2024/05/03 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にテイラーさんが現れました。
■テイラー > 夜の帳もすっかり落ちてお月様が高~く昇った夜更けの露天風呂。
涼やかな風がさらりと吹けば沸き立つ湯面も登る湯気もゆらりと揺らす。
そんな風に吹かれながらに、上を眺めては雲に時々隠れる月を、周りを眺めてはライトアップされた異国情緒な設えのされた庭先を肴に、酒を一献傾ける。
「風情だねぇ」
お盆をお湯に浮かべて、その上に徳利とお猪口を置いて晩酌中。
部屋で飲りつつ夜更けの静かな街並を眺めるのにも少し飽いて、
丁度今頃ならさして人も居ないだろうと足を運んでみたが正解だった。
「……しかし、贅沢病だなぁ~~~」
夜更けのしんと静まり返った街並も、良かった、貸し切り状態で頂く景色も、此れまた良い、が……
今度は口が少しばかり寂しくなって摘めるものも欲しいし静か過ぎたら過ぎたで話し相手も欲しくなる。
俗世に出てからあれやこれや楽しみを覚えた反面あれもこれもとつい欲しくなる“贅沢病”に掛かった。
昔は酒の一献もあればそれだけで十分だったものだが……
いかんな、我慢しないとな、ああどうしよ、誰か人でも呼ぶか?
云々首をひねったり頭を振ってみたりと一人で忙しくしながらひとりごちる。
そしてまた、酒をひと啜り。甘い香りが湯気よりも軽くふわりと口内を満たしたあと僅かに遅れてやってくる辛味を堪能して、ほう、と酒気混じりの息を零した。