2024/12/25 のログ
リス > 「とりあえず……仕事の事は、今は考えないで……いいよね……。」

 職業病だと思う。
 だって、24時間営業しているので、今も未だ、商店では奴隷の店員たちが頑張っている。
 そう考えると、仕事の事を考えてしまうのだ。
 どうすればもっと売れるか、如何すればもっと稼げるか。
 稼ぐことによって、更なる商品を仕入れたり、従業員に還元したりできる。
 それらがあるから、皆の生活を守るからこそ、と。

 とは言え、リス自身は年頃の少女でもある。
 もっと、人生を楽しむのも、必要だと、言われたことがあるし。

「でもなぁ。」

 ちゃぷり、と己の体にお湯をかけて、少女は夜空を見やる。
 今日のお風呂は、露天風呂で。
 火照った体に外の風が涼しくて心地が良い。
 はふん、とため息ついて、再度かけ湯をする。

「遊びに行きたいけど……。」

 一人で行くのはなぁ、と、そんな悩み。

リス > 「ふぁ……あ。」

 あふ、と小さく欠伸を零す、お風呂のお湯にしっかりと浸かっていたから。
 体は、ポカポカとしてきて、寧ろ汗ばんでしまうぐらいに熱い。
 このまま眠ってしまうと大変ね、と小さく笑いを零してからざぶり、と立ち上がる。
 白い肌は、ほんのり桜色にそまり、何処か艶めかしくて。
 綺麗になって温まり、疲労の抜けた体。

 後は家で休むだけね、と息を吐き出して。
 脱衣所へと向かい、水滴を堕とし、服を着て。

 リスは静かに家に戻るのだった―――。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」ふたなりの湯」からリスさんが去りました。