2025/01/23 - 21:53~00:37 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にエアさんが現れました。<補足:学院制服を着た透明人間/真っ白い仮面、フード付き外套/シルク手袋/柑橘系香水>
エア > 『虫よけハーブ』の件は何とかなった。
材料に関しては懇意にある学院の教員の伝手で、
調合は……調合は…………自分で試す事にした。
但しもう一つの方は目途も立っていない。
『虫よけの呪い(まじない)』
こちらはどうにも『呪い(まじない)』に特化した人を探すか、
あるいは『呪い(まじない)』ではなく、『祝福』を頼るか、
どちらの方向に食指を伸ばすとしても、結局は他者に頼ることになるが、
そうそう都合よく伝手なんてある筈もなく。
夜の図書館に足を運んだ理由が『それ』なのだ。
最終手段ではあるが『呪い』も『祝福』も自分で何とかしようと。
『呪い』はどうにか本がありそうだが、『祝福』は見様見真似で何とかなるとは思えない。
でも、試すだけ試すべきであると判断し、図書館の書架にその手の本がないかと探しに来たのだ。
今いるのは図書館の入り口に近しい場所にある返却本の並ぶ書架の前。
切れ込みも何もないのっぺらな真っ白い仮面越しに、
望む本がないかジィーっと返却された本の背表紙を睨む。
徐々に足先から風景に溶けて消え始めるのにも気が付かず。
過度に集中をすると消えないようにする魔法は解けていく、
それすらも忘れて没頭していた。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にアンジュさんが現れました。<補足:敬虔なる神の御使い>
アンジュ > ――星の囁きが聞こえるほどキンと冷え込んだ夜。
アンジュはやや緊張しながらも学院の図書館へと足を運んでいた。
なんでも、急遽担当教員より出された「調べ物」。その助けになるような蔵本はないかと探しに来たようだ。
覚束ない足取りで薄暗い廊下を歩いていくと、仄かに明かりの灯った書庫が目に入った。
――誰かいるのでしょうか。
そう訝しげに小首を傾げながら、アンジュは恐る恐るといった様子で足を踏み入れた。
「ど、どなたかいらっしゃいますでしょうか…?」
そう、少々震えの混じった声で入口付近の人影に声を掛けると、見覚えのある純白の仮面が視界に入る。
確かあの方はクラスメイトの……
「……あ!あなたは、エアさまではなくって?!夜分遅くまで、お疲れさまでございますわ」
先ほどの強張った表情がまるで嘘かのように、彼女は親しげに眼前の人物へと話しかけた。
エア > 足先からじわじわと風景に溶け込んでいくのに自覚はない。
だから最初は革靴の爪先と踵、次に膝まで消えていく……。
途中でそれが止まって、逆再生のように戻っていくのは過度な集中状態が切れたからだ。
ふいに名前を呼ばれた。
手に取ろうとしていた本から指を戻すと、軽く小首を傾げたのちに、
名前を呼ぶ人物の方へと体の向きを変える。
誰だろうか?
真っ白くのっぺりとした仮面越しに人影の方へ眼を凝らす。
――……ああ。
「こんばんはアンジュくん。
ねぎらいの言葉ありがとう。」
言葉をひとつ区切るとまずは挨拶である。
左手を自分の胸元に添えて軽く一礼をした後に、
またも首をかしげて。
「しかし、アンジュくんがこんな時間に歩き回るとは珍しい、
何かのお使いかな?それとも肝試しでもしてるのかな?」
軽い冗談を交えてアンジュに問う。
後半は全くのジョークであるが。
アンジュ > 「ご丁寧なご挨拶、誠に感謝いたしますわ」
そう軽く微笑みながら彼女もスカプラリオ(修道服)の裾を軽く持ち上げて、改めましてこんばんは、と腰を折る。
エアもアンジュも双方貴族。腐ってもこの最低限のマナーや挨拶は滞りなくできるよう、幼少期から教育されてきているはずだ。
だからこそどちらの礼もスマートなのだろう。
そして。首を傾げてアンジュが夜更けに図書館へ来た理由を尋ねた彼に、彼女は少し困ったように眉を八の字に下げて、
「実は、先生から『調べ物』を言付かってしまって……私はお恥ずかしながらその分野に明るくなく。それで何か参考になる書物はないかと思い立ちまして、こうして夜の図書館へと足を運んだ次第ですわ」
と状況説明を行った。
その言葉には困惑と疲労、そして突然無理難題を押し付けてきた教師への苛立ちが微かに滲んでいた。
さすがの修道女さまもこれにはお怒りらしい。
――そういえばエアさまもなにかお探しの様子でしたわね。
そう先程の彼の様子を思い出して。
「……そういうエアさまはなぜこんな夜更けに学院へいらっしゃったのですか?もしお探しのものがありましたら、私で良ければお手伝いさせていただきますわ」
なんの躊躇いもなく手助けを申し出た。
エア > 模範的な貴族同士の挨拶。
人気のない夜の図書館で行われている挨拶にしては、
互いに貴族らしい優美さのある挨拶を交わす。
アンジュという少女がそうであるように当然エアという少年も、
幼少期からキッチリとマナーも挨拶も最低限叩き込まれている。
さて、少なくとの自分には希少で不思議な星を瞳に宿す彼女の整った眉が八の字で、
見るからに困りごとのようだ。
問わずとも彼女が教えてくれる折角の可愛い顔を曇らせる理由、
聞けば聞くほどに頭痛が深まり、最後には「ハァー……。」と真っ白い仮面の奥で大きなため息を吐き出す。
「貴族らしからぬ…否、否、教師らしからぬ仕草だね。
流石のウチ……私も頭痛とため息が止まらないよ。」
ほんのり苛立ちが星見の彼女から伝わってくれば、
同調しながらも教師らしからぬ指示に少々苛立つ。
思わず『素』が出かけたが取り繕うと、仕方なしと。
「私のはアンジュくんが抱えている問題ほどではなくてね?
端的に話すとどうも部屋に黒くてカサカサしてる何かが、
潜んでいるみたいで、虫よけのハーブとか…………。
ああ、何なら虫よけの祝福や呪いでもかけようと……。」
無償の手助けの申し出に、事情を話さないのも失礼かと。
一応説明をしながらも、今見ていた書架よりも彼女の方へと足を進めると、
すぐ傍まで近づいて、言葉を続ける。
「それよりも、後でその教員が手伝うとか言っていなかった?」と心配の言葉を少し、何せ彼女は自分の目からみて、
そこそこ愛らしく見える。
なので、夜の図書館に呼び出して、手を出そうとか考えていても……と。
アンジュ > 同情と同意の意を示すエアにアンジュは「そうですよね…!?」と普段のお淑やかさは何処へやらといった調子で肯定する。
そして。前述の自身の行動に恥ずかしそうに頬を掻くと、
「……つい取り乱してしまいました。失礼いたしました」
と謝罪を述べた。
しかしながらこの同級生も件の教師に怒りと呆れを表してくれたことによって、少し彼女の心は軽くなったようだ。
――そういえばエアさまの一人称は「ウチ」なのですね。
そう、心の中で自分の知らないクラスメイトの一面を見れたことに嬉しさを感じながら。
そうして彼の困りごとに時折相槌を打ちながら、エアさまも色々と大変なのですね、と慮る姿勢を見せた。
アンジュも虫は得意な方ではないので、彼の言う「黒い虫」を撃退したいという気持ちは同じである。
だからこそエアの実験のお手伝いをしたいという気持ちがより強まることとなった。
幸いアンジュは『祝福』系――『聖』属性の魔法――は得意分野である。
きっと力になれることであろう。
残念ながら普段用いる属性と正反対の『呪い』系の魔法は苦手なようだが。
彼の質問に「そんなことは一言も仰ってなかったですわ」と眉根を寄せつつ、
「…もしよろしければその実験、お手伝いさせていただけませんか?」
私、『祝福』魔法は得意ですので、と首肯した。
エア > 星見……自分が勝手に心の内で呼んでいるだけなのだが。
その星を宿す瞳の少女のほんのりと淑やかさの欠けた一面に、
真っ白い仮面の奥で誰にも見えない笑みを浮かべる。
恥ずかしそうな、表情が、そう、とても。
『美味しそう』だ、何てとてもとても口に出せない。
悪戯心の一つでもひょっこり芽をだすのを抑えて、まずは。
「……ほら、夜の図書館は無人だからね。
教員と言えども悪さをしかねないし、杞憂に終わるならいい。」
ホ、と一息ではない、が。
悪さをする教員ではなかった事に心配が杞憂に終わった事に、
一人納得するように小さく頷いて。
――…だってそれは大変面白くない。
と、心の内で独り言を紡ぐのだった。
「……願ったり叶ったりというところなのだけど、
深夜にクラスメイトとはいえ、
男の部屋に招かれて応じる無防備さは聊か気を付けるべきだと思うけども?
――…せっかくの申し出は歓迎するとしてもだね?」
確かに言葉にした通り、願ったりかなったりなのだ。
自分は魔法の成績は平凡、呪いや祝福には縁がない。
お金はあるけど能力が追い付かない、所詮は七光りを背負いし者。
ともあれ、つい御節介である言葉を一つ。
祝福するとしたら対象となる場所で行うものと。
いや、まて聖水なりなんなりを作って設置もありえる。
結構な勘違い発言をしているのかも、ウチ。
「その前にアンジュくんの要件を済ませよう。
こんな時こそお互い様だからね。」と、大事な一言を何かごまかすように付け加えるのだった。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からアンジュさんが去りました。<補足:敬虔なる神の御使い>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からエアさんが去りました。<補足:学院制服を着た透明人間/真っ白い仮面、フード付き外套/シルク手袋/柑橘系香水>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 ラウンジ」にイノさんが現れました。<補足:ここではイノと名乗っている。腰まである玉子色の髪、赤味を帯びた金色の瞳、狐の耳と九本の尻尾…は、今は隠し、愛用の着物…でもなく、学院に多く居る学生達の学生服を模したもの、首輪のような装飾品…も、今は隠している>
イノ > 王立コクマー・ラジエル学院、ラウンジ。
ただ、そこが一般的なラウンジなのか、そうでないのかは分からないが。
普段は生徒や講師が訪れ、のんびりと寛いだり、語り合ったりと、まぁ、色々とやってる場所だ。
そんな場所も、時間が時間であれば、人の気配も感じられない場所となる。
当然だ、厨房やら何やらあったところで、24時間営業って訳でもないのだから。
だが、そんな場所に、なぜかぽつりと一つの気配。
席を並べたその上に、ごろんと寝転がっている少女の姿があった。
「………んぁ?」
間の抜けた声と共に、ぱち、と閉じていた瞳を開き、視線の先に見える天井を眺める。
まさに、今目覚めたばっかり、と言う感じだ。
しかし、すぐに体を起こしたりはしやしない、目が覚めても寝転がったままだ。
寝起きでぼーっとしている…と言う訳でもなく。
起きたは良いが、どうしたものか、とか考えている感じだ。
気紛れにやって来て、軽く休憩のつもりが、完全に寝入ってしまった、と言う流れ。
そうした考えをしてしまうのは、仕方ない事だろう。
もう少し、のんびりとしていても良いし、何かしら起こりそうなら、それは歓迎すべき事であるが。
世の中、そんなに甘くもないだろう、多分。
イノ > もし誰かが訪れて、この場所を見渡したとしても。
今のところ、少女の姿が見える事はない。
居る場所自体が目立たない位置だし、体を起こしたりもしていないのだ。
もっとも、少女自身は誰か来たりしたら、余計に身を起こしたりはしないだろう。
まず考える思考が、相手をどう驚かせるか、とか何やらと、悪戯をしようとする事だから。
生徒であれば、良いかもしれないが、講師とかだったらどうするのか?
そんなもの、一度流れ始めた思考、それを逸らすような性格ではない。
相手が誰であろうと、例え、それによって後で何が起きようとも、やる時はやる。
無駄に漢らしい思考だが、そう言った事は、もっとマシな事に使ってくれ。
きっと、誰もがそれを知れば、そう思うに違いないだろう。
ともあれ、そんな考えを抱いたところで、誰も来なければ無意味である。
そうした考えと並行して、このまま誰も来なかった場合、と言うのも考えておこう。
寝っ転がったままの少女だが、その頭の中は、無駄で無意味な思考が渦巻いていた。
イノ > 結局のところ、人の気配は最後の最後まで感じられず。
誰も来ない、後はどうしようか?と、それを考えたのならば。
…そのまま、二度寝をするのだった。
そんな場所で大丈夫か?大丈夫だし、風邪をひいたりもしなかったのである。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 ラウンジ」からイノさんが去りました。<補足:ここではイノと名乗っている。腰まである玉子色の髪、赤味を帯びた金色の瞳、狐の耳と九本の尻尾…は、今は隠し、愛用の着物…でもなく、学院に多く居る学生達の学生服を模したもの、首輪のような装飾品…も、今は隠している>