2024/05/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」に夏虎さんが現れました。
夏虎 > 快晴。雲一つない青空から、じりじり、じりじり、と……
夏本番にはまだまだ早いはずが結構な日差しが降り注ぐ、正午過ぎ。
夜こそ賑わう娼館街だが昼間もそれなりに人通りはある。
お気にの嬢と同伴で今から楽しむだろう男に出勤途中だろう女や女衒エトセトラ。
誰彼、額に汗を浮かべていたりハンカチで拭っていたりだ。

「いゃぁ~っはっはっは。たまらんね、ほんと。ええ、またいつでもどうぞ~」

とある娼館からオーナーらしき男と和やかに会話しながら出てくる桃髪も、また、
玄関から出た傍から日照りに目を細めてはサングラスをかけて肩を竦める。
上客が早めにやってきてお楽しみをしてからのお帰り、と、ぱっと見には見えないこともないが。

「昨日はちょっと寒かったのにこれですもんねえ。そら具合悪くなる子も居ますわ。
 一応ちょいと多めに持ってきましたけどちゃんと用法用量守って……」

実際は、贔屓にしてもらっているところで体調不良がちょくちょく出たので様子見に来た薬師である。
髪色から格好からそうは見えないこと多々だが内容そのものは健全頻りにもう幾つか言葉を交わした後、

「はい、それではまた」

オーナーと握手を交わして通りへと出れば、一息。
往来、人通りはそれほど多くないにせよ通りのど真ん中近くじゃあ邪魔になるからと適当な隅へと寄ってから、
煙草をジャケットの外ポケットから引っ張り出しては一本咥えてマッチを一擦りで火を点けてふかす。
ふわり、ふわりと濃い紫色の煙は煙草にしては香ばしく紅茶のような匂いを漂わせた。

「……この国、年々夏が早くなってきてんじゃないの」

ふーーー。と、紫煙をくゆらせながら、ぽつり。愚痴を零しながらに、日の高さを見ては、飯どうすっかなぁ何て周りを見渡す。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」から夏虎さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にレーウェさんが現れました。
レーウェ >  陽も沈み夜の帳が落ちて街灯に明かりが灯される頃合い。
 富裕地区に居を構える王侯貴族という生き物は日夜社交界に勤しんでいると聞く。
 あちらこちらで社交パーティーやら夜会やら仮面舞踏会やら。
 それらに出かけていく主人不在の屋敷が、そのコソ泥のターゲットだ。
 屋敷に努める使用人の数にもよるけれど、規模が大きいほどに下っ端の使用人の顔などすべて覚えられていないもの……。
 護衛を昏倒させて潜入し、奉仕メイドの衣装を盗み、発煙筒をどこかの部屋に投げ込んで騒ぎを起こす。
 集まってきた人の輪から抜け出してたどり着くのは貴婦人の部屋。
 明かりも落とされて薄暗く人気のない部屋に侵入し、ドレッサーを漁り、クローゼットを開き、宝飾品や貴重品、調度品、ドレスに靴、真新しいものを片っ端から亜空間収納の中に詰め込んでいく。
 女はフン、と鼻で笑いながら、手早くメイド服を脱ぎ捨てて、痴女めいた薄着の地肌を晒した。

「ちょろいモンね」

 口端を歪めて吊り上げながら、窓を開け放って強化した身体能力で、下ではなく、上へと逃げる。三階、屋根。
 強く吹く風に捲れ上がる前掛け程度の布が吹き上がり、下着もつけていない下半身も丸出しになるのもお構いなしに屋根の上へ立てば、あとはさっさと屋根伝いに他に飛び移って逃げるだけ。
 王侯貴族を狙うコソ泥。愉快犯の怪盗みたいに残すものなどなく、金目のものだけ奪ってさっさと退散する。
 あとはこれを貧民地区のブラックマーケットに流すだけ。本当にちょろい仕事。
 嘲るように下方の騒ぎを見下ろしながら、奴隷のコソ泥は月明かりに長くうねる髪を照らしていた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にゴーマさんが現れました。
ゴーマ > 盗む側に落ち度があったわけではない。奴隷のコソ泥として、彼女は完璧な仕事をやり遂げた。下調べも、忍び入ってからの撹乱も、脱出も。彼女が把握できなかったのは、標的にした貴婦人を狙う別の一団がいたということ。

「おやおやおや」

発煙筒によるボヤ騒ぎの中、邸宅の門前に横付けされた馬車の中、男たちが顔を見合わせほくそ笑む。彼らは生まれ持った権力以外、何の取り柄もない王族の子弟。数日前、この邸宅の貴婦人にちょっとしたいたずらを仕掛け、高貴な美熟女を共用肉便器に仕立ててやろうと企んでいた彼らは、魔法仕掛けの罠を仕込んだ宝飾品を贈っていたのだ。

「へへへ……それじゃあ、泥棒をビックリさせてあげよう」

太った低身長の男がそう呟き、指輪に填まった石に指を押し付ける。直後、屋根から屋根へと逃げようとしていた彼女は、亜空間収納に異変を感じるだろう。通常空間へと繋がる「取り出し口」ともいうべき場所から、桃色の煙が勢いよく噴き出した。

処女を奴隷調教する際に使うその媚薬は、あっという間に一帯を取り巻いて近くにいる者の心と身体を蝕んでいく。

レーウェ > 「……ん?」

 軽やかな跳躍で屋敷から離れようとした矢先に亜空間収納に違和感を覚えた。
 直感的なもので、まるで自分の道具袋を他人にあさられてるような不快感。
 次の瞬間にはブシュウウゥ♡と勢いよく噴き出してきた桃色の煙が頭から顔面に直接浴びることになる。
 強烈なまでの媚薬ガスは快楽もしらない純潔の乙女すら淫らに狂わせるほどのものなのだろうけど、コソ泥女はそんなことを知る由もない。
 鼻腔から、口から、皮膚から、その煙にまとわりつかれるように浴びた脳天は一瞬にしてピンク色に染まり、がくんと膝から力が抜けた。
 そのまま、屋根からの転落――――。

「ぎっ、 あ、っぐ……っ♡ あッ かはっ、 っ♡♡」

 高い木の中に落ちた女の体は木の枝に何度かぶつかって引っかかって、枝に体を鞭打たれたかのような痛みを浴びながらあっという間に路上まで投げ出されていった。
 地面にどさりとしたたかに身を打ち付けて、がはっ、と息を詰まらせる。
 普通なら痛みで悶絶するだろう落下衝撃だが……。
 まあ、近づいてきたならわかるかもしれない。下着も身に着けない痴女めいた薄着は木の中で乱れに乱れて片乳がまろび出て、白い肌はうっすらと赤みがかってぶつけた痕以外の興奮と発情に上気している。
 無様に開いた両脚、鼠径部から股座をかろうじて隠している薄っぺらい前掛けの下からは夥しい量の愛蜜が滴り、雌臭を漂わせていた……。
 媚薬ガスの効果もあるだろうが、それを浴びてコソ泥の妖艶な肉体にかかったダメージが、ほぼほぼ快楽に変換されている。
 その原因まで理解できるかどうかはさておき、ビクビクと路上でのたうつ女の運命は、屋敷の貴婦人の肉便器化より先に確定したかもしれない。
 男たちにとっては、良い玩具が降ってきて道に転がっているのだから、持ち帰ったところで誰も何もとがめはしないだろう……。

ゴーマ > 「おお、あれかな?成敗して恩を売ろうじゃないか」

曲者が屋根から転落し、葉擦れや打撲と思しき鈍い音を聞けば、護身用の小剣を手に馬車から降りた男がニヤつきながら倒れた人影に近付く。まともに身動きできない相手の首を狙って剣を振り上げたが、寸でのところで踏み止まった。

「おほっ!? ほぉ……いやいやいや、これはまた……ひひっ!」

乳房を片方出し、肌を火照らせ肩を喘がせる女を見下ろし、生まれの良さゆえ整った顔立ちを喜色に染めながら剣を鞘に納めた男。馬車を振り返り、手を振って御者に合図を送った後、薬で無理やり発情させられた女体に視線を戻し、喉を鳴らして低く笑うのだった。

レーウェ > 『移動します』
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からレーウェさんが去りました。
ゴーマ > 【移動します】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からゴーマさんが去りました。