2023/09/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクレイドルさんが現れました。
■クレイドル > 王都マグメール。富裕地区。
資産家や貴族などの御用達となっているオープンテラスのカフェ。
紅茶一杯と焼き菓子だけで、平民地区ではご馳走をお腹一杯食べられる狂気の価格設定。
今日の時刻は昼を過ぎ去って、空に輝く太陽も大分傾き出している。
そんな場所で寛いでいる面々と言えば、多少ながらに名の売れている富裕地区や外部から来た著名人などが目立つのだが。
その場に少し他とは異なって浮いているシスター姿の女が一人、パラソルの日陰下の白いテーブルについていた。
「ん~♪お上手お上手♪とーっても御上手ですわ~♪ちゃんとテーブルマナーが出来てて、何て良い子なのでしょう!」
それも子連れとなれば愈々目立って来る。
連れているのは娘であり、見掛けの年となれば年端も行かぬ10歳未満。
褐色の肌色の瑞々しく美しく顔立ちが整っている。
富裕地区で買える仕立ての良い子供用のドレスに装っているが、その手の甲には淫魔に呪われている証である紋章が刻まれていた。
まだ無邪気そうな笑顔を湛えて、テーブル上の給仕された御茶と果物のタルトに食器を使って手を着けている。
じっくり丁寧に教えた作法の通りに。
「流石わたくしの産んだ子供…♪世界に生誕した唯一無二の宝…輝ける宝石の原石、太陽すらも目を眩ませる麗しさですのよ♪可愛い可愛いですわ…♪」
溺愛っぷりの極みに腕に抱き寄せて、御菓子の屑塗れのほっぺたに頬ずり頬ずりとしていた。
べたべたに撫で付けて褒めそやし、美しく着飾り、生活には少なくとも苦労はさせていない。
何もかも他人から盗み取ったDNAの絡み合った結晶に感嘆の息をほう、と、吐き出しながら、糸目の眦をでれでれと下げっぱなし。
■クレイドル > 「ふふーふ♪気を付けて行くんですのよ~♪悪い人に御菓子をあげると言われてもついていっては駄目ですわ~♪」
そして家族のスキンシップと憩いの団欒を暫く過ごした後に、その娘を見送る事になる。
連れて来たのは娘だけではなく、どう見てもシスターに似ていない異種族や、
ローブのような衣装に身を包み全貌までは見えないが、到底に真っ当とは思えない風貌の者まで居た。
共通点は全てが子供達という事であり、伴い連れ立ち、仲親しそうに和気藹々としながら歩き去って行く。
子供達だけの時間と自主性を重んじ育む時期。ぶんぶん手を振りながら雑踏に紛れる一団を眺め渡していた。
「……子供は至宝。そこに居るだけで良い存在…あの子達の兄妹をもっと、ええ、もっともっと増やしてあげませんと…♪わたくしにお任せ下さいまし…♪」
恍惚にとろりと表情を崩して笑いながら頬を片手に首を傾ける。
そしてテーブルの自分の分、子供達に意識を割き過ぎて飲むのを忘れていた冷え切った紅茶のカップに手を着け。
それをソーサーと一緒に持ち上げ、改めて口を着けながら辺りにへと目を配っていた。
より育むに相応しい血の在処を求め、黄昏時を迎えたオープンテラスより窺える富裕地区の路上にへと。
ご案内:「」にクレイドルさんが現れました。
ご案内:「」にクレイドルさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクレイドルさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクレイドルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にサタンさんが現れました。
■サタン > 予てより男の表の稼業である商会から、独立を相談されていた若者の送別の日の夜。
長く勤め経験も十分に積み、若い衆から頼られる存在ではあったが、それは男の庇護下にあっての事であり、
自身の才覚がどこまで通用するかを試してみたいという意志を汲み、送り出す事とした。
富裕地区で食材、酒類、食器などの取引で付き合いのあるレストランの個室を借り、
彼と交流のある若者数人を連れて訪れた。
まともに払えば今の若者達では、その後の生活は非常に苦しくなる価格。
今後、成功すれば自分の金で食事を愉しむ事も出来るだろう。
贅を尽くしたようなコースメニューの料理と酒を愉しみながら、食べ終えて店を後にするが、まだ帰路につくには早い時間。
若者であれば猶の事夜の遊びか、仲間内での最後の夜を愉しみたいだろうと思った男は、
軍資金をポケットマネーで渡して、夜の街へと向かっていく彼らを見送る。
「―――さて、俺も飲みなおすか。」
若く活気のある者と酒を酌み交わすのも悪くは無いが、落ち着いて一人ゆっくりと愉しむ方を好む男は、
まだ足りない酒精を求め、華やかな富裕地区の表通りで街行く人の流れの中に紛れ、男も革靴の足音鳴らして飲みなおしの店を探し、歩みを進めていった。
■サタン > 表通りであれば、歓楽街のように客引きといった行為を行う夜の蝶の姿も無く、表向きはまともな店が立ち並ぶ。
吞み慣れたいつもの店も悪くは無いが、新規開拓するのも悪くはない。
人通りの中にて、大柄な体躯ながら肩がぶつかる事も無く、店の面構えを眺めながら通りを歩いてゆく。
「――貴族向けの店がまぁやはり多い、か。
いっそ娼館というのもアリか…?」
流石に人通りの流れの中で、煙草は吸えないが気分的には一服入れたい気分になるほど、
眺め見る店の造りなどは、やはりこの地区だからか富裕層をターゲットとした店が多く。
落ち着いた店を探すのは中々に骨が折れる。
このまま見つからないのならば、予定変更して歓楽街の娼館で色を愉しむ方向に変更しようかと、人通りの中進みながらポツリと呟いた。