2024/08/07 - 20:02~23:27 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 水練場」にレンさんが現れました。<補足:小柄なメカクレ男子/学院指定スイムパンツ/濡れてるのでNotメカクレ/1時頃まで>
レン > 「はぁ~……やっぱ水泳の時は独りの方が気楽だべなぁ」

放課後の水練場。ひとりの男子生徒が居残り補習を受けていた。
とは言っても半ば自主練に近く、監督者も近くには居ない。
何度か泳いだ後の様で、プールサイドに腰掛けてちゃぷちゃぷと水を蹴りながら一息入れている所だ。

「夏なもんで昼間ぁ暑いはげ、プールには入りてんでけど……」

そう言って向ける視線の先は自身の股間。
ピチッとした水練用のスイムパンツにははっきりとレンのコンプレックスであるモノの形が浮き出ていた。
どうしてもその姿を晒さないといけない水練の授業は様々な仮病を使って回避してきたのだが、いよいよ参加数が足りないという事でこうして補習を受けているのである。
能力的には何ら問題が無いので、監督役の教員はすぐに合格を出して去って行って、今に至っていた。
形式上は補習時間だが、実質自由時間である今の状況をそれなりにレンは謳歌している。

レン > 「来年もこうやって一人で気楽にプールには入れれば良いんだけんどなぁ」

あるいはコンプレックスを克服出来れば。
これまで何人かレンのモノについて好意的な感想をくれたお陰で入学当初ほど自身の体に忌避感は薄まったものの。
同時に別問題が浮上しており、異性が居ると否応にも反応してしまうのだ。
そんなお陰で男女混合の水練授業なんて、とてもじゃないがまともに参加できる気がしない。
授業中にもかかわらず全開で勃起した上でそれをネタに一笑い取ろうとする同級生なんて別の生き物に見える。

「それとも単にオラが不甲斐無ェだけなんだべか……」

もっと自信を持って良い、と言われた事もあったが。
確りと刻まれた心理的瑕疵はちょっとやそっとじゃ拭えなさそうだという自覚もある。
気長に克服出来ればと少しだけ前向きに思いながら、レンは水の中へと入って行った。

「はぁ~、やっぱすひゃっこくて気持ちええなぁ~」

レン > (村さ居た頃は夏になると湖や川で泳いだっけなぁ……)

すいすいと水の中を滑るように泳ぎながら、故郷に居た頃を思い出す。
夏の日差し、蝉の声、川のせせらぎ。
王都に来てからというもの、都会の荒波に揉まれて随分と縁遠くなってしまった様にレンは思う。
実際のところ故郷を離れて半年も経っていないのだが、それだけ彼にとって色々な事があったのだ。
どれもこれも思い返せば赤面必至なことばかりだけれど。

(今度、村さ手紙でも出してみっぺし……皆心配してっかなぁ……)

潜在的な魔力量を認められての編入だったが、一向に魔術の才は芽吹かない。それが申し訳なくて故郷に便りも出せずにいたのだが。
……少し郷愁の念が強くなってきたことに気付き、振り払う様にばしゃばしゃと派手に体を動かして水しぶきを立てる。
傍目に見れば覚えれてる様にも見えるかもしれないが、本人的には犬かきの延長みたいな泳法(独自)だった。

レン > 一頻り泳げば心地良い疲労感が全身を覆う。
プールサイドへと上がると、ふわぁぁ、と欠伸を漏らすレン。

「んーっ……先生は気が済んだら帰ってええって言うとったし、寮さ戻って仮眠取ってから勉強すっぺかなあ」

良い運動になった、と満足気に振り返ると濡れた髪を掻き上げて水気を払う。
すぐに目元まで落ちて来る前髪に少しばかりの安心を覚えながら、レンは水練場を後にするのだった。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 水練場」からレンさんが去りました。<補足:小柄なメカクレ男子/学院指定スイムパンツ/濡れてるのでNotメカクレ/1時頃まで>