2024/11/23 - 20:35~01:28 のログ
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にレンさんが現れました。<補足:小柄なメカクレ男子/サイズ大きめの学生服/おどおど/独特な訛り/最長1時くらいまで/後入り歓迎/最長25時頃まで>
レン > 「はぁ~……さっぱど分がんねがや……」

図書館の一角。机の上に平積みの書籍の山が二つ聳えたその谷間に、頭を抱えた少年がひとり。
一冊の魔導書を開いて眺めては、うんうん唸り声を(他の利用者の迷惑にならない程度に)上げては、溜息と共に机に突っ伏す、を繰り返していた。

「年内に最低でも一つの魔術を扱えるようになれって……オラには無理に決まっとろ……」

その身に内包する魔力量は膨大、しかし出力は凡人以下。
とはいえ故郷に錦を飾る為に学院に転入してきた以上、何かしらの結果は残したい。
そんな健気な努力を重ねる田舎の少年は、今日も絶賛絶望中である。

「せめてこれが山ン中さ行って指定されたモンを採って来いとかになら、その日のうちに終わらせられンだけんどなぁ」

レン > 「魔術ってどうやったら使えるようさなるんだべか……」

授業で習う範囲は散々試したが、基礎の基礎すらままならない有様。
その癖魔力量だけはあるので、教師からも宝の持ち腐れと言われる始末。
いずれ見返してやろうと知識だけは増やしていくものの、一向に自身の魔術行使の才は目覚めない。

「まあ、まだ転入して1年も経ってねンだはげ、今から焦っても仕方ねすな……」

蹴れど、悔しいものは悔しい。
せめて自分でも扱える魔術(あるいはそれに類するもの)が無いか、こうして自主的に勉強中である。

まあ、そううまい話がある訳が無いのが現実だが。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」にハルヴァさんが現れました。<補足:ムチムチ妙齢女教師/銀のストレートヘア、藍色のシルクローブ>
ハルヴァ > 次の授業項目の準備に備え、資料を借りるべく図書館へと脚をはこんだ女教師ハルヴァ。
目的の棚に向かって館内を静かに歩いていく。
しかし、読書スペースに見知った顔がウンウン唸っているのを視界に捉えると、あらあら、と小さくつぶやきつつ。
レンの方へと近づいていく。

「こんにちわ、レン君。きょうもお勉強? フフッ、勉強熱心なのはいいことですよ」

にっこりと優しい笑みを作り、彼の顔を覗き込む。
女教師ハルヴァと生徒レンとの初遭遇もこの図書館。
その時のことは思い出すのも恥ずかしい……というか、表沙汰になれば懲戒待ったなしの触れ合いであった。
しかし、そんな過去のことは全く顧みないような親しげな声掛け。

「きょうは何を自習してるのかしら。私にお手伝いできること、ある?」

レン > あれやこれやと魔導書を棚から持って来ては横に積み上げて、を繰り返して築き上げた本の山。
その狭間で唸っていた劣等生は、自分の名前を呼ばれた事に気付き顔を上げる。
そこには見知った女教師の姿があり、思わず背筋をしゃんと伸ばすレン。

「は、ハルね……先生!
 べべべ、別に大した事でねンだけんど、魔術ってどうやって使える様になんべなーって、そ、そういう勉強を!」

大人な女教師には過去は過去として割り切れるのかもしれないが、思春期真っ盛りにはそうはいかない。
顔を見るや初遭遇時の出来事が想起され、前髪に半分覆われた顔が赤く染まる。
ついでに股間も疼いたのだが、机の下だから気付かれる事は無い……筈だ。

「そそそ、そんな、ハル先生に手伝って貰えること何て……オラにはとても思い付かねぐて……!」

あたふたと視線を彷徨わせながら答える。
気を抜けば女性らしい稜線浮き出る体へと目をを向けそうになってしまいそうで、気が気ではない。
お陰ですっかり挙動不審だが、容姿に沿った挙動と言われればそうかもしれない。

ハルヴァ > 冬だというのに、夏と変わらないような薄手のワンピース。否応なく妙齢女性のムチッと丸い輪郭が表へと現れてしまう。
まるで周囲に見せつけ誘惑するように、クロークやストールの類も帯びていない。

「まぁ、魔術の勉強中でしたのね。たしかに、できない人はとことんできない分野ではありますけどねぇ……」

かといって、そんなハルヴァに赤面するレンに対し、あわてるそぶりも見せず色目を使うこともない。
当人は至極真面目に教師やってますという体で、レンの言葉に相槌をうつ。
ハルヴァにとってはこの装いこそが自然体なのだ。どうしてそうなっているかはまぁ、込み入った事情があるが。
初級魔術の授業も請け負っているハル先生、保温の魔術程度なら常時掛けていられるくらいには嗜んでいる。

「……んー。レン君はさ、魔術を使えるようになって何をしたいとか、そういうイメージってある?
 いの一番に身につけたい呪文とか、目指してる魔法使いとか。
 なんでもいいからで勉強するよりは、目標をこれと定めて学んだほうがいいわよ?」

レンの傍ら、机のそばに屈み、座っている少年と目線を合わせつつ、やさしい口調で問うてみる。
むにゅり、とローブの襟口で深々とした谷間が強調される。

レン > 鼻先まで伸ばされた前髪の下で所在なさげに視線が動き回る。
しかし、動揺しているのが自分一人だと分かれば、どうにか落ち着こうとし、口の端に引き攣った笑みを浮かべた。
平常心、平常心、と胸の内で繰り返し唱えては、ぎこちなく言葉を紡ぐ。

「ま、魔術を使えるようになって、何がしたいか、だべか?
 ……はじめに身につけたい呪文や、目指してる魔法使い……
 ほ、ほげな事考えた事も無がったす……」

女教師の優しい言葉に、ぽかんと口を半開き。目から鱗、と言わんばかり。
やたら扇情的な服装や、初対面時の出来事の印象が強いが、確かに彼女もこの学院の教師なのだ。
物事を教えることについてはプロなのだ、と感動半分に改めて女教師へと目を向ける。

「お、オラっ、魔力の量が人より大分多いってンでこのがっこさ来たけンど、実際は何も出来ねぐて……。
 故郷さ居た頃は周りにも魔法が使える人さ居らねがったはんげ、オラが立派な魔法使いさなって村の皆の役さ立ちてえって……そう、思ってたんだけンど……」

ハルヴァ先生へと向き直り、勢いのままに思いの丈を語り出したまでは良かったものの、結局挫折している現状を思い出して言葉から力が失われていく。
それで居て視界には柔らかそうな谷間があって、容易く其方へと気を取られていってしまった。

ハルヴァ > 「魔力が他人より多い、ねぇ。フフッ。たしかにそんな感じするかも?」

ほんの少しだけ、初遭遇時に目にしたレンの『アレ』が脳裏に蘇る。納得のいく大きさであった。
しかし今は真面目な先生タイム。わずかに赤面するのみで、すぐに頭の中から煩悩を振り払う。
下がりそうになる視線を、意識してレンの目隠れ顔へと向け、彼の悩みに意識を向ける。

魔力の蓄積量は人それぞれ。才能で磨ける分野でもあるし、遺伝も少なからず関係するし、特異体質というのもある。
蓄積量が多いからといって必ずしも優秀な魔術師になれるとも限らず、そのことを負い目に感じる者だって珍しくはない。
……もっとも、教師としてのキャリアはまだまだヒヨッコの範疇のハルヴァ。
そういった生徒を萌芽させる優秀な教師を目指しているが、こちらもまだまだ発展途上だ。
ゆえに、レンが遠慮気味にしていても、ハル先生としてはどうしても面倒を見たくなってしまって。

「んー。数年間教えてきた私の経験則なんだけど。初級魔術って『理論』で使う人と『カン』で使う人がいるのよね。
 それが熟達していくうちに、両方がごちゃまぜになっていく。
 理論の人が詠唱速度を上げるためにカンを磨いたり、カンの人が精度を上げるために理論を学んだり、ね。
 ……だから、理屈を学んでうまく行かないなら、一旦そっちは置いといて、カンの魔術を試すのもアリかもね?」

巨乳を両の二の腕でむにゅりと圧迫し、谷間を見せつける扇情的なしゃがみ姿勢のまま。
ハルヴァは不意に唇を尖らせ、ふぅーっ、と生暖かい吐息をレンの鼻っ面にかける。目を隠す前髪を跳ね上げるように。

「私が一番最初に学んだのは風起こしの魔術だったの。風、もとい空気ってのはとても軽い物質だから動かしやすいからね。
 どういう理論が必要で、どの呪文を組み合わせる必要があるか……ってのは考えなくて。
 ただ、口と胸で息を吐くのを、口と胸を使わず身体の外でやってみよう、ってことを意識して、何度も挑戦して。
 ようやく木の葉を数センチ動かす風を起こすのに、2週間くらいかかったかしら。
 ……役に立つ呪文かどうかは一旦置いといてね。なんでもいいから一度成功させちゃえば、そこから先は楽よ」

ふぅー、ふぅー、と数回繰り返し少年に息を吐きかけて。そして唇をつぐみ、そっと彼に向けて手を差し伸べる。
くるりと指先が回ると、今度はハルヴァのローブの袖口から同様の風が生じ、吹きかかる。
喉を通っていないため湿り気は伴っていないが、吐息と同様にハルヴァの体温を帯びた暖かい風。

「……ね。ダメ元でさ、勘の魔術、試してみない? 私を真似て……」

レン > 「わ、分かるんだか? やっぱりがっこの先生ともなるとすンげなぁ……」

ハルヴァ先生は魔力量を感知出来るか、それに近い技能を有しているのだといとも容易く誤解するレン。
まさか相手が自分のナニを想起したなど夢にも思っていない。
女教師が煩悩を振り払う間も、前髪の下では憧憬の眼差しを向ける。

「理論と……カン、だべか?
 なるほど、習うより慣れろ、って事だべな!
 けンど、そう上手くいくもんなンだか……?」

話は聞いていても、視線はどうにも谷間へと向いてしまう。
指摘の一つもすれば、彼女は体勢を変えるのだろうけれど、そんなことを切り出せる勇気はレンには無い。そんなところを見ていたのか、と怒られるのも怖い。 実際見ているが。
そんな最中に不意にハルヴァの口から吐息を吹き付けられた。目元を隠す前髪がふわりと揺れるも、思わず目を閉じてしまう。

「風、起こし……空気の流れを生み出す、ってことだべな。
 なるほど……体の外で、口と胸さ使わないよう意識して……
 中々に難しそうだったのは話だけでもっ……分かんだけンど……」

ふんふん、と相槌を打ちながら聞いているが、変わらず強調されている谷間に加え、女教師の吐息が吹き掛けられて非常に落ち着かない。
吐息の生温い感触に混じり、ハルヴァの匂いが微かに感じ取れる。疼いていた下半身が次第に熱を帯び始め、それをどうにか悟られまいと居住まいを正し。
その最中に今度はハルヴァの袖口から風が生じて吹き付けられ、前髪がすべて舞い上がった。思わず、わひゃあ、と素っ頓狂な声を上げてしまう。

「は、ハル先生を真似て……は、良いんだけンど。
 続けても続けてもダメだった時は……や、ダメだった時の事は今考えるモンでね。 オラ、やってみてす!」

ハルヴァ > 「あらあら、くすぐったかったかしら? ごめんね…?」

生徒と親しく接しようとするあまり、つい超えてはいけない一線をこえてしまいそうになる。
何度痛い目にあっても、なぜか時間を置くと戒めを忘れ、また間違いを犯してしまう女教師ハルヴァ。
生来の天然ボケ気質と、夫による催眠術が合わさっての悪癖……であることは他者はもちろん当人すら自覚していない。
もぞもぞと腰をゆすり、熱を帯びつつある下腹部を机の下に隠そうとする仕草を見れば、彼女のほうも意図を察して。
眉の端を下げて申し訳無さそうな表情を作りつつ、首を軽く横にかしげて謝罪の会釈のかわり。
ハルヴァの方からも不躾な視線を少年に向けるようなことはせず、腰をあげて立ち上がった。
目に毒すぎた胸の谷間ももはや遠くに行ったが……それでも見ようと視線を向ければ見れるくらいには油断した装いではある。

とはいえ、ハルヴァのアドバイスにやる気を見せてくれたところだ。とことん付き合うつもりである。
女教師は腰に下げたカバンの蓋を開き、中をごそごそと探り、そして1枚の紙を取り出した。
羊皮紙ではない。植物繊維を水で溶いて押し固めた……早い話が現代に近い製法の紙。木の繊維の色が僅かに残っている。
比較的高級品とされるそれを両手に取ると、レンに差し出すように己の腰、おへそのすぐ下あたりに据えて。

「さっそく試してみましょうか。この紙を少しでいいから、風で跳ね上げてみて?
 下から上へ、息を吐き出すようなイメージがいいかな? もちろんあなたのやりやすい方法でね」

にっこりと微笑みつつアドバイスをかける。
……もし仮に発動に成功し風が起こった場合、その強さによっては紙のみならずハルヴァのスカートまで巻き上がるような体勢。
少年はともかく、女教師の方はそんな可能性を気にも掛けていない様子だ。

レン > 女教師の謝罪に、いえ、まあ、と曖昧な生返事をして目を逸らす。
今日彼女と遭遇してから、今までで何度目かの平常心を唱えて下腹部を落ち着かせる。
幸か不幸か視界の端に常駐していた谷間は離れた事で、落ち着きも取り戻しやすくなった。 惜しめば良いのか喜べば良いのか、複雑なのが本心だったが。

それはそれとして、ハルヴァの協力の申し出に有難く乗らせて貰おうと決心して。
彼女が取り出した紙を物珍しそうに見ていたが、課題を告げられれば、やおら真剣な表情になる。
先のハルヴァの話では木の葉を僅かに動かすだけでも2週間掛かったという。それを今どうこう出来るかと問われれば、正直自信は無いのだが。

「はいっ、先生。 さっきハル先生がしたみてえにすれば良かんべな?
 下から上、下から上……」

女教師が構える紙をじっと前髪越しに見つめる。
が、紙に意識を向けようとすればするほどに、その奥のハルヴァの腰も範疇に入ってしまう。
下から、と視線を下げれば白い太股が。上へ、と上げれば豊かな胸が。レンの集中に介入し。

そしてうんうん唸り声を上げながらも、両の掌を前方へと突き出せば。
先程レンが感じた通りに、人の吐息の様に生温い微風が、ハルヴァの足元からまるで肌を這い上がる様に吹き上げていく事だろう。

ハルヴァ > 「そう、下から上。とにかく単純なことから始めるの。複雑に考えるのは追々でいいからね?」

物覚えは良い方だったが才能や魔術特性に恵まれなかった……一言でいえば凡人であったハルヴァ。
それと比べればレン少年からは何倍、何十倍もの可能性を感じる。
型にはまった教育に沿わせるばかりでその芽吹きを遅らせるのは教育者としても忸怩たるもの。
とりあえずやってみる、やらせてみる、がハルヴァがここ数年で得た教育方針だ。

そして。
見よう見真似の素振りで手を突き出すのを見れば、そこから確かに練り上げられる魔力の奔流を感じて。
やはりこの子には理論でなく勘の魔術行使が向いてるのだ、と確信すればハルヴァも得意げな気持ちが湧き上がってくるが。

「……ふぁ…ンッ♥」

内太腿をそわそわと駆け上がる吐息めいた風にこそばゆさを感じ、つい嬌声をあげてしまいそうになる。
しかし、眼の前には魔力操作に集中している少年がおり、それ以前にここは開架時間中の図書館である。
周囲の迷惑になってはいけない。ぎゅっと力を込めて口を閉じる。

「ふっ……う……そう、その調子っ♥ やればできるじゃない、素敵よっ……♥」

こめかみに脂汗を垂らしつつ、喘ぎを喉元で抑え込みながら、激励の言葉をかける女教師。
吐息程度の風ならばスカートは大きく巻き上がらないが、ローブを膨らませてお腹から胸元へと駆け上がっていって。
ぽふ、と溜まった風を吐き出すようにわずかに襟元が開き、デコルテの露出度が増す。
ハルヴァは肌に絡みつくこそばゆさから意識をそらすように、パタパタはためく紙の端に視線をやり、少年の成果を確かめる。

レン > 「……っ! で、出来たんだか……!?
 オラ、魔術を……今、ここで!?」

見様見真似ではあったものの、直前に具体的な体感をアドバイスがあったお陰か、風を起こすことに成功したレン。
女教師の服を、そしてその手に持たれていた紙を揺らした事を確認すると、自分でも信じられないとばかりに目を見開く。
思わず歓声を上げそうになったが、今この場がどこであるかを咄嗟に思い出して踏み止まったが、喜びは隠し切れない。
妙に艶めいて聞こえるハルヴァの激励の言葉にさらに気を良くすると同時に、「もっとハル先生に褒められたい」という気持ちが顔を出す。

――そんな下心と、膨大な魔力量という事も合わさって。
より熱く、より湿った風が、再度女教師の身体を這う様に吹き抜けた。そしてそれを皮切りに、断続的に吹くようになり始め、その身を苛む。
ただ風を発生させている当人は、単純に褒められたい一心ではあるのだが。

ハルヴァ > 「そうっ…♥ これは立派な魔術です、よ……?
 うちわも肺も使わず、魔力の編み上げだけで風を作る……時代が違えば十分以上に『奇跡』と呼べるおこない。
 理論でなく勘頼みでも、成功は成功。レン君、やったわね……♥ ふふっ♥」

ふわふわと吹き上がる風が、徐々に暖かさと湿り気を帯びていく。
吐息のように、という喩えを忠実になぞっているためなのだろう。きっと彼も意図せず、水属性の魔力が混ざっているのだ。
やはりこの少年は、行使能力はともかく魔力のポテンシャルは高いようだ。今やそれを肌で感じられる。
勘による魔術でここまで『吐息』を再現できるならば、応用していくのもきっと容易いはずだ。
そのさまを目の当たりにすれば、教師としても大変誇らしくなって、にっこりと笑みが溢れて……。

「……んっ、ふ、レン、君っ……♥ いいですよ、その、調子っ……♥ 無理のない程度に、続けて……♥」

……しかし、ねっとりとした風のこそばゆさにどうしても悶えてしまって。
紙をつまむ指が震え、一瞬の脱力の隙にとり落としてしまう。ひらりと舞って絨毯に落ちるが、拾おうとはせず。
腰を折り、少年の肩にもたれかかるように上体をおろす。再び柔肉の谷間がレンの隠れ目に晒される。
しかも襟元からは、ローブの中を通り、女の素肌を舐め尽くして雌の色香を孕んだ風がモワモワと溢れている。
自分の唇にも届いてくる魔法の風を、すぅ、はぁ、と桃色の唇で肺に取り込むと。その唇を少年の耳元に寄せて。

「思った通り……貴方には才能があるわ……♥
 この調子で慣れていったら、すぐにクラスで一番の……もしかしたら私以上の魔術師になれるかも♥
 これからも、魔術の練習をしたくなったらハル先生に相談してねぇ……♥ 個人レッスン、してあげる…♥」

褒められたい一心のレンの心を察したのか、あるいはハルヴァの方も少年を褒めたい気持ちで溢れてしまったのか。
つややかな赤褐色の髪を撫で、肩にムニュリと胸を乗せ、耳を啄むほどの近さに唇を寄せながら妖艶に囁く。
そんな体勢のままでもしレンが風の術式を流し続けるなら、少し風の色が変わるたびに「すごい」「えらい」などと褒めちぎって。
甘く爛れたレッスンは続くだろう。

レン > 「オラにも……魔術が……っ!
 良がった、オラもちゃんと魔術が……使えンだなぁ。
 ……うぅ、ハル先生のお陰だの、本当に感謝してもしきんねす……!」

無意識下で封じることが出来るのなら、無意識下で調整することもまた可能であるということか。
風のみならず水と、異なる属性を混ぜることもレンの魔力量であれば可能なのだろう。
問題は本人が自覚していないことくらいで、それも時間の問題だとは思える程度のポテンシャルは秘めていた。

「はいっ、先生。 ……と、先生こそ調子悪いんだか?
 わ、わ、先生こそあんまり無理しないでけろ……そ、そんままオラさ掴まっててくれて、全然大丈夫だかんな」

自身に凭れ掛かる女教師に心配の声を掛けたのも束の間、再び視界に納まった胸の谷間や、自身が起こす風に乗って漂う色香に簡単に惑う。

「ほ、本当だか? 良がった……オメには魔法の才能がある、って送り出してくれた両親が嘘つきさならず済んで……
 でもぉ、先生以上ってのはそう簡単になれるとは思えねず、褒めてくれんのはすっごく嬉しいけンど……でも、頑張ってみるべ。
 ッ……個人、レッスン……は、はいぃっ、よろしくお願いすんべ!お、オラ一人でもやれそうな時は頑張ってみっぺから!」

耳元で甘く褒められれば分かりやすく表情が緩む。
髪を撫でられ、肩に胸を乗せられ、そして耳元で妖艶に囁かれ、たちまち舞い上がっては尚も褒められる事を、今の状況が続くことを欲して魔術を行使する。
そうしてたっぷりとハルヴァによる指導を受けた後、転入当初の自信を少し取り戻した劣等生が居た事だろう。

ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からハルヴァさんが去りました。<補足:ムチムチ妙齢女教師/銀のストレートヘア、藍色のシルクローブ>
ご案内:「王立コクマー・ラジエル学院 図書館」からレンさんが去りました。<補足:小柄なメカクレ男子/サイズ大きめの学生服/おどおど/独特な訛り/後入り歓迎/最長25時頃まで>