2024/11/04 - 12:38~15:42 のログ
影時 > 「戻ってきたら、結構と冷えてきたなァ。……外回りはそろそろ減ってくるか」

食を進めながら、溜まっていた仕事と打診の内容を思い返す。
主に受け持つ仕事は二つ。訓練と監督。後者は学院内の実技訓練ではなく、学院外での校外演習も含まれる。
秋が過ぎれば冬が来る。それは自然の摂理である。その摂理は人間の活動にも大きく影響を及ぼす。

さて、ここで考えてみてほしい。
寒い時、人はどうするのか。寒さから逃れようとする。焚火に当たりたくなる。凍え死にたくないからだ。
総じて住処に閉じこもって熱を保ちたくなることだろう。そんな時、好き好んで寒さの中に出たい者は、どれだけ居ることか。

故にここで一つの見立てが出来る。仕事が減るだろう、ということだ。
減った場合、どうするか。学院内での訓練の時間を増やすか。個人活動としての冒険者生活に振り分けるか。

「お」

食事しながら考えていれば、視界の端で、とたたたー、と走ってくるものが見えた気がする。
今、自分が着込む羽織の色と同じ色の服を着こんだ小さな獣となれば、自ずと限られる。
小さな布袋を担いだシマリスと、重たげな袋を支えるモモンガの二匹だ。
その二匹が走る勢いは殺さないまま、己の座す椅子の足元まで来る。椅子の足を、袴を駆け上ってテーブルの上へ。
袋をテーブルの端に放り出せば、二匹でともに両足を伸ばして座り込み、尻尾をだらーんと垂らして見せる。
二匹で持ってきた袋の中身は、考えるまでもないだろう。どんぐりに違いない。

そんな彼らが、己を見て催促するのは――、嗚呼。

「――仕様がねェなあ」

餌、食事であろう。待ってろと言い残して立てば、厨房のカウンターに向かう。
暫くして戻ってくれば、その手に小皿を持ってくる。小皿に盛られたのは小さくカットしてもらった林檎だ。

影時 > 塒に帰ったら、改めて餌を振る舞うつもりであれば、林檎は飼い主としてはデザートのついででもある。
だが、彼らにとってはそうではない。
運動すれば腹が減るのが自然の摂理であれば、その分を水分と共に補充するにはこうした果物はちょうど良いらしい。
ぱぁぁと目をキラキラさせながら思い思いに林檎の欠片を掴み上げ、しゃくしゃくしゃく……と小さな咀嚼音を響かせだす。

「お。美味ェなこりゃ」

その姿を見守る側も一口。ひょいと口に運び、含めば果汁と共に広がる甘みに眉を動かす。
何せ、二匹が向かい合ってぱたんぱたんと尻尾を立て、背筋をぴんと伸ばしたりする位である。美味いのだろう。
飼い主に小皿の上のものすべて喰われてなるものか、とばかりに食べ終えてもう一切れ。
取らねぇよ、と声もかけても聞いてない位の食べっぷりは重ねて言うまでもなく、美味しいに違いない。

「……冬場の朝練に勤しみてェのが居れば付き合うとして、ふむ。需要があるのかね此れ」

小皿の上の林檎はまだ残っているが、残りは二匹に全部やろう。そう思いながら思考を再開する。
冬場でも身体を動かしたいもの、鍛えたいものがどれだけ居るか、によるだろう。己の仕事はそうした需要に大きく左右される。
現在の契約は、それを踏まえてのものだ。
空き時間が出るなら別業含め、その分自分の時間に宛がうが、やる気のある生徒の有無が問題だ。
朝早く、寒い中起きてでも鍛えたい。強くなりたい。
日々の鍛錬はそうして弛まぬこと――とは言え、一朝一夕に事を為したい、という考え方もまた、多くありうるのだから。

影時 > 「……掲示板にでも出すように、頼んどくとするか」

その手の声の有無については、次回の実技の訓練の時にでも聞くとしよう。
ただ、聞くならば広く聞く方が良い。その方が仕事になる。無いならないでその時にでも考えればいい。
尻尾をゆらゆらぱたぱたさせつつ、林檎にむしゃぶりつく二匹の毛玉を眺め、手元の軽食を口に運ぶ。
食べ終えて一息つけば、職員室に顔を出そう。
冬季の実技系の募集の需要やら何やら、情報があるならば聞いておくことに越したことはない。そう考えながら――。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 ラウンジ」から影時さんが去りました。<補足:身長185cm/黒髪//暗赤色の眼/白い羽織+暗色の着物と濃茶色の袴、黒い襟巻/刀>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 自由記入」にトーラスさんが現れました。<補足:三白眼の黒目。ぼさぼさの黒髪を無造作に後ろで束ねる。顎に不精髭。頬に傷痕。>
トーラス > 王都の平民地区と富裕地区の間に位置する王立コクマー・ラジエル学院は、
創立200年を誇る王国内でも有数の歴史ある由緒正しき教育機関である。
王国の未来を担う人材の育成のため、平民から貴族まで幅広く門戸が開かれた学院は、
実際に卒業後には役人や騎士団、魔術師、冒険者になる生徒が多い事でも知られている。
また、生徒達を指導する教師陣も身分や経歴に捉われず、実力が重視されて、
より実践的な教育が施される事も、この学院が一目置くに値する所以とも言えた。

そんな学院の廊下を練り歩く講師の名札を首にぶら下げた中年男性が一人。
現役冒険者であり、過去には偉業も成し遂げた実力者として、ギルド経由で請われて、
戦闘訓練や冒険者のノウハウを座学で教える非常勤講師として月に数度、教鞭を執っていた。
ならず者が多く他人にモノを教える事が得意ではない冒険者の中では、伊達に歳を喰っておらず、
評判は上々な彼が、講師の仕事を引き受けたのは、勿論、王国の未来の為、――――等ではなく。

「……さて、今度は、どの子に声を掛けようか?」

無垢な学院生を歯牙に掛けて、手籠めにしようという王国らしい理由であった。
何しろ、学院である故に一回りも年の離れた若い娘には事欠かず、
学院生の中には決して高くはない授業料にも困窮して、身を売る者もいる始末。
最近は新クラス設立にあたり、内情も知らぬ新入生や新任教師と獲物は降って湧く状況で。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 自由記入」からトーラスさんが去りました。<補足:三白眼の黒目。ぼさぼさの黒髪を無造作に後ろで束ねる。顎に不精髭。頬に傷痕。>