200年ほど前のナルラート朝時代に作られた王立学院。
名前の由来は智慧を意味するコクマーと、その智慧を司る精霊の名前から来ている。
王国の未来を担う若者の育成を、身分の隔てなく行うことを目的としている。
かつては修道院であり、今も建物の一部はその時代のものを使っている。
王都の平民地区と富裕地区の境に存在し、その敷地は広め。
様々な建築が並び、その色は全て白を基調としている。
教室から運動場、教練場、水泳場、図書館、時計台、寮など様々な施設が存在している。
クラスは身分によって別れているものの、別れていないクラスも存在している。
主に学問的な知識を身に着けさせるとともに、王国の将来のために武術や魔術、
その他職業の技術を身に着けさせるような授業が行われている。
100年ほど前は国の中興の祖であるナルラート王が作ったこともあり、内部もしっかりとしていた。
しかし近年、国の乱れと共にこの学院内も乱れ始めていった。
表向きは現在も歴史ある学院であるが、教員などの一部は腐敗し、生徒に手を出すこともある。
学生間でも問題や、爛れた事態などが起こりつつある。
基本的には身分別のクラス分けがなされることになっている。
しかし、最近になり「身分混合クラス」が設立され、様々な身分の生徒が所属するクラスが創立された。
王国の未来を担う生徒たちに必要なものは、身分を超えた学びであるという学院の理念が体現されたクラスといえる。
入学者や教職員は常時募集されており、生徒数や教職員数の確保のため、入学・就職基準はかなり緩めになってきている。
身分を偽り正体を隠すことができれば、魔族、ミレー族も入学や教師として働くことも可能であろう。
ただし、正体が判明した場合はそれなりの措置が講じられることとなる。
【詳細はこちら】
http://mag-mell.undo.jp/otherlist/list.cgi?id=8&mode=show
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Time：07:02:42 更新
ご案内：「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からルーベルさんが去りました。
■ルーベル > 少しの休憩の後、更に資料から必要な個所を引用し書き留めていく。
途中、教えを乞う生徒が訪れれば、作業を中断して。この場では落ち着かぬからと、別室へと連れ立って移動してゆき…。
■ルーベル > 学院図書館の一画に、文献を積み上げての講義資料作成。
講師業は知己に乞われての半ば趣味的なものだが、そこで手を抜かないのは男なりに魔術に真摯であるゆえか。
若き才や他の知見を持つ教師たちとの縁は魔導士貴族にも有用で、実益も十分兼ねるものともなっている。
ゆえに幾つかの魔導書、薬学書を出典として魔法薬の資料をまとめる姿も散見され、教えを乞う者なりは男を見つけやすいだろう。
素直にそれが叶うのか、そうでないのかは、男のそのときの気分次第ではあるところだけれど。
次の授業ではそれを主にして…己の眼鏡にかなうものは上手く授業だとしても連れ出して、などと。
そんなことを考えていれば自然と暗金の瞳はどこか楽し気に細まり、一頻り書類を整えては、小さく息を吐いた。
ご案内：「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にルーベルさんが現れました。
ご案内：「王立コクマー・ラジエル学院 庭園・温室」からシトリーさんが去りました。
■シトリー > どことなく甘い香りに、ふわふわと覚束ない足取りで、
教師に促されるままにその研究室へと消えていき―――
ご案内：「王立コクマー・ラジエル学院 庭園・温室」からルーベルさんが去りました。
■ルーベル > 聖樹の加護は、癒しの力を強く発露するものとも聞く。
生命の力に干渉するものであるのは、植物の成長促すのを目の当たりにした今、疑うべくもない。
癒しの魔術、聖術などはいくつか知るも、彼女が扱うそれはまた違う体系となるのだろうか。
研究者としての性質か、興味を覚えてしまえば彼女自身にもそれらの影響があるものかとも気になり始め。
彼女の故郷でもあまり加護を持つ者はいない、となれば更に貴重なサンプルであると言える。
それは己の力にも転化できるかもしれないと思えば、急速にその力への興味も増して。
葉をすり潰され、催淫成分振りまく香草を彼女は警戒なく受け取り、直にその成分を鼻腔へと届けてしまう。
『加護』由来の成長を見せたゆえか、効果は覿面のようで、ひと嗅ぎしただけで少女の身体に影響を与えたのが解り。
「おや、刺激が強かったかのぅ？ …ふむ、少し私の研究室で休んでいくとよい」
そう告げれば、そっと彼女の背に手を添えて、己の研究室にと招いていこうとする。
生徒にその身体を自由にする引き換えに成績やコネを都合している、などとまことしやかに語られる魔導師貴族の噂を知っていれば、素直について行ったりはしないのだろうが。
温室に訪れた折の、そして香草を受け取ったときの無警戒さで誘われてしまうなら、その先のことはもう、余人の預かり知らぬこととなり…。
■シトリー > 「ご丁寧にありがとうございます。
実戦魔術ですか……そちらには疎くて。治癒でしたら、多少はお役に立てると思うんですけれど。」
改めてこちらの紹介は不要だろう。
教師の専攻を聞けば、馴染みのない分野だった。
初級の魔法学ならいざ知れず、実戦ともなるとかなりの応用も必要だろう。
そのレベルとなると、己の技量では治癒魔法くらい。
実戦で怪我をすることがあれば、手伝えることもあるかと申し出て。
「はい。故郷の森でも、あまり加護を授けられるものはいなくて。
どういう基準なのかとかは、聖樹さまのみぞ知るという感じです。」
加護については、分かっていないことが多い。
興味深そうな教師にそう返す。
ただ自身が治癒の魔法を得意としていることから、それと関係あるのかもとも告げ。
差し出された香草を受け取る。
教師が観察していたから、何か変わったところがあったのだろうかと香りを嗅いでみて。
「あ、あれ……？」
くらりと軽い眩暈を覚える。とくん、と鼓動がひとつ高鳴って。
じりじりと肌が火照ってくる。その感覚に身に覚えはあれど、教師のほうは平然としているために、困惑したように視線を泳がせ。
■ルーベル > 学院の講師というだけでなく、そもそも王国貴族であるからか、外交の話も色々なところから聞こえてきていて。
植物への影響を見てあたりを付けた形だが、合っていたならさも知っていたというふうに鷹揚に頷いて。
「私も自己紹介しておこうかのぅ。
ルーベル・アルカヌム。主には実戦魔術の講義を持っているが、そなたはあまり興味はないかもしれぬな」
対魔族、対魔物の魔術学を教えているが、目の前の少女がそれを学ぶとも思えず。
ただ、男のほうは興味深そうに魔力行使する少女を眺める。
純粋に気になるのと…研究対象、として見るのと半々。
その暗金の瞳が少女の困ったような表情を見つければ、好々爺、というふうに笑みを浮かべ。
「ああ、構わぬよ。王国での植生についてはもともとそこまで芳しくなかったしのぅ。
しかし、そなたの力…聖樹とやらの加護か。なんとも、興味深い」
若芽だけでなく、元々の状態よりも育成具合の進んだ植物類も見える。
その一つ、催淫の効能を持つ香草を手折れば、指でその葉を擦り、状態を観察する。
ふわりと甘い薫りが潰した草汁から漂い、身体を火照らせるような媚薬成分が温室内に広がる。
通常のものよりも彼女の影響か効能を強めたようなそれを興味深そうに嗅いだり、舌に触れさせたりしながら。
はた、と。生徒を放っておくのも悪いか、と…少々悪戯な心持ちで、彼女へとそれを差し出してもみて。
■シトリー > 「へぇ、魔族の国の……どうりで見たことがないものばかりです。
私のことをご存じだったんですね。よろしくお願いします。
わっ、わわっ……ちょ、伸びてきちゃ、ダメですっ」
普段は、魔法学の授業に出ていることが多いために、あまり接点はなかったはず。
それでも名前を知られていたことに、少し目を見開いて。
初めて見てみる植物の由来を聞けば、納得したように頷いて。
再び観察を始めるけれど、足元から伸びてくる若芽に気付くと、慌てたように魔力を抑える。
ある程度の制御は可能らしく、それ以上の生育は止まる。
とはいえ、通路に顔を出した若芽を摘むわけにもいかず、少々困り顔を浮かべ。
「えと、申し訳ありません。
ちょっと元気な子が顔を出しちゃったみたいで……」
足元の若芽を指差して、「どうしましょう？」と訊ねてみる。
仮にも研究対象なのだから、勝手に処分するわけにもいかない。
かと言って、いくらでも増やして良いかと言えば、そういうわけでもないだろうけれど。
■ルーベル > 魔族の国の植物類は、魔力を豊富に蓄える性質を持つものがあり。
魔導師貴族の胸元に埋まる魔族の力の源へと、それらの妙に色めきだつような気配が伝わる。
明らかに目の前の少女が現れてからのこと。
妖精種は森に根差す者も多いとは聞くが…一般的なエルフの生徒が訪れてもこうはならない。
そこまで思考巡らせて、特に植物類と関係深い『聖樹の巫女』と呼ばれるフォレ・エルフが王国に留学していることを思い起こす。
確か、名前は―…。
「魔族の国のもので、育成実験中なのだよ、シトリー・オランジュリー」
学院内では一応は身分の隔てはなく、講師と生徒という立場であるから、相手が外交使節であっても敬称は使わず。
楽し気に植物類を眺める少女を見やり…彼女の足元から緑が芽吹くのを見つける。
聖樹、というものの存在や文献は目にしたことがあるも、その力を目の当たりにするのは初めて。
興味深そうに少女とその周囲の様子を見やる。
その力が及べば、王国ではあまり育成具合の良くなかった魔族の国原産の植物も育成の度合いを強めるのだろうか。
ここには、先に告げたとおり、命に係わるような毒草花は植わっていない。
冒険者がわざわざ魔族の国との国境まで足を運び採取してくる高級媚薬の材料となるような香草や。
生命活動を活性化させる薬品の材料になるものなどの、どちらかといえば薬効持つものが多く植えられていて。
■シトリー > 「あ、はい。分かりました。」
毒を持つものがないと聞けば、ひと安心。
植物には造詣が深いとはいえ、見たこともないものはさすがに見当付けも難しい。
変わった種類ばかりだから、興味は尽きない。
しげしげと色とりどりの花を咲かす野草を覗き込む。
こちらは記録用紙など持ってはいないから、ただただ観察するだけだけれど。
「あの、この辺りの草木は、どこが原産地なんでしょうか？」
研究の邪魔にならない合間を狙って……と思ったら、こちらの方を見ていた男性教師に訊ねてみる。
こと植物のこととなると、他のことよりは少し好奇心も高め。
普段よりもほんの少し高めのテンションに、加護の力も誘発されてか、少女の足元から若芽が顔を出し始め。
■ルーベル > 腰を抑えながらに、記録を続ける。
いくつかの植物の前回記録からの育成具合を見ていれば、温室内に人の気配を認め、
そちらに視線を向ければ幼い少女が頭を下げていた。
男に与えられた温室とはいえそこには命に触りがあるような植物類は無いから、
学生たちにも立ち入りを禁じたりはしていない。
害意が無いというように広げられる両手の動きは相手の容貌と相まって微笑ましくもあり。
「毒など持つものは植わっておらぬが、貴重なものもあるから手折らぬようにな」
一応は講師らしく口頭での注意を聞かせ、自分の講義では見たことはあったろうか、と、
記憶を探りつつに、しげしげと相手を見やる。
妖精種などに多い尖った耳。学院には異種族も多く様々な立場で来訪する。
少女も見た目通りの年齢ではないのだろうとも目星をつけ。
目の前の相手が纏うどこか神秘的な空気に金眼細め。
彼女が現れてどこか植物の生気が増したように感じるのにも、記録の手を止めて僅かに首を傾げた。
■シトリー > 王都の中でも植栽豊かな学院敷地にあって、なお自然が溢れている場所
そこはそういう場所だった。それゆえに森に縁のある少女にとっては落ち着く場所で。
けれど、故郷の森とは違うのは、多種多様な品種が植えられていることで。
「この辺りの植物は、見たことがないものばかりですね……」
散策がてら色んな温室を回るのが、ここ最近のマイブーム。
見知らぬ植物が植えられた一画までやって来ると、しげしげとそれらを眺め。
その奥に初老の男性の姿を認めると、ぺこりと頭を下げる。
相手が持つ記録用紙からすれば、ここの管理者といったところだろう。
勝手に立ち入ったことを咎められはしないだろうけれど、
研究対象に触れたりはしていませんよ、とアピールするように両手を広げて見せ。