2024/10/30 - 19:38~21:02 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にニュアさんが現れました。<補足:煤色のフードつき外套/長衣&パンツ>
ニュア > 臙脂色の絨毯が敷かれた床を、ブーツの靴先が無音で歩む。
見通せぬほど高い天井までぎっしりと聳える書架の合間の通路。
目深に被ったフードの奥のぬばたま色の双眸が、物珍しく書物を見上げながら…。
暗色のローブに長衣。一見にして生徒と呼んでも区別のつかぬこの少年風貌は生徒では無い。
閲覧申請許可を経て図書館利用をする一般市民だ。
首元に下げた木札が入館証であり、娘が外部の利用者であることを示していた。

その少年風貌が立ち止まるは薬学の書架。
利用目的は疚しいものじゃない。他の利用者や学生らと同じ。
要するに知りたいことがあり、訪れた。──それにしても。

「……この蔵書が自由に閲覧できるだけでも入学する意義があるよね確かに…。」

ひっそりと独り言ちる。
学び舎で過ごす青春に興味はさらさらないが、これだけの学術知識が自由に閲覧出来るのは魅力的に過ぎる。
目を瞠る稀観本もスクロールも、ごく普通に閲覧が適うのだから驚きだ。
書架の片隅に立ち止まり、一冊の書物の背表紙を繊指が引き抜き、捲る。
埃臭さが鼻腔を刺激する。すん、と一度鼻を小さく鳴らしてから、記述の掠れた古語を追い。

ニュア > 暫く、書物を捲るささやかな音が静寂に響き──。
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からニュアさんが去りました。<補足:煤色のフードつき外套/長衣&パンツ>