2024/08/03 - 01:46~04:23 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 身分混合クラス 大教室」にリコッタさんが現れました。<補足:143cm/少女/長い茶髪/金の眼/学生服/獣耳と尻尾/バンダナ>
リコッタ > 授業が終わり、閑散とした放課後の教室。
一人残った女生徒が静かに掃除用具をロッカーへと戻す。

「ようやく終わりましたね……」

同じ掃除当番だった生徒が急用で帰ってしまったため、いつもよりも時間が掛かってしまった。
もう校舎からはすっかり人気がなくなり、残っているのは部活動に精を出す生徒たちくらいだろう。

「まあ……それはそれで都合が良いのですけど」

ぴょこり、と髪の間から飛び出す茶色の狼耳。
月の周期に合わせて発症する少女の持病のようなものだ。
本人はもうすっかり慣れてしまったが、誰かに見られてしまっては面倒。
下校途中に見つからないよう、帰る支度をしながら頭にバンダナを巻こうと……。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 身分混合クラス 大教室」にシトリーさんが現れました。<補足:148cm/腰まで伸ばした金髪/円らな碧眼/尖った耳/濃紺色の水着>
シトリー > 授業が終わってから、復習しようと図書館へ向かったのまでは問題なかった。
向かった先で、さぁ勉強しようと鞄を覗き込んで見たら、肝心のノートが見当たらず。
来たばかりの道を引き返す羽目になってしまった。

夕暮れの学舎は、しんと静まり返っており。
何か違う場所に迷い込んだような、そんな錯覚を思い起こさせる。
大教室の扉を開けると、がらんとした空間はいつも以上に広く感じられ。

「えっ……っと、こんな時間まで、もしかして自習……ですか?」

誰もいないだろうと思っていた教室に、女子生徒がひとり残っていたのに少し驚いてしまう。
驚いてしまったのを誤魔化すように、話しかけたのはいいけれど。
その頭に学院では見慣れない獣耳がツンと立っているのが見えれば、少し首を傾げ。

「ミレー族の方……でしょうか? 学院では珍しい、ですよね。」

リコッタ > 「………………」

少女の手から、結び掛けのバンダナが滑り落ちた。
……数秒間の沈黙。

「わぅっ!?」

耳がピンと立ち、尻尾の毛がぶわぶわっと逆立つ。
見られた。そう理解した瞬間、考えるよりも先に体が動いた。
床を蹴り、それなりに離れていたはずの距離をほんの数歩で詰める。
小柄で大人しそうな少女の雰囲気には見合わない、俊敏な動き。

「いえ、その……ミレー族というわけでは……ないのですけど……。
…………み、見ちゃいました?」

隠すように耳を抑えながらも、ぐい、と涙目で詰め寄る。

シトリー > 「きゃっ!?」

しばらく固まってしまった少女に、どうしたのかと心配し始めたところで、
突然、目の前にその少女の姿が現れて悲鳴を上げてしまう。

「え? ち、違う……んですか?」

否定されると、手で隠されていてもはみ出ているそれを見つめて不思議そうに問いかける。
何よりも隠されていない尻尾の方が雄弁に自己主張しているけれど。
けれど、涙目で見つめられてしまうと、それ以上は何も言えない。
かと言って、気休めの嘘をついても仕方がない。
申し訳なさそうに、こくり、と小さく頷きを返し。

リコッタ > 「あ、ああ……あああぁぁ……ついにやっちゃった……」

耳を抑えた体勢のまま、頭を抱える。
以前にも街中で症状がバレてしまったことは何度かあったが。
学院で耳と尻尾が露見してしまったのは初めてのこと。
今まで拙いなりにもなんとか上手くやってきたこともあり、半ばパニック状態になっていた。
丸見えの尻尾が少女の混乱を表すように忙しなく揺れる。

「えっと、説明するのが、ちょっと難しいんですけど……一応、普通の人間で……。
……あ、あの……できれば、今日見たことは……ご内密に……」

瞳を潤ませ上目遣いで嘆願する。
人間を自称しているものの、その仕草はどうにも子犬のおねだりのようだ。

シトリー > 「え? え? あぁ、隠してたんですね。
 大丈夫です、誰にも言いませんから。ね?」

頭を抱えてしまう少女を宥めるように、背中を撫でる。
とりあえず、隠しているのであれば、他に誰かが来てしまうと不味いだろう。
しっかりと扉が閉じているのをちらりと振り返って確認し。

「普通の……? でも、それ………
 変身魔法とか、そういうの……でしょうか? うっ……」

少女の言葉を疑うわけではないけれど、もふもふの尻尾の触り心地は良さそうで。
それが作りものだとは思えない。
上目づかいで懇願してくる様子は、まさに仔犬のそれで。
思わず、きゅんとなってしまって、あやすように肩を抱いて。

リコッタ > 「……ほ、本当ですか……!?」

今にも泣き出しそうだった表情が、ぱぁっと明るく輝く。

「あ、ありがとうございます……っ。
その……これを知ってるのは、家族など……本当に一部の人だけでして……。
魔法ではあるんですけど……呪いの類なんです……」

背中を撫でられ肩を抱かれれば、焦燥に満ちた心に少しずつ安堵が広がって行く。
おずおずとだが、思わずあなたの体をむぎゅりと抱きしめた。
どことなく同級生の少女たちとは違う雰囲気と、におい。

「あの……嫌じゃない、ですか……?
こんな、ミレーみたいな……耳と、尻尾……」

シトリー > 今にも泣きそうだった顔に笑顔の花が咲けば、思わず見とれてしまう。
よしよしと少女の背中を撫でてから。
ぎゅっと抱き締められると、小柄ながらに柔らかな感触で。
相手には、どこか甘い柑橘に似た香りが感じられるかもしれない。

「……? あぁ、この国の人は、ミレー族を毛嫌いしてるみたいですね。
 私はそういうことはないから、だいじょうぶです。」

何をそんなに怯えているのかと、首を傾げたけれど。
この国の習慣を思い出すと、その態度にも納得し。
大丈夫だという証明だとばかりに、自身の尖った耳を摘んで見せる。

「呪い―――なんですか?
 うーん、呪いなら、どうにかできる……かな……
 ―――浄化を試してみても良いでしょうか?」


こう見えて、その手の魔法は得意なんです。と胸を張る。
ただ呪いだけは払いきれなければ、逆に悪化したりすることもあるだけに伺い立て。
魔力を集中させて気配を探ってみれば、確かに魔属性のそれが感じられ。

リコッタ > 「あ、その耳……エルフ、だったのですね……よかった……」

耳を示されれば、ようやく目の前の少女が人間ではないことに気付く。
エルフ。学院にもエルフの血を引く生徒はそれなりにいるし、
わざわざ人里に下りてくるエルフは総じて友好的だ。
とはいえ、魔力に敏感なエルフたちには呪いがバレる可能性があるので、
あまり近付かないよう警戒していたのだが……。

「………………」

しかし、まるで森に抱かれているような心地の中、警戒心はすぐに溶けてゆく。
むしろ柔らかな肢体の感触と甘い柑橘の香りに意識がふわふわとしてさえいた。

「呪いの……かいじょ、ですか……えっとぉ……」

何か答えなきゃ……と思考するが、視線の先で揺れる細い耳に意識を奪われる。
それがなんとも可愛らしく──美味しそうに思えて。

「わぅ……♪」

集中するあなたの耳先を、かぷり、と本能的に食んだ。
そのままはむはむ甘噛みする。

シトリー > こちらが呪いの気配に集中している傍らで、少女のほうはと言えば気が抜けてしまったようで。
受け答えの言葉が、何だかふわふわと間延びしてしまっている。

「はい。物は試しで―――ひゃぅっ!?
 はゎゎ……だ、ダメです、耳……そんな、噛んじゃ………んんぅっ!」

普通の聖癒術では足りないかもしれないと、気合を入れようとしたところで、
突然、耳朶に甘い刺激が走った。
ぞくっとした甘い痺れが腰にまで一気に駆け巡り。
そのまま甘噛みされると、恥ずかしい声が出てしまいそうになって淡って口元を抑え。

「ちょ……ダメ、です……やっ、やだ……離して、ください……」

抱きつかれた格好から逃れようとするのだけれど、身体に力が入らず。

リコッタ > 「うーん、と……わたしの、呪いはですねぇ……。
たましいと、深く……くっついちゃってる、ようで……。
解くと、こころが、壊れてしまう……かのうせいが、あるとか……はむ……」

美しく尖った耳たぶを唇で弄びつつ、頭に浮かんできた言葉をそのまま囁き掛ける。
それは両親が探してきた解呪師や呪医たちが下した診断の結果。
もし呪いを解いたのであれば、この少女の魂は歪んでしまうのだろう。

「…………だめ、ですか……?」

……もっとも、獣臭い吐息を荒げている本人は、そんなことには何の興味もないようだが。
とろんと妖しげに蕩けた瞳は、いつの間にかあなたのことしか見ておらず。

「わたしは……もっと……なかよくシたいです……♡」

力が入らないあなたに対し、少女の力は異常な程に強い。
ゆっくりと体重を掛ければ、ろくに抵抗も許されず、教室の床に押し倒されてしまうのだろう──。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 身分混合クラス 大教室」からシトリーさんが去りました。<補足:148cm/腰まで伸ばした金髪/円らな碧眼/尖った耳/濃紺色の水着>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 身分混合クラス 大教室」からリコッタさんが去りました。<補足:143cm/少女/長い茶髪/金の眼/学生服/獣耳と尻尾/バンダナ>