2024/08/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 フェッセルン邸」にカミーレさんが現れました。
カミーレ > 「お兄様、この度はおめでとうございます。」

普段は社交の場に姿を現さない少女も、兄騎士団での昇進を祝うパーティには参加しないわけにもいかず、そして自らも兄の出世を心から祝福したいと自ら志願して邸宅内のパーティに顔を出したのだった。
兄の騎士団の仲間や長兄の統治している領民たち、そして親交のある貴族や王族など平民から高貴な身分の者まで分け隔てなく参加したパーティは滞りなく進行し、今は立食を楽しみながら参加者たちが自由に歓談し、それぞれ親交を深めているようだ。
兄の意向から身分の違いを気にせず無礼講で進むパーティであるが何のトラブルも起きていないのは、ひとえに兄の人望のなせることなのだろう。
兄へのお祝いを終えた後、貴族や領民の男たちから声をかけられ談笑しを繰り返していたが、さすがに疲れたためにバルコニーに出て夜風にあたって休憩し始める。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 フェッセルン邸」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 この男にしては珍しくそれなりの正装。それもそうだ、貴族でも有力の高潔な家。そこにいつものような恰好で出向くわけにもいかない。
 この男は単純に戦場で何度か同行したことがあるというだけ。だが覚えられていたのか招待状が届いていたという形だ。
 しかしこの男からしてもこういった堅い式はあまり得意ではなく、早々に挨拶だけして外へと向かった。

「……ん?」

 そうして見えるのは1人の少女。とはいえ社交界などで見た事は無い。
 だが絵等で見た事はある。だとすれは。

「カミーレお嬢様。この度はお兄様のご出世おめでとうございます」

 おそらくそう当たりを付け、そんな風に挨拶をした。
 マナーや態度等は他の貴族やその護衛の騎士と同じ。それでも傭兵らしい野蛮さは隠しきれない。
 例えば立つ姿ひとつが違う。魅せる為ではなく即応する為の立ち方。気を抜いているようでももし後ろから攻撃されれば即座に行動できるような足の運び。
 そうした物が重なり見えないながらも他の貴族等とは異なる異質さを見せる。

カミーレ > 「へっ?あっ、この度はお越しくださりありがとうございます。兄もご参加くださり喜んでおりますわ。」

誰もいないし来ないだろうと、そしてここが自宅であることに油断していた少女は、突然の声掛けに面くらい、慌ててぺこりと会釈する。
慌てていながらもその所作は貴族令嬢にふさわしい気品にあふれたもので、まるで優雅に泳ぐ熱帯魚のようである。
ただし社交に慣れていないためか、その挨拶の言葉はたどたどしく、声も裏返り緊張を隠せてはいない。

「えっと、私の名前…どこかでお会いしましたっけ?」

あまり見慣れない彼の立ち居振る舞いを興味深そうに見つめながらも、ふと自身の名前を呼ばれたことに疑問を浮かべ、首をかしげる。

「ああ、もしかして!いつも兄がお世話になっております。どうぞこちらで、一緒にお話ししませんか?」

そして筋骨隆々のその体に、きっと彼は兄がいつも話している、少女について興味を持っているという騎士団仲間の別人に違いないと早合点し、面白い武勇譚を聞かせてもらえるかもしれないと目を輝かせてバルコニーのさらに奥へと誘った。

クレイ > 「他の貴族の方からフェッセルン邸のお話を聞いていたので。お顔を拝見したことが無いのは1人だけなのでもしやと思ったのです。驚かせてしまってすみません」

 申し訳なさそうに頭を下げる。
 呼ばれれば少し考える。

「嬉しい申し出ですが、よろしいのですか? お疲れでここに来ていたのでしょう? 私もあまりこういった堅苦しい場は苦手でして。なにせしがない傭兵の身ですので」

 なんて少し笑う。わざわざ隠す事は無い。
 自分は傭兵だと素直に言う。

「なので、むしろお世話になっているのはこちらの方です。戦列に同行した際の勇猛な戦いぶり。同じ戦場を走る身としてとても勇気を頂きました」

 記憶を掘り返す。高潔な貴族らしい、そんな戦いぶりだった事をなんとか思い出してそれを脚色する。
 そうしながら彼女に誘われるまま奥へと。

カミーレ > 「あっ…そ、それはその、失礼…しました。傭兵さんって、えっと、騎士様とは何か違うのですか?」

自分の勝手な被と違いであると早々に明かされて顔を赤くしながら申し訳なさそうに微笑むと、しかし傭兵という知らない単語に興味がわいて聞き返した。

「まあ、お兄様はそのように勇敢なのですね!普段のお兄様は怒ることもなく優しくて、何だか想像できません。」

彼の脚色交じりの兄の武勇伝を聞き、瞳を輝かせながら聞き入った。
そして奥に進んだ先には小さなテーブルと二つの椅子があり、どうぞお座りくださいと促した。

「ここ、私のお気に入りなんです。お茶もお菓子もありませんけど…貴方様のお話、聞きたいですっ」

クレイ > 「ざっくばらんに言うと……国の為に戦うのが騎士。己の為に戦うのが傭兵でしょうか。私も自由に生きたいが為に傭兵になっていますので」

 実際、あながち間違いでもない言い分ではあるだろう。
 少しカッコをつけすぎではあるが。
 想像できないと言われれば少しだけ笑うだろう。

「それはもう、立派な騎士でございます。貴族で騎士というとやはり後方で指示を出しているだけという人が多いのですが、お兄様は見事な騎士といった様子でした。少なくとも、お兄様が指揮を取る戦場なら傭兵として安心できる戦場ではあります」

 戦場に安心も何もないと言えるが、少なくとも背後に気を付ける必要がないというのはそれだけでかなり大きい。
 ここの家の場合それは少なくともないはずだ。だから安心できると。
 勧められて椅子には座るが。

「そうですね、ですが色々と血生臭いお話ですよ。私の話、特に戦場は……小説にあるような英雄なんてほぼ存在しません。ですのであまり面白いお話にはならないかもしれませんが」

 それでも大丈夫ですか? と首を傾げて。

カミーレ > 「えと、国と、己と…?つまり自由を愛する騎士様ということですねっ!」

彼の説明も世間知らずなお嬢様にはやはり難しかったようだ。
あまり理解できていないながらも、少女は納得しかっこいいですと憧憬の眼差しを向けるのだった。

「ふふっ、お兄様のことをそんなに褒めていただけるなんて、何だか私も嬉しくなってきましたわ。でもお兄様の活躍も貴方様みたいな騎士様の奮闘あってのもの…これからもお兄様のことをよろしくお願いしますねっ?」

彼の言葉にまるで自分のことのように照れくささを感じ、少しだけはにかみながらも兄の昇進は彼のような傭兵がその指揮の元で立派に戦ってこそであるとは理解しているようで深々と頭を下げて彼を労うのであった。

「ひっ…血なまぐさいのは…怖い、です…。騎士様は毎日そんな怖いところで頑張られているのですね…。よしよし、です。そういえば、お名前を聞いても良いですか?」

首をかしげながら戦場の現実は物語とは違うのだと少女に伝える彼に、少し怯えながら、しかし同時に彼はそんな怖ろしい場所で頑張っているのに自分は平和にのうのうと…と罪悪感を感じ、彼を何とか労いたいとつい反射的に、子供にするように頭を撫でてしまった。
そしてそんな自分の無意識の行動が照れ臭かったのか耳を真っ赤にしながらも、まるで話題を変えるように男の名前を伺うのであった

クレイ >  
「まぁ私に関してはそれでいいです。でも傭兵は気が荒いのが多いので気を付けてください」

 人攫いや強盗まがいの連中も大勢知っている。だからそう注意だけはしておいた。
 頭を下げられれば少しだけ笑って。

「ええ、今後も依頼を下されば是非に」

 実際、依頼がくればかなり良心的な値段で引き受ける事だろう。
 まぁそんな事せずともここの場合報酬も良いのだろうが。

「戦場なので……名前、そうですね。クレイです。苗字は残念ながらわかりませんので名前だけ。それと頭を撫でるのはむしろこちらがする側ではありませんか?」

 年齢的にもと笑うだろう。
 頭を撫でるならやはりというべきか、貴族のようにサラサラとはとてもしていないだろう。

「そうですね、では話題というのも変ですが。お兄様の家での姿とかを聞かせていただけますか? 同じ戦場になった際に隊長と話せる話題があるというのはこちらとしても心強いのです」

 

カミーレ > 「クレイ様、ですね。なるほど…クレイ様は自由な正義の騎士様ですが、自由で悪い騎士様もいるのですね…」

彼の注意にあまり実感のわかない少女はあいも変わらず的外れな解釈で、どれほどまでその忠告が響いているかは怪しいところだろう。

「ではお兄様にもそう伝えておきます!お兄様もきっと、クレイ様にそう言っていただけて喜ぶでしょう。」

依頼さえあればとの言葉に嬉しそうに微笑み返す。きっと社交辞令なんかではなく本当に兄に伝えるつもりなのだろう。
少女の口伝が入れば、妹に甘い彼のことだ。きっと報酬も多少色がつくかもしれない。

「そ、それもそうでしたっ…。はしたなかったですね…失礼しました。…えっと、では…。」

頭を撫でられて笑う彼に顔を真っ赤にしながら頭を下げる。
自分のものと比べるとはるかに硬い髪質の彼の頭の手触りは何だか忘れられないように思う。
そしてむしろこちらが…と返した彼に頷くと椅子を彼の横へとおいて密着するように隣に座り、頭を差し出した。

「兄の普段…ですか?そうですね…起きて、パンと牛乳を飲んで、お稽古に励んで…パンと牛乳を飲んで…お稽古に励んで…」

少女の語る限り、彼の兄は稽古と食事ばかりしている変わり者のようである。

クレイ >  
「ハハ、まさかそう来るとは」

 それで差し出されるとは思っておらずワシワシと撫でる。
 家族に溺愛されているのなら何度も撫でられた経験などあるだろう。それのどれとも異なる。荒々しい撫で方。だけどしっかりとした手つきから悪意等は無いはずだ。
 もう終わりとばかりに最後にやさしくポンと頭を叩いて。

「稽古ばかり……それならむしろ稽古のお手伝いをした方がよろこばれるかもしれないですね」

 なんて少し笑うが、教師としての目線も出てしまっている。
 今までそういう騎士や貴族を何度も見て来た。幼少期からずっと訓練して高潔な騎士であれと努力を重ね力を付けて……模範のような剣術で戦場で対応できず蹂躙された者を。
 そうならないように訓練に付き合った方が良いのかもしれないなんて。
 まぁ彼女の兄は大丈夫だとは思うが。話かける切っ掛けとしては訓練に誘うというのは有りだろう。

「それにしても、ここは良いですね。本当にパーティからは離れて静かです」

 堅苦しさが苦手な自分としてはここは確かに落ち着ける。隣に貴族の令嬢がいるのは落ち着いて良いか微妙な所だが。別に話をするのは嫌いではない。

カミーレ > 「あぅ、あぅ…お父様やお母様とも、お兄様方とも違う…なんというか、クセになる撫でられ心地、でした…。まあっ、クレイ様との稽古なんて、稽古好きのお兄様はきっとお喜びになりますよっ」

荒々しく頭をわしゃわしゃと撫でられると、時折甘ったるい声を挙げながらぐりぐりと手の動きと一緒に首も動いて、それが終わりとポンと頭を叩かれると少しだけ赤面し呼吸を整えながらなかなか満足げな顔を見せている。
戦場の実際も兄の実力も知らない少女は純粋に稽古好きの兄に同じ趣味の友達ができるのを喜ぶ妹のように表情を輝かせた。

「えへへ…そうでしょう?私も正直、にぎやかな場所よりもこういった静かなところの方が落ち着きますので…それにクレイ様は何だか話しやすいので一緒にいると落ち着きますっ」

バルコニーのお気に入りスポットを誉められてうれし気にはにかむと、貴族令嬢を横に侍らせることで彼は落ち着けるのかという気遣いは少女の中では想像できないようで、自分は男と二人雑談に興じるのをとても楽しんでいるのだと屈託ない笑顔で伝えるのであった

クレイ >  
「貴族流の撫で方なんて知らないので。傭兵流の撫で方です。またいつでもしますよ」

 流石にそこまでは貴族コピーは出来なかった。そういって笑った。
 実際に稽古をするとして、どんな風になるか頭の中では既に色々と計算が始まっていた。

「へぇ、意外ですね。話している時にも普通に明るいので皆様とお話するのが好きなタイプなのかと思っていましたが」

 なんて答えてから。

「まぁ、私が話しやすいのなら私がいるからと好意的に解釈させていただきましょうか」

 なんて冗談を混ぜた。

「それなら敬語を取った方がもっと話しやすかったりしてな。正直、さっきまでのはかなり取り繕ってる話し方だしさ」

 離れたし相手も許してくれそうだ。敬語を外して儀礼服も1番上だけボタンを外す。正直苦しくて仕方がないのである。

カミーレ > 「またいつでもっ…えっと、私の頭は、いつでも空いております…ので…」

そんな言葉になぜか食い気味に反応しながら、心なしか少女の頭は彼により密着するのであった。

「…?そうでした!クレイ様の方が年上ですもの。それにお兄様のお仲間でしたら私にとってもお兄様のようなものですから。敬語なんて不要ですよっ!」

普段皆と敬語で話しているが故、彼が気を使っていることにようやく気付き、もちろん構わないと了承する。
そして冗談っぽく解釈した男の言葉を冗談ではなく真に受けて捉え、本当にその通りですよと本心で微笑み返す。

「お話しするのは楽しいし好きではあるのですが、その…少し気を遣ってしまいまして。正直に言うと疲れてしまうのです…。」

クレイ >  
「なんだそりゃ」

 意図は理解したので撫でておこう。
 さっきまでのように撫でる事が目的というよりは話しながらなので力の入れ方等が少しだけ異なる。

「お兄様って言うのは変だが……ん、そりゃそうだ。ああいう場はどうしても気を張っちまうしな。しかもカミーレレベルなら猶更だろうさ」

 立場とかもある。自分以上に粗相が許されない立場だ。
 重圧もスゴイだろう。

「ここぐらいは気にしなくていいぜ。ほら、俺だって気を抜いて敬語捨てて。頭撫でてる。これお兄様に見られてみろ、その気が無くても稽古が始まっちまう」

 ぶっ飛ばされそうだなんて笑いながらよく頑張ったなといった意味を込めてワシワシとさっきよりもしっかりと撫でた。

「俺は傭兵だしな、じゃ依頼を受けようか。何なりとご依頼を?」

 なんて冗談めかして

カミーレ > 「あぅ、あぅ…一度知ったら忘れられない…感覚ですっ…」

力加減こそ違うもののその乱暴な撫で心地は少女にとって心地よいみたいで、なかなかストップはかからず彼の手を疲れさせるまで終わらないだろう。

「そうなんですっ…それに私、とっても甘やかされて育ったからエチケットなんかも良く分からなくって…変に思われないか、不安で…」

自身の重圧を理解して労ってくれる彼に少女は心を開き様々な思いのたけを曝け出す。そして先ほどまでよりさらに強くなでられると嬉しそうに甘い声を挙げて満足げに目を細めた。
この姿を兄が見たら、妹に手を出した怒りより自分に撫でさせろ!なんて的外れに怒りそうだなと想像して吹き出してしまう。

「依頼…罵っ…こほんっ、えっと…私、猫さんに憧れてて、わしゃわしゃーってされるの、羨ましいです…よね?」

心を開きすぎて油断してつい少女の醜い被虐嗜好が表に出そうだったのを慌てて抑え込む。さすがに実家でそんなことはできない。
そして熟考したうえで、遠回しに全身への愛撫を求めるが、きっと男には猫みたいに頭を乱暴に撫でられてみたい。というニュアンスに伝わるかもしれない。

クレイ >  
「そうやって思って実際そう思われないように頑張ってる。それだけで十分だろって俺は思うんだけどな」

 そうして頑張っている。それだけでも十分褒められるべき事ではないか。
 でも貴族はそうしたほんの些細な失敗等を理由に引きずり降ろされる世界だ。だからそういう訳にはいかない。それは十分に理解しているつもりだ。だけどわざわざ追及はしない。
 その後の依頼に関しては少しキョトンとした後にフハッと声を出して笑って。

「なんつー依頼だ。初めてだよそんな依頼は」

 そして近くにいるのだから逃がすかとばかりに肩をしっかりと引き寄せてからワシャワシャと撫でる。
 猫のようにという通り顔の横だったり顎の下だったり。
 そして最後にお腹の辺りを軽く擽って。

「さて、そろそろお兄様のヒロインがいないわけにもいかないだろ。戻りましょうか。なに、もしもっと遊びたいなら会が終わった後にでも。それこそここなら人も来ないでしょうし」

 続きはしたいなら後ほどでと。会に戻るのだから敬語に戻してそういうだろう。お手をどうぞと手を差し出しながら。

カミーレ > 「ふぁ…私、頑張れてますか…?がんばれて…ます、よね?」

男からのねぎらいの言葉が心に染み込むのか、少しだけ気恥ずかしそうにしながらも誇っていいのかもと胸を張ってちょっとだけ自信を持つ。

「えっと、クレイ様の初めて、いただいちゃいましたねっ?」

声を出して笑う男に少女もつられて年頃の庶民の子みたいに声を出して足をパタパタさせる。
肩をぎゅっと抱き寄せられ猫のように本当に顔やあご、お腹の方まで撫でられるとにゃあ…と恥ずかし気に鳴きながら耳の先まで真っ赤にして堪能するのであった。

「そう、ですね。クレイ様のおかげでゆっくり休めました。お兄様が主役の会ですものね。戻らないと。…えっと、猫のカミーラはその…尻尾を撫でられるのと…毛繕いが…好き、です…。」

休憩は終わりと敬語に戻った男の手を取ると、少女はにっこりと笑って頷いた。
そしてその後の少女の謎の独白は消え入りそうなほど小さな声で、男の耳に届いたかどうかは彼のみぞ知る。

クレイ >  
「なんだそりゃ」

 毛づくろいと言われて軽く乱してしまった髪の毛を整えた。
 しかし尻尾、尻尾? 少し考えて。

「……じゃ、行きますよ」

 尻尾と言われている辺り。つまりはお尻の上の辺りをポンポンと叩いて進めよう。
 入る前には手を離すだろうが。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 フェッセルン邸」からカミーレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 フェッセルン邸」からクレイさんが去りました。