2025/01/08 - 19:59~23:46 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にエアさんが現れました。<補足:学院制服を着た透明人間/真っ白い仮面、フード付き外套/シルク手袋/柑橘系香水>
エア > 身体能力も並み、魔力も魔法の実力も並み、知識も並みで、
あるのはお金と大きな屋敷と両親の名声くらい。
そんな自分が出来る事と言えば努力だけである。

王立コクマー・ラジエル学院
その図書館に事情を知らなければ不審者にしか見えない人影がひとつ。
魔導書や魔法薬に関して記述された書架の周辺を行ったり来たりしていた。

彼の不審人物の名前はエア。
もちろん仇名であり本名はエリア・セイアットロアール。
こう見えて(見えないが)貴族でありラジエル学院の生徒である。

顔には顔を隠すように眼にあたる部分にも口に当たる部分にも何もないのっぺらとした真っ白い仮面。
すっぽりと被れば頭部も後ろ髪も隠れるフードがついた外套。
それを学院の制服の上にまとい、両手にはシルク素材の手袋に少々重そうな革靴と、
全身を何かしらで覆うような恰好をしていた。

この服装には色々と理由があるのだが、それは割愛。
学院の教員や同じクラスの人間には説明してあるが、
それをわざわざ独り言のようにつぶやく必要もないだろう。

こんな時間に図書館に来た理由を思い出せば、
改めて宿題を済ませる為に参考になる資料を探さねばと、
書架に並ぶ本の背表紙を眺めて目的の本を探している。

エア > 目的の本は魔法薬中級書。
内容としては他者を害する為の魔法の薬を作る為の本。
素材や生成方法が書いてある本でその本の中でひとつ、
魔法の薬を作るのが宿題だった……筈。

授業は真面目に受けていたのだが宿題をメモするのを忘れ、
おぼろげな記憶を頼りに宿題を思い出し、宿題に必要な本を探す。

シルクの手袋に包まれた指先で本の背表紙に触れ、
指先をひっかけて書架から本を引っ張り出そうとするが、
背表紙に書かれた本の題名に違うような?そうなような?
と自信なく指先で本の背表紙を押して引っ張り出すのを止める。

穴も切れ込みもない白い仮面であるが、
特注品で内側からは外側が、つまり仮面をつけていても外が見えるので、日常の行動に問題はない。
それよりも仮面を外してない素顔を見られる事の方がデメリットであり、
行く行くは仮面がなくても魔法で何とかしたい所存である。

それにしても良い本が見当たらない。
そもそも宿題が魔法の薬の生成であってただろうか。

エア > 本を探すことに集中をすると、如何しても魔力制御が疎かに。
疎かになるとじわじわと革靴の先から周囲の風景と同化を始め、次第に革靴は消えて、靴下が消えて、ズボンが消えて…。
すっかりと服装すらも透明化を始めて、姿が消えてしまう。

本人はそれに気が付かず、未だ書架を行ったり来たり。

ふと、ひとつの書架の前で足を止める。
魔法薬のレシピ棚の前である。

「………解りやすく、作りやすい魔法薬のレシピがあるといいんだけども?」

並ぶ本の背表紙と睨めっこである。
なるべく解りやすく、なるべく簡単な手順と簡単に集まる材料の魔法薬が書いてありそうな本を探す。

何故なら材料費は自腹である。
宿題として作成し良い物が出来たら買い上げてくれる。
――…って話だった、筈。

……だよな?

エア > エア本人が納得いくまで本探しは続く。
途中で見回りの教師に見つかり叱られるまで。

幸か不幸か、姿が透明化した事で発見されるまで時間がかかる。

つまり眠くなるまで永遠と本を手に取ったり戻したり、
移動したり座ったりを繰り返すことになるのであった。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からエアさんが去りました。<補足:学院制服を着た透明人間/真っ白い仮面、フード付き外套/シルク手袋/柑橘系香水>