2025/02/01 のログ
アルカ > ひとしきり歌い、安らいだ身体は流れた汗と同量の水分を求めて喉を渇かせた。立ち上がり、絞ったタオルで蒼を拭い、ほんのり桜色の身体を湯船から離して脱衣所へと向かう。

「 〜〜♪ 」

着替え終えるまで、終えても尚、奏でながら。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からアルカさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 王都マグメールの平民地区に存在する歴史ある老舗の旅籠。
その名物は宿名の由来にもなっている遠く九頭龍山脈からはるばる汲み上げているという温泉である。
宿泊客は勿論、日帰りの入浴客にも解放されている風呂は日々の疲れを癒そうとする人々に好評を博している。

「ふぅ、……いい湯だなぁ、っとくらぁ。
 チラつく雪を眺めながら温泉に浸かり、酒を呑む。
 これでイイ女でもいれば文句の付けようもないんだがな。」

そんな宿名物の露天風呂に浸かるのは音程の外れた感のある鼻歌を口ずさむ中年の冒険者。
ごつごつとした岩で作り上げられた混浴の露天風呂には、彼以外の客の姿が見えず、事実上の貸切状態。
それも、その筈で曇天の空からは雪が舞い散り、温泉に入っていなければ身が縮こまる寒さである。
その為に多くの湯治客が室内風呂を楽しむ中、独り湯に浸かり、持ち込んだ徳利と猪口を傾けながら雪見酒を楽しんでいた。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」個室風呂」にルーベルさんが現れました。
ルーベル > 温泉旅籠の個室風呂。
そこで木で作られた湯舟の縁に両腕伸ばし湯船に浸かって寛ぐ魔導士貴族。

「ふぅ~… いいのう。屋敷にこれを作っても、このようにはいかんのだろうなぁ」

ゆらゆら揺れる湯は白く、何かの薬湯のようで。ただ湯の温もりだけでない熱を体に与えてくる。
心地は好いが、この湯では逆上せあがってしまいそうなほどだとも思いながら。

だらりと脱力しながらに、風呂の方に気分を遣っていたから忘れかけていたが、宿にサービスをと頼んでいたのだったとと思い当る。従業員によるものと聞くそれは洗体やら、おさりやら、それ以上やらと色々含めた性的なもの。
そもそも従業員以外も紛れ込むこともあり、内容も色々らしい。

信徒への奉仕行為の一部だと騙されたような聖職者やら。金に困り果てた冒険者やら。弱みを握られた貴族やその子女やら。学院生なども貧に窮するものなどはこういう所でのそれなりに高額な臨時雇いにと引っ掛かり、ひどい目にあうのかもしれない。

よくここを利用する知己などはそれがいいのだと通ぶってもいる。その者も貴種であれば、金でも立場でもどうとでもなるから、ということなのだろう。

実にこの街の現状らしい、と思いながらも、確かにルーレットのような遊びとも思えば風情もあるのだろう。
浴室に満ちる淫靡な空気に下肢へ熱が集まるのを感じながらに、はぁ~…と、身体に溜まる熱を逃すような息を吐いた。