2024/09/21 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」に夏虎さんが現れました。
夏虎 > 「ぁ゛っつ゛ぁ~~~」

かこぉん。と、鹿威しが小気味よい音を奏でる、庭園が臨める露天風呂。
九頭龍山脈から引っ張ってきているという湯は熱い風呂好き好みの温度。
その湯船に肩までしっかり浸かって、濡らしたタオルで顔をごしごし、
おじさんみたいな悲鳴だか嘆息だかを零して満喫している桃髪。

「はーーー……。
 年々夏が伸びていくなぁこの国……」

故郷であれば今頃は冬支度に入っていて気温も肌寒い。時間帯によっては寒い。
先日里帰りした時のことを思い起こしながら、
縁に背を預けてからゆっくりと足を伸ばす。

「……」

その里帰りで。親類から、お前さん嫁はまだ? とか言われた事も思い出してしまって頭を振る。勿論まだだ。褥を一緒してくれる友人ぐらいはいるけれど、まだだ。それに生憎と嫁さんの気配もなければ嫁さん養える稼ぎもまだまだまだだ。今日とて、午前中に、屋台を開いてから正午に差し掛かるまで常連さんが来てくれた程度でそこから宅配業務して上がりである。溜息つきつつ、腕も縁へと上げて預けてぐでーーーっとした体勢になった。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」から夏虎さんが去りました。