商であれ、王族であれ、与えられることは必ず誰かの力を借りているのだと。
ならば、当たり前ではないのなら、どれだけの力を借りているのかと、気になりまして。」
こくこくと頷きながらリーナの言葉を肯定する。
当たり前なことなどないのだと。全ては意味があり理由がある。
だから知るだけでとどまらず、技術として知ることでより感謝が生まれると。
素敵な事と微笑まれれば、少しはにかむような笑顔を見せた。
そして、自分の質問に帰ってきた返事。
なるほど、と頷きながら聞いていて
「治療院……看護師、ですか。
なるほど。リーナ姉様の秀でている所をより伸ばせる良い選択だと思います。
適正と希望が合致したのは素敵なことだと思います。」
適正があることを仕事にするのは良いことだ。
何よりも、苦手なことを無理にやらなくて済むのだから。
勿論、リーナの能力傾向など詳しいことはわからないので、得意なことを伸ばしているのは素敵な事、と言う反応で。
次はどうしようと考えていれば、更にリーナから向けられた別の話題。
それを聞けば目を瞬かせて。
「……興味がない、という事はありません。
ただ、その興味の対象になり得る人は今いない、が答えでしょうか。」
そんな言葉にしたうえで、少し考えてから今一度口を開く。
「恋愛とかは、とても難しくて深いことだと思います。
例えば、リス母様は女性ですが、女性を愛しています。
もう一人の母様は、男性も女性も愛しています。
学院で聞く話では、男性と女性、女性と男性、男性と男性、女性と女性と、色々な恋愛の形を耳にします。
ただ、以前リス母様に聞いたのですが、自分がそうしたいという相手が現れるかどうかなのだ、と。
男性も女性もいろいろな方とお会いしたり同じひと時を過ごしたりしますが……
今の所は、すべて私の先生、と言う認識なのです。」
■リーナ > 「成程ぉ~
確かに、食事一つとっても、誰かが取ってきて、それを料理人が調理してぇ。
メイドさんたちが配膳してくれてぇ……そして、私達が食べる、ですものねぇ~。」
食事一つとっても、様々な流れがあり、其処に金銭の収受が発生する。
力を借りる、借りているという事を考えると、確かに、と彼女の言葉には納得しかなかった。
それを自力ではなくても、知り、理解しようとする姿には、妹ながらを感嘆を覚えたのだ。
リーナでさえ、其処まで考えて居なかったので、凄いですねぇ、と素直な感想を伝えつつ。
ミルクティを一口。
これだって、誰かが考えて作って、それを形にして、贈り出す。
そう考えると、凄い物ですねぇ、とまじまじと陶磁器のカップ、注がれたミルクティを見やるのだ。
「有難う♪
何か困ったことが起こらないのが一番だけど、怪我したり具合悪い時は頼ってね❤」
こと、薬剤や治療、それに関しては、本当に何も無いのが最上だ。
しかし、何か有った時は遠慮なくお姉ちゃんの所に来てね、と細い目を更に細く笑みを作って見せる。
能力傾向は、魔力……後、ドラゴンらしい筋力だ。
まあ、それは大体同じだとは思うのだけど……それはさておきとして。
「成程……ぉ。
私と同じ状態、ともいえるのですねぇ。
私も、恋愛は……対象になる相手、と言うのはいらっしゃらないので。
私は……ほら、リス母様と同じ、物がありますし。
それに、このお家には女性の方の方が多いですし……。」
その辺りは、リザと同じような所でもあった。
母は恋や愛多き女ではあるが、基本的には女性を好む。
リーナとしては、それはどうなのだろうと思う、男性が嫌いではないが、余り関わりがない上に、両性なのを気にしていて。
自分から行くことが憚られてしまう。
女性が好きか、と云えば、首を傾いでもしまうが、男性よりは着やすくできるだろう、と言う程度。
そう言う意味では、リザと同じように。
愛したいか、愛せるか、と言うまでに至っていないのが正しい答えだ。
私も勉強をしたいなぁ、と思う所でもあった。
「しいて言うのなら……男性は……こう、私を一番に大事にしてくださる方、ですか……。
乱暴な人や、怖い人とか、痛いことする人は、怖いですね。
男性自体、余り関わりがないので……家庭教師の影時先生以外は、如何お話すればいいか、分からないというのも。
女性は……ええ、可愛い子であれば。」
その辺りは矢張り家庭環境がしっかり出ているのだった。
うーん、と困ったように、眉根を潜め、答を探す様に、出す。
■リザ > 仕事の事、リーナの看護師としての事。
一通り話ができて、色々考え方を知れて良かったと思う。
そうしていれば、だんだん話はガールズトークへと進んでいく。
自分の事を聞いて、リーナの事を聞く。
そうしていれば、自分たちは似通った状況なのだというリーナの言葉に頷いて。
「そうですね。私たちは似たような状況なのでしょう。」
そこを同意しつつも、更に続いた言葉にはふむ、と少し考える様子。
「リーナお姉様は、ふたなりでいらっしゃるのですね。
確かに、男性は気にされる方は気にされると言いますね。」
だから気後れするというリーナの気持ちは、まぁわかる。
そして、話しを聞く限り、リーナは異性愛なのだという事もわかる。
分かれば、この家では大変だろうなと少しだけ案じることでもある。
なにせ、ほとんどが女性と女性の同性愛者なのだから。
男性への反応の方が詳細で、女性では曖昧だとすると、妹としてリーナにはその想いを遂げて欲しいなとも思う。
本人が違和感を覚えるものでもその環境に触れ続けていれば価値観は塗りつぶされることもあるのだ。
「……恐らくは、リーナお姉様はもっと男性と触れ合う機会を増やすべきかと思います。
影時先生も男性ですが……私も先生としてしか見えておりませんし。」
他の男性も先生なのだが、その中でも特に彼は先生、と言う印象が強い。
「だとすると、今度もし、お時間が合うようでしたら私の別の武術鍛錬にお付き合いいただけますか?
影時先生とは別に、各種武器の扱い方を教わっている方がいるのです。
少なくとも、乱暴に教わったことはありません。褥を共にしたことはありませんので、そちらで乱暴をされるかどうかはわかりませんが。
ただ、少なくとも誠実な方だとは思います。私の見た印象でしかありませんし、母が指定した相手ですので、そういう意味では信頼できるのではないかとも。」
自分の数少ない男性交友の中で、ある程度姉に引き合わせてもいいかなと思える人が一人いたのでどうでしょう?と問いかけてみた。
■リーナ > 「そうなのですぅ……
おちんちんがあるから、男性の方は、皆敬遠してしまいまして~
私自身は、気にはしていませんがぁ。」
それに、竜だから、並の男性よりもご立派なもの、なので、それを見た男性が。
友人自体は居るけれど、最近はお忙しいのか、声もかからなくて。
そう言う意味では少し寂しいと思っている所でもある。
「そう……なのでしょうか。
お仕事であれば、お話は致しますけども……?」
妹の話に。
いつの間にか、自分が恋愛相談をしている流れに成って居る事に気が付いていない。
唯々、雑談と言う流れに乗っているだけの状態の積りでもある。
それに、リーナ自身は、矢張り、同性の方が成れやすいというのは有るのだろう。
「リザちゃんの先生?
影時先生ではない、先生ですかぁ。」
成程、確かに妹の先生であれば問題はないかもしれない。
色々と不安がないわけではないけれど。
話をして、慣れるには、其れもありなのかもしれない。
一応、メイスを持っているものの、訓練はしてないし、この国なら、護身は出来た方がいい。
そんな風に考えて。
「そうです……ねぇ。
それなら、お願いしても良いかなぁ……?」
じっと、細い目で、緊張を湛えたままではあるが。
リーナはお願いを一つ。
■リザ > 「男性が好きな男性であればむしろ喜ばれるかもしれませんが、そうなるとリーナお姉様は恋愛対象から外れてしまいますしね……。
ならば、両性愛の方でかつ男性が良いのでしょうけれど。」
そういう人を探すのは結構大変だ。両性愛の人と言う時点で結構ハードルが上がる。
そして、更に男性となるとさらに一気に数が減る。
「お仕事でお話をしている人は、お仕事相手ですし、お仕事相手で恋愛対象が生まれないとは言いませんが、認識的に難しいのではないでしょうか」
あくまで推測の範囲内だが、そんなことをと考えて。
いつの間にかの恋愛相談。好き嫌いと言った感情部分の話は全く戦力にならないが、俯瞰して考える、理詰めをするのはリザは得意な方だ。
そういう意味では相談相手としては多少は役に立つのかもしれない。
「はい。私の先生です。大剣、槍、斧、槌、弓などを教わっています。
騎士さまで、それなりにお偉い方らしいです。」
なんでそんな人にコネがあるんだろう、ともう一人の母の人脈が不思議だが、実際に教わっているのだから仕方ない。
そうしていれば、お願いしても、との話に頷いて。
「はい。分かりました。
まずは、私と一緒に行きましょう。
お会いしたうえで、リーナお姉様がよろしいと思われるのであれば、続ければよろしいですし、難しいと思われるのであればご縁がなかったとしてもよろしいかと。」
そのお願いにこくり、頷いて同意を示す。
同時に、合わないと思ったらそこで終わってもいいじゃない位の軽い気持ちでいいのだと付け加えた。
■リーナ > 「特殊な体をしているから……そう言うのは、仕方がないのかとおもうのぉ。」
男性は、基本的に女性が好きな存在である。
おちんちんがある時点で、男性は忌避する傾向が強い。
まさに、彼女の言う通りであり、男性に出会いを求めるのは難しい気がしなくもない。
仕事相手は仕事相手であり、恋愛相手ではないという言葉もまた、真実だ。
それに、お仕事の時は男性器が出ないようにしっかり隠してもいるし。
「……でも、それは逆に言えば、リザちゃんの邪魔には成りませんか……?」
ふと、思うのは、紹介する相手が、リザちゃんの事を良く思っている相手ではないのか、と言う事だ。
男性を紹介してくれるのは嬉しくても、それがリザちゃんの良い人であれば。
万が一恋愛に発展するようなことがあれば、とも思うのだ。
とは言え、人慣れは大事、だと思うのもあるし。
妹が、軽い気持ちで見てみれば良いというのであれば、それに従ってみようか、と。
うむむ、と、紅茶を前に、リーナは少し考えこむのだ。
お願いします、と言った後に気が付く程度には、焦っていたのかもしれない、と。
「そう言え、ば。」
うむむ。うむむ。
お姉ちゃんは、リザの前で珍しいのかもしれないが、悩んで悩み抜いている。
■リザ > そんな話をしていれば、自分の邪魔にならないか、と聞いてくるリーナ。
ふと少し考えてから、ゆるり、と頭を左右に振って。
「なりません。色々教えていただいていてありがたいとは思っていますが、それ以上の感情を持つことはありませんし。
少なくとも、数か月通ってこれなのですから、今後もならないでしょう。」
少なくとも自分がならないなら問題ないはずだ、と。
そして、色々悩んでいるリーナを見つめながら、ふと、何か考え付いたような言葉を向けるリーナに目を瞬かせ
「そういえば……?」
その言葉を繰り返して問いかけてみる。
■リーナ > 「あわぁわぁわ……っ」
あわあわ云う娘など、屹度初めてだろう。
寧ろ、リーナ自身が初めてでもある、男性を紹介してもらって会いに行く。
それを実際に認識してみると、とても、とても……!
あわわあわわ、とあからさまな狼狽。
「あ、いぇ……ねぇ?
好きな人は、まだいないって……行ってたな、ってぇ。」
最初の方の、リザの言葉さえ失念してしまっていたらしい。
あわあわ、大丈夫かしら、と、リーナは慌てている。
男性と会うと思ってしまえば、ぽ、と頬が赤く熱くなっていくのを感じる。
どうしましょう、如何したらいいのでしょう。
三つ編みの髪の毛をいじいじ弄り始めてみたり、落ち着かない。
「リザちゃんは……っ!
学校では、どんな授業を……っ!?」
狼狽の余り、突拍子もない質問。
凄い力技な、話題変更だ。
取り合えず、思考を落ち着かせたいのかもしれない。
■リザ > あわあわ言い出すリーナを見て、目を瞬かせたものの、緩い笑顔を向ける。
微笑ましい状況だという事なのだろう。
そして、段々と姉の状況が分かってくれば、無理やりの話題転換に笑顔で頷いてから。
「はい、学校では……」
そんな言葉を返しながら、話題転換に応じて話を進めていく。
そんな楽しいお茶のひと時は、ゆっくりと、過ぎていった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 トゥルネソル家」からリザさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 トゥルネソル家」からリーナさんが去りました。