2024/09/30 - 22:59~00:09 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にラリーさんが現れました。<補足:160cm半ば きっちり着込んだ男子の制服、黒縁眼鏡>
ラリー > 放課後の図書館。学院の生徒たちが、読書に勤しんだり調べ物に励んだりと思い思いに過ごす中、
その風景に溶け込むように読書スペースの片隅で本を開いている目立たない風体の男子生徒。

周囲の誰も少年に注目することなく、少年もまた読書に耽って誰も見ていない。
…ように見えて、少年自身は読書しながらも密やかに周囲に気を配っている。今日の獲物を見つけるためだ。
もっともそう簡単ではなく、今のところいい獲物になりそうな対象は見つけられていない。
当然、ハズレの日というのも何度あったかわからない。
だからといって躍起になることもなく、諦めと切り替えが早いのもこの少年の誰も知らない特徴である。
そんな少年の直ぐ側をふと通りかかる人影があり、少年はほとんど身体を動かさないままちらりとその誰かの姿を横目に伺った。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にカルネさんが現れました。<補足:容姿は名簿内画像参照>
カルネ > 「ら、ラリー、先輩……っ!」

読書スペースの片隅に腰掛ける男子生徒へ、声を掛ける姿がある。
少女は小声でその名を呼ぶと、ぱたぱたと小走りで駆け寄って満面の笑顔を浮かべた。

「ぁ、あのっ、ぉ、覚えていらっしゃい、ますか……っ?
 以前、先輩のお店で本を貸して頂いた、カルネ・レフィール、です……っ。
 ぉ、お会い出来て良かった、です。お返しと……感謝を届けたいと思ってたんですっ」

特異な衣装に身を包み、エルフの様に長い耳を持つ小柄な少女は、
銀の長髪を靡かせて男子生徒へ深々とお辞儀をすると一冊の本を取り出し差し出した。
少年の記憶に残っているのであればその姿は見覚えのあるものだろうが、果たして――

ラリー > 傍らを通り過ぎた誰かを見送った直後、やや離れた場所から小声で呼びかけられたのは自らの名。
普段から背景に溶け込み目立つことなく過ごしていた少年は、その慣れない出来事に思わず身動ぎした。
数度まばたきをしながら、控えめな小走りで寄ってくる風変わりな格好の少女の姿を視界に入れれば、
満面の笑みを向けられていることに気づいて、やはり慣れなくて思わず硬直してしまった。
もっとも少年の表情は普段から硬いので、見慣れていない者には表情をそんなに変えているように見えないだろうが。

「……。…レフィール。いや、忘れてはいないが…そっちも律儀に覚えてるなんて思わなかったよ。
…お返しはともかく、感謝なんて別によかったんだけども…」

ややあって、差し出された本を受け取りながらたどたどしく言葉を返してゆく。
店という自分のテリトリーではなくパブリックスペースである図書室内ということで、口調は歯切れが悪め。
そして本の裏表をチェックし、確かに自分の貸したものだと確認できれば頷いて。

「…確かに返してもらった。…まだ他に何か話があるなら…場所、移すか…?」

本の返却が済んだ時点で、彼女の己に対する用事は終了したことになるはずで。
それで彼女がさっさと帰るなら見送るだけだが、まだ用事があるというのなら
ひとまず違う場所に移動しようかと、顔を見上げながら提案して。

カルネ > まばたきしつつ応える少年を前に、少女は笑顔を浮かべたまま――

「その……カルネ、で、良いです、先輩……っ。
 私も、ラリー先輩と呼ばせて頂いてます、し……後輩、ですから……っ。

 そ、そういう訳にはいきません……っ。とっても、助かったんです……っ。
 お礼は当然ですし、その……学院でお会い出来て、嬉しかった、というのもありまし、て……」

たどたどしく言葉を返す少年の様子に、馴れ馴れし過ぎたかと居なおしながらも
学院内で特に友人も居ない少女は、"先輩"との再会に心躍らせる思いを隠せぬ様子でソワソワとしている。
本を返却し終えた後も、少女は腰掛ける少年の傍らでニコニコと上機嫌な笑顔を浮かべたままで――

「んん……よ、よ、用事、という事は、特に無いんです、けど……。
 先輩が良ければ、えぇと、その……お、お話、とか……したいです……っ!」

『お願いします!』と、何か重要な事でも頼むかの様な勢いで、少女は少年へ再びお辞儀をした。
場所を移すかと提案されれば――少女もまた人見知りな性格。コクコクと頷いて肯定する。
少年が立ち上がり場所を移すなら、少女はアヒルの仔めいてその後をついていく事だろう。

ラリー > 「…お話…か。あまり得意なほうじゃないんだが…まあいい。じゃあ…ついてきてくれ」

なんだか少年にとって慣れない事態ばかりで少々気疲れしながらも、ちょうど獲物が向こうから来てくれたのだから
好都合だと思い直せばふぅ、と息をつきながら緩慢な動作で立ち上がり。
返却された本と読んでいた本を抱え、座っていた椅子を直してから少女についてくるよう促し。
早くも遅くもない、小柄な少女でもついていくのは難儀しない程度の歩調で歩き始めて…

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からラリーさんが去りました。<補足:160cm半ば きっちり着込んだ男子の制服、黒縁眼鏡>
カルネ > 「は、はい……っ。あ、の……先輩……お疲れ、ですか……?」

席を立つ少年の後ろを少女は笑顔のまま追従するが、
どこか気疲れした様子を背後から覗き込めば心配そうに眉尻を下げる。
少年の心境を知らぬ侭、少女は共にその場を後にして行った――

カルネ > 【移動致します】
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からカルネさんが去りました。<補足:容姿は名簿内画像参照>