2024/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にゴットフリートさんが現れました。
■ゴットフリート >
夜半も過ぎて、多くの者が就寝の準備をするか
あるいは未だ続く宴で慾に溺れている時間帯。
月明かりに照らされる富裕地区の通りを、伯爵は歩いていた。
髭面と膚色でわかり辛いが、僅かに赤らみを帯びた頬は酒精を呑んでいる証。
招かれた新興商人の宴を少し早く辞して、こうして歩いている。
馬車を出しましょうか?という申し出も断った訳は。
「小僧が…下らん企みに儂を乗せようなどと――」
人気がないのと、酔いの所為で口走る独り言の通り。
言外に勧められた禁制品の取引の誘いを思い出せば
頬が酒精以外の赤に染まりそうな感情をまた自覚してしまう。
無論、清廉潔癖などというものとは無縁の人生で無縁の人物だ。
それでもこの歳まで伯爵位を保ってきたのはそれなりに
危険と利益を天秤にかけてきたからであるというのに――。
「まったく、悪党の質が落ちたのか?」
また、独り言ちながら、段々歩く路は人影の薄い方へと。
道に迷っている訳でも、屋敷が其方の方向という訳でもない。
ただ、憂さ晴らしに歩いているという。
彼にしては健康的で、そして、あまりにも無防備な散策。
■ゴットフリート >
誰にとって幸いか。
何事もなく、その姿は夜の街並みに消えていって――。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からゴットフリートさんが去りました。