2024/09/16 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にエウヘニアさんが現れました。
■エウヘニア > 「……─────」
湯気の立ち上る、地下浴場の一つ。
かけ流しに流れて行く湯の音がまるで川辺にいるようだけど、肌身をじっくりと温めてくれる熱は、冷水とは全く違う。
ふにゃあ、と弛んだ表情。
いくつかある温泉を渡り歩くための入浴着は一応畳まれ、傍に置かれて。
洞窟を模し、岩をくりぬいて作ったような浴槽は、その見た目に反して、怪我などしないように丁寧に磨かれてつるりとしていた。
その縁に肩口迄身を沈めて、緩んだ表情が物語るように寛いでいる。
湯気にかすむ視界をぼんやりと照らす照明は、魔力によるもの──なのだろう。
眩しすぎることもなく、程よく薄暗くて洞窟感を演出していた。
大浴場よりは狭くて、それなりに個室感もあって落ち着く。
大体の人はもっと派手な露天だとか、花風呂、薬湯……等々、目新しいものに向かっていくだろうから、人気のなさもちょうどよかった。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > ままならぬ日というものはあるが、男にとって今日がそれかもしれない。
脱衣所を抜けた先の大浴場でゆったりと寛ごうと思ったところ、先程まであった壁がいつの間にか消えていた。
この宿特有のハプニングで混浴となったらしい。それ目当てで訪れた男と女が獲物を見定めるような目をしてうろついている。
……落ち着かない。関係なかろうと思っていたが、ちらちらと視線を感じる。
そういうのも吝かではないが、こう人が多いと乱交のようで好みではない。
大浴場から逃れるようにしていくつかの湯を通り過ぎる。どれも湯船の大きさを考えると少し、人が多い。
洞窟を模した――岩風呂だろうか? 薄暗い照明に目を細める。先客がいるようだ。
どうやら女性が一人。さすがに遠慮するべきか――と考えるうちに、ここが行き止まりであることを知った。
引き返すのはさすがに滑稽だし、身体も少し冷えてきた。軽く身体に湯をかけて、先客から三人分ほど離れて浴槽へと身を沈める。
顔を向けられたら、軽く会釈くらいはするだろう。
■エウヘニア > ぼんやりと湯の熱を楽しんでいたのだけれど、人の気配に少し姿勢を正した。
誰か来たのかな、と思うものの静かに入浴を楽しんでいる様子に見て取れた。
それなら邪魔をすることもないかとぼんやり思考。
こちらはそろそろ茹りそうだし、と体を引き上げる。
湯気が揺れ、つかの間肌を晒しつつ傍らに畳んであった入浴着を広げるとするんと体に巻き付けた。
理由が無ければ見知らぬ誰かに話しかけるような性格でもないし、一定の距離間を保って、浴場を後にした。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からエウヘニアさんが去りました。
■ヴァン > 互いに話しかけることもなく、数分が過ぎる。
湯船からあがる音に視線が向いてしまうのは男の性か。自制するように正面の壁に向き直る。
追い出してしまったようで申し訳ない気もするが、ただ長居していただけかもしれない。
ともあれ、しばらくは冷えた身体をしっかりと温めよう。
それまでに誰か来たならば、他愛のない世間話でもしようか。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からヴァンさんが去りました。