2023/11/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にメレクさんが現れました。
■メレク > 王都の貴族邸宅にて行なわれている舞踏会。
普段よりも照明を落とした薄暗いホールには管弦楽団による艶やかな音楽が鳴り響き、
華やかなドレスで着飾った男女が肌が触れ合う程に身体を近付け、会話や舞踏に興じている。
彼等は皆、一様に仮面を付けており、己の素性が何者であるのかを分からなくしていた。
表向きにはやんごとなき者達の社交の場である夜会。
しかし、その実は有閑貴族達が一夜の享楽に耽るための集いであるのは明白。
貴族の他にも見目麗しい奴隷の男女や高級娼婦、事情も知らずに集められた女達が
出生地、人種も問わず、王国人以外にも北方帝国人、ミレー族や魔族まで、多種多様に混ざり込む。
そして、灯りの届かぬ会場の隅からは男女の熱い吐息や嬌声が、音楽の途切れる合間に漏れ聞こえてくる事だろう。
その会場の中央の壁際にて一人の男が二人掛けのソファに腰掛けて高級ワインを嗜んでいる。
でっぷりと肥えた身体に、節くれ立つ十の指に嵌めた豪華な太い指輪。
仮面で顔を覆っていながらも、正体を隠す意志が見られない彼は、この夜会の主催者である。
傍らに奴隷達を侍らせて、時折、近寄ってくる貴族達との他愛もない会話に興じながら、
男は快楽に堕落する人々の姿を眺めて、心底愉しそうに只々ほくそ笑むばかりであった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からメレクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にサウロさんが現れました。
■サウロ > 「うぅ……寒い」
(とっぷりと日も暮れた時間帯。
自由騎士の印章のついた厚手のジャケットを着ているとは言え顔に吹きすさぶ夜風は冷たい。
金髪の前髪がめくれるほどの風を浴びながら歩くのは富裕地区。
比較的安全な区域とは言え、夜半も過ぎれば少女姿一人で歩くには危険な頃。
護身用の魔導具を確認しつつ、小さく息を吐いて外灯の照らす明るい大通りを進む。
思ったより仕事が遅れてしまったのは、体力のない少女の姿だからか。
ペース配分が難しい、と眉間に眉を寄せながら、ともあれ任務は完了。
あとは帰路について報告書を上げるだけだ。)
「……あまり人通りがないな」
(貧民地区なら仕事終わりに繁華街が賑わう頃合い。
富裕地区に住まう人はこの時間帯に何をして過ごしているのだろう。
補装された道を歩きながら通り過ぎる大きな建物。
貴族や富裕者が住まう豪奢な建物を見上げては、通り過ぎていく。)
■サウロ > 「……っくしゅ」
(鼻がむず、とくすぐったくなってくしゃみが一つ。
気温もぐんと下がったし、もっと遅い時間にならないうちに、急いで帰ろう。
小走りぎみにタン、と補装された街路を蹴り、小さな姿は富裕地区から立ち去っていった──。)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からサウロさんが去りました。