2024/12/11 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にシアンさんが現れました。
■シアン > どんよりとした曇天の早朝。
一月前、二月前と比べて随分弱々しくなった日差しが雲で隠れ気温はさらにぐっと下がって吐く息も白い。
そんな寒さのおかげで、もくもく、もくもく、もくもく、と露天風呂は大層な湯気を上げてまるで濃霧だ。
数メートル程度向こうの人影もわかりにくいほど湯煙に包まれた其処で。
「はーーー……」
気の抜けた声音と湯船に体躯を鎮める湯の音が響く。
「もう大分寒くなったなぁ」
寒気でぶるりと身を震わせながら洗い場で身体を清めてあっつあつの湯に浸かれば染み入る心地に一息と独り言。
故郷の北方に比べればまだまだ暖かいほうではあるが王国暮らしも長いとこれぐらいでも少し寒い。
掛け流しで溢れる温泉に一度タオルを浸けて搾って顔を拭ったあとには縁へ放って腕も縁に預けて足を伸ばす。
朝飯何食おっかなぁと考えながらに朝風呂中の冒険者一名。
只今のこの時間は混浴だがこのぐらいの時間帯だと凡そ貸し切り状態だから、気兼ねなく、独り占め気分を味わっていた。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からシアンさんが去りました。