2024/06/21 - 18:10~20:51 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にシーリーンさんが現れました。<補足:名簿参照/移動可/23~24時頃まで>
シーリーン > 夕刻。人の少なくなり始めた時間帯でテーブル席の一つを陣取って書をめくる。
周囲にはちらほらと同じようにしている生徒。教師も見える。
それなりに過ごしやすい時間帯ではあるのだが閉館も近い。
急かされるわけではないが、急いでいるように見える者も数人。

人気も少なくなるこの時間帯は自身にとっては狩り時ともいえるかもしれない。
無防備な者。一人でいる者。
目に付くのであれば誘惑・篭絡してしまうのが手っ取り早い。
わざわざここに留まらずとも空き教室なり、寮なりにつれていけばいい。
空腹もわずかに訴えてきた頃合いだ。目に留まる者がいれば良いが…?

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にレンさんが現れました。<補足:小柄なメカクレ男子/サイズ大きめの学生服/おどおど>
レン > 「はぁ……今回もまた居残りだべ……」

今週これで何度目だ、そんな呟きを溢しながら図書館を訪れた少年。
つい先刻まで居残り補習をさせられており、
次回の授業までに指定された本を読んでおくようにという課題まで出されたので気分はとことんブルー。
さっさと読んで帰って寝るべ、と図書館内を見回せば、時間も時間だからか人の姿も疎らで静謐な空気に丸まり気味だった背筋が伸びる。

「そっか……閉館も近いんだな……
 じゃあ借りて帰って読んだ方がええがね……」

目当ての本を探そうと書架へと向かう最中、テーブルに陣取り本を読んでいる銀髪の少女の前を通り掛かる。

(ほわぁ……こだら別嬪さんも本とか読むんだなあ……)

ちらりと少女を一瞥すれば、勝手に頬を染めて足早にその場を後に。
しかし気になったのか、書架の前で本を探しながらもちらちらと視線を送っていた。

シーリーン > ん、と通りがかった小柄な男子生徒の存在に気づく。
視線は書物に落としたままだが、相手の一瞥した視線を感じていた。
内心ほくそ笑むだろう。
良い匂いがする。良質な精の香り。獲物を見つけた、という悦び。
少年とも言える男子生徒は不幸にも目を付けられてしまった。

少年が少女の傍を通りかかった際、気付いたかもしれない。
かすかに香る少女の香り。熟れた白桃のような匂いが鼻腔をくすぐった事を。
離れ、書架の前に移動した今でも鼻の奥に微かに残り続ける香り。
無意識に少女が気になるように誘導されていくかもしれない。

ふと。

ちらちらと送っていた視線が交差する。一瞬、目が合ったように感じるかもしれない。
しかし、次の瞬間には書物に目を落としている。
そうやって少年の意識を徐々にこちらへと向けていく手管。

レン > 目当ての本は見つけられたが、書架の前から動くことが出来ない。
貸出のためのカウンターは入って来た入り口近くにあるし、そこに向かうのは来た道を戻るのが一番早い。
しかし、その為には再度少女の前を通る必要があって。

(何だかいい匂いもしたなぁ……)

書架に辿り着く前に鼻腔を擽った芳香を思い出しては、少女へと視線を向ける。
離れても尚鮮明に思い出せるほどに焼き付いた甘い匂いによって否応にも少女へと意識を向けさせられている事に少年は気付いていない。
もし次に同じ匂いを近くで感じれば、足を止めてしまうかもしれないという危惧が少年を書架から離れられなくしていた。

「……あっ」

立ち行きならなくなった状態で少女を盗み見る事を続けていたが、不意に彼女の視線が此方へと向いた。
背筋に電流を流されたかのような感覚を覚え、思わず目を逸らしてしまうが、確かめる様に再度目を向ければ少女の視線は本へ向けられており。

(い、今……オラの方さ見ただか……?き、気のせいだか……?)

自身の心臓の鼓動がやたら煩く感じられながらも、灯りに誘われる夜の虫のように、少女へと意識が離せなくなり。
本を抱えたまま、じい、と盗み見る事も止めて少女を見つめてしまう。

シーリーン > 少年の視線を感じる。すでに目が離せなくなっているのが手に取るようにわかる。
そうしたのだから当たり前だが…抵抗力というものもあまり無い様子。
くす、と唇を微かに笑みの形に歪めると、ぱたりと本を閉じて立ち上がる。

特に少年を意識したようにはせず、ゆっくりと歩みを進めていく。
すっと少年の隣を通り抜けていくだろう。

ふわり。意識に絡みつくような甘い香りが少年を包みこむよう。

淫魔の少女は貸出カウンターの横にある返却用ブースに読んでいた書物を置くとそのまま図書館を出ていく。
全く少年を意に介した様子こそないが―――。

少年を包み込んだ甘い香り。それが少年を誘うようにたなびいている。
とろり、と意識を溶かすように。おいで、と誘うように。
白桃の残り香が図書館の外へと道しるべのように続いている―――。

レン > (あげな別嬪さん、地元じゃ見たことねえべ……
 いや、クラスにも居らんかもしれん……)

ぽぉっと熱に浮かされたかのように書架の間から少女を見つめる。
あまり異性との接触が少なかった所為もあってか、誘導は覿面に効果があったようだ。
手に持っている本を取り落さないようにだけ最低限注意を向けながら、それ以外の意識はすっかり少女に囚われて。

それは少女が本を閉じ、席を立ち、自身の横を通り抜けても変わらず。
むしろ再び間近で包み込まれる様に匂いを感じた事で、より強く少女を意識してしまい。

「……ぁ、…っ」

少女が図書館を後にしてすぐに、若干ふらつく足で彼女の後を追う。
辛うじて手にしていた本を借り受けることまでを忘れることはなかったが、借りた本を鞄へと仕舞うと急き切って図書館から外へと飛び出したのだった。

シーリーン > 【部屋移動致します】
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からシーリーンさんが去りました。<補足:名簿参照/移動可/23~24時頃まで>
レン > 【部屋移動致します】
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からレンさんが去りました。<補足:小柄なメカクレ男子/サイズ大きめの学生服/おどおど>