2023/10/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にローナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にシャーロットさんが現れました。
ローナ >  
暗い、室内。

そこに来たのはどうしてだっただろうか。
思い返してみる。

いつもの通り、過ごしていた、姫殿下。
それが、誘拐されたのはいつものこと。

いつもと少し違ったのは、姫殿下の意識が刈り取られた、ということ。

微睡んだ意識の中、かちゃり、かちゃりと、音がする。

目を、開ければ、そこにいたのは一人の侍女。

まだ、どんな顔だか、朧げで、はっきりしないが、服装からそうわかるものが、近くにいるのはわかる。

侍女「……お目覚めでしょうか?」

侍女の声がけ。

侍女服から、期待した、想像した、専属の騎士のものではない声だということははっきりと姫殿下にも、わかったことだろう。

シャーロット >  
───………

薄ぼんやりとした、微睡みにも似た感覚
うっすらと瞳を開けば、目に入るのは薄暗い室内に佇む、侍女の服装の人影
投げ掛けられる声は…嗚呼、私の騎士の声ではなく

「……う…私……?」

ゆっくりと身を起こそうとする
まだ、状況はまるで飲み込めていない…

ローナ >  
「おはようございます、姫殿下」

ペコリとお辞儀をする。
少しずつ、意識ははっきりして、状況を理解できる。
手は、拘束されていない。
動くこともできる。でも少しだけ気だるく、手足に力が入りにくい――

そして、侍女のことを見ると、見覚えがある。
そう、あなたに仕えていた、者のひとりで。

あなたのことを馬鹿にしていた者のひとり――

シャーロット >  
「……っ…、あ…れ……」

うまく、手足に力が入らない
声をかけた侍女の顔を見上げる…

……愚図で、おどおどして、自己主張をしない自分を疎ましい眼で見る…そんな侍女の一人だ

なぜ、ここに?
そして、ここは…?
色々な疑問が浮かんでは消える…

眼の前の彼女に、聞こうという気など起こりもしない…
口をつぐみ、眼を伏せる……

ローナ >  
侍女「姫殿下、こちらを飲んでください」

コップにあるお茶を注ぎ、それを渡す。
見た目は普通の紅茶。

そして、香りもまた、いい香りがする。

侍女「どうぞ、殿下」

渡そうとする侍女の手は、震えて、いた。

シャーロット >  
「………」

身をなんとか、ゆっくりと起こして
促されるままにコップを手にとる
その中身を、疑ったりなんかはしないけれど…

「……あ、の」

ただ…気になってしまうのは、仕方がない

「ありがとう。…でも、どうして、震えて……」

此処がどこなのか…それが彼女の、様子がおかしい理由になっているのか…

ローナ >  
侍女「さ、寒いので」

そんなことは、ない。
普通に過ごすことができる、部屋だ。
服を着ていれば気にならず、むしろ過ごしやすい、くらいなのに。

侍女「ですから、どうぞ。お飲み、ください」

一歩、下がった。
下がって、あなたを見つめていた。

まるで縋るような、瞳で。

シャーロット >  
「……?」

妙な感じ…とでも言うべきか
普段の彼女であればもっと高圧的に、言う通りにしてくださいと詰られる…のに
でも、それを問い詰めよう…なんてことを思えるような性格ではなくて

「…じゃあ、いただきます……。あの…ここは…?」

口をつけ、暖かく薫りの良い紅茶をいただく
少しだけ冷えた身体に心地よい暖かさが巡る…

にしても、どうしたことだろう…
彼女があんな顔をするのは、見たこともない…

ローナ >  
侍女「っ……ひ、姫様、助けてくだ――」

会話を続けようとする、貴女。
きっと侍女にとってはそんなあなたを見た覚えはなく、その変化に縋る思いだったのだろう。

そこまで言いかけたとき。

ガチャリ――音が、なった。

「姫殿下」

扉を開けたのは、聞いたことのある、貴女の専属、騎士。

「お体に変わりはありませんか」

シャーロット >  
「……え?」

眼を丸くする
…聞き違えた?
ううん、違う
はっきりと、彼女は助けを求めた

「あ、あの…それはどう───」

その時、部屋の扉が開いた音…そして‥

「…ローナ?」

シャーロットの専属の護衛騎士となった彼女
様つけでは立場がありませんと、呼び捨てで彼女を喚ぶようになったのは、まだ最近のこと
助けを求める侍女と、その場に現れた護衛騎士…
ますます、わけがわからなくなってゆく…

「身体…? 大丈夫、です…けど、少し力が、入りづらくて……」

妙に気怠げに感じる身体…変わりがあるといえばあるけれど…

「そ、それよりも…」

侍女へと視線を戻す…一体何があったのか…助けて、という言葉の真意は…?

ローナ >  
「姫殿下は、誘拐されたのですよ。そこを私が」

ぺこりとお辞儀をする。
侍女は、護衛騎士――ローナを見ると、びくっと身体を跳ねさせて、下がった。
そして、姫。貴女の言葉に応えようと、しない。
いいや――

「良かったです。ご無事で」

ほほえみながら、近寄り。

「姫殿下、今日で、専属としての名誉をいただき、少し経ちました。慣れても来て、貴女の置かれている状況や、どんな扱いを受けているのか、詳しく、調べさせていただきました」

微笑みは絶えず、専属騎士は――

「そこの侍女、いいえ、それ以外にもたくさん、虐げられていた、のですか?」

シャーロット >  
──誘拐
そう聞けば、聞こえが悪い
実際にされていることは、そうに違いないのだろうけど
王位継承権を持つだけの人形を欲しがる王族・貴族は意外にも多く…
その悪意に晒され、唆され、脅され、…こうやって連れ出されることもいくらもあった
…意識をなくしていたのは、はじめてだったけれど

「………」

一歩下がる侍女の姿…明らかに様子がおかしかった
その理由は…その後の彼女…ローナの言葉でなんとなし、理解できてしまう
ああ。王族に対して働いた彼女達の態度や、目に余る言葉、圧力…そういったものを指摘されたのだろう、と

「…お調べになられたんですね」

「……虐げられていた、というべきかは…わからないです、けど…。
 血筋だけ…形だけの王女の側に務めるのは…きっと、面白くはなかった、でしょうから…」

どうせ同じ王女に仕えるなら、ちゃんとした姫君に仕えたかった──そんな声は、いくらも聞いてきた
そんな王女の専属になったことを悔いてしまっているのだろうか…と、やや不安げに、ローナの顔を見上げる…

ローナ >  
「はい。そして、貴女が私と出会ったときに口にした、褒賞を渡すことはできないという、理由もそれ故に理解しました」

そういった下調べは、大変得意だ。
本領と、いってもいい。なにせ自分の素顔を隠すために必要な作業のひとつであるから。

「姫殿下は、私に、今後、なにかをくださいますか?」

確認するように、そう、口にする。

「不透明ではない、確かな、利益を」

シャーロット >  
「………」

見上げていた顔を、伏せる

褒章は…与えられない
正しくは、自分の一存で家の資産を動かすことが出来ない
そして、他に何を与えられるのか、と問われても……
何も、自分にはない
いずれ王位を継承する、その王女の護衛騎士であったとなれば名誉もあろう
しかし自分は…王位の継承権などからは常々、目を背けてきた
そんな争いに参加しようと思える程、自分に自信があるわけでもなく…
誰かを押しのけて上に征く、なんてこと考えたこともない…

褒章も、名誉も、与えることが出来ないとなれば…

「…給金は、家から支払われると思います…が……、
 私から…私なんか、には…何も、与えられるものなんて……」

声が消え入りそうに小さくなってゆく
子供の頃から何も出来なかった
何もさせてもらえなかった、というのが正しいかもしれない
今の自分にできることが…本当に何も浮かばなくて…情けなさに、ただただ顔を背けていた

「…お辞めに、なってしまわれますか」

ローナ >  
「あはは」

嗤った。あぁ、面倒くさい作業だ。でも必要だから仕方ない。
あとでちゃんと、鬱憤バラシはするのだから、まだ、我慢。

「いいえ、あるじゃないですか。姫殿下」

そして、貴女を、指さした。
まるで、プロポーズのよう、貴女がほしい、と。

――いうわけではなく。

「大変、愉しそうな、玩具が」

シャーロット >  
「えっ…?」

唐突に、笑われる
何か、おかしなことを言ったのだろうか、と
そう考えてしまう、そんな間もなく

彼女…ローナの手指は自分を指差して

「──…わた、し…? …玩具…? …え?」

これまでの彼女の、生真面目そうな口から出た言葉に困惑を隠せず
見て十分にわかるほどに狼狽し、彼女の後へと下がった侍女へと視線を送る

どういうことなのか…どうなっているのか
侍女の様子がおかしかったのも、何か関係があるのだろうか…と

ローナ >  
「はい。私は専属騎士として貴女を護った。だから、貴女自身を、私が飽きるまで、今日一日、ください」

侍女は、目を、合わせない。

「その結果、私をどうするかは、姫殿下がお決めください。今日は、好きにさせてくださいよ」

その笑い方は、下卑で、汚らしく。

「いいでしょう? それくらいは。ここまで頑張ったんですから。ね?」

一歩、足を前へ。

「貴女の生活の周りを良くするために、罵り、罵倒する者共はすべて、"仕置"をしました。だから最近、過ごしやすかった、でしょう?」

もう一歩前へ。

「姫殿下を、盾に思い通りに何かをするつもりもありません。お受けに乗り出すとか、姫様を人形に何かをするつもりもない。ただ、遊べりゃ、それでいい」

簡単でしょ? と、首を傾げて。

「姫殿下、遊びましょ?」

シャーロット >  
「………」

呆気にとられていた
彼女の言う通り…、いつもキツくあたる侍女達は口を噤み
わざと聞こえるように陰口を叩く者も、その姿を見なかった
……眼の前の彼女が暗躍したのだと明かしたことに、ただただ、驚いて…

…何を差し出すこともできない私には、彼女が望む通りにすぐのが一番良い

そう、思ってしまっている
けれど……

「……遊ぶ、というのは」

…なんとなしに、想像はできているけれど
一縷の望みをその言葉に載せる
なんて、冗談ですよ、と
そう言ってくれるかもしれない、から

…でも
彼女の後に控える侍女
…そう、きっと彼女は…ローナに仕置をされたのだと
…理解できてしまっているから

彼女が一歩距離をつめると、思わずシャーロットは後へと下がる…
…すぐに、壁を背負ってしまうのだが

ローナ >  
下がった貴女を見て、面倒くさそうに口にして。

「セックスですよ。まぁ、女同士なんで少し、快楽を与えることに重視、しますけど」

あぁ、もう。面倒くさい。

「もう、お前に差し出せるのはそれくらいなんだから、それくらい寄越せよ。こっちを、愉しませるくらいのことはしろよ。ご機嫌伺いするのも、面倒ないろいろから、アンタを守るのも、ストレスが溜まってイライラするんだよ」

頭をがりがりと、掻きながら、いつもとは違う地が、でる。

「だから」

そして、壁に貴女の背が付くと。

「発散、させろよ」

どんっと、壁に手をついて。逃さないように、貴女の身体を、騎士の身体が、覆った。