2024/10/09 のログ
エレイ > 出くわしたのは一般の男性客。互いに軽く謝罪し合った後、男は改めて歩き出し、何処かへと──
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からエレイさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にシアンさんが現れました。
シアン > 雲一つなく紫色に朝焼けした空。
風は冷たく、薄着だとぶるり、肌寒さを覚えて震える者もいるだろう朝早く――
もくもくもく。
どばどばどば。
豪快なほどに湯気立ち込める湯船へこれまた豪快に湯が注がれて少し賑やかな露天風呂。

「ぁ゛~~~……しみる~~~……」

浜辺に打ち上げられたわかめか昆布かといった有様の髪を一括りに体躯を湯に沈める男性客。
首も脇腹も鼠径部も、絞り上げられ、胸筋は分厚く背筋など荒縄で撚り合わせたような……
手指の爪まで分厚くってどこもかしこもを筋肉の鎧を身に着けた身体はあちこちが傷だらけ。
裂傷、打撲、どれもたいしたものではなく目に見えて痛々しい程でないが当人はやはり痛い。
湯の温度が疲れにしみるが湯の温度が傷にもまたしみる。

メグメール(喜びヶ原)自然地帯にて夜間を狙って行われるモンスター間引依頼。
それに参加して、その帰りにひとっ風呂浴びに来た。
傷はそのせいだ。何せ数が多い。手傷の十やそこらは流石に負う。

「まあこれで暫くは顔出さんで済むだろ……」

あれ、強制参加ではないにせよ、ずーーーっと無視していると催促が飛んでくる。
ここ三回ほど連続で参加してやっているので三ヶ月や四ヶ月は出ないのも許されるだろう。

湯船の縁に左腕を預けて、湯船に浮かべた湯桶へ収めた猪口で米酒を含む。
甘口の味わいに透き通った風味が鼻に抜けていく。
はーーー。と、長い長い吐息を零しながら、一息。

ちなみにこの露天風呂は現在、混浴。
別段女を狙う意図はない。何なら女性客が来たら自分は出てもいい。
この時間、此処しか露天は空いていないのだ。仕事疲れで、どうしても、どーーーしても、露天で一杯やりたかった。

「マジしみる……」

ぽつり、ぽつり、溢れる独り言。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からシアンさんが去りました。