2024/04/30 のログ
キール > 「くく。」

言葉で戯れ小さく笑い、女の飲みっぷりの良い仕草を楽しげに眺めながら空になった猪口を再び酒で満たし。

「あぁ、いい女には気前も気風も良くなるのが男だからな。」

等と肩をすくめて答えてから自身も猪口に口をつけ煽り、その冷たい酒精が舌を甘く刺激し、火照った身体の芯を冷やす様に染み込むのを楽しみつつ、女の艶めいた仕草をついつい眺め愉しんでしまう。
括り髪によって晒された項にながれるとろりとした湯。

「ん。そうだな。 飲んで浸かって食べて寝るだけ。 確かに最高だ。 まぁ俺が食べたいのは姉さんだがな。 」

口角を上げながら小さく笑うと男は相手の瞳をのぞき込みながら大きな手で湯を掬い、夜風が熱を奪う相手の項に男の手で湯をかけてからその肌にとろみのついた湯をぬるりと摺り込もうとする。

ドリィ > 「好い女でよかったァ。 ───気前も気風もー…ぉ、好い男に出逢えるのだもの。」

女は小頚を傾ぎ、悪戯にそう囁いた。
冷酒は咽喉に通って腑に落ちれば、じんわりと熱を帯びる。
湯の熱もが身を包めば、膚と内奥にそれぞれに火が灯るよな温感があり。
女の息遣いもゆぅるりと艶やかなものになろうか。

「あら、そぉ? 好い男に、そぅ言ってもらえるなら光栄ね。酒の肴にはー…ぁ、なるかしら?」

男の言い草に、女は双眸細めて笑ってみせた。その体躯に見合った大きな掌が湯を汲み、そのとろみを女の首筋に垂らし流す。
柔い湯の感触に、 ───ふ、ぅ。 息が漏れ。その手がうなじを撫で摩った、途端。

「ン …… ♡ 」

艶めかしい息遣いが漏れるのだ。甘やかな、悩ましい溜息のように。
熱に拐かされる夜に、───…湯煙の内、男と女の過ごした夜は如何様だったのか。
先は、闇のみが知るばかり───……。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からドリィさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からキールさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「~♪」

ピーヒョロロと下手っぴな口笛を吹きながら、館内の廊下を一人のんびりと歩く浴衣姿の金髪の男が一人。
着込んだ浴衣は客室に備え付けのものであるが、男の着こなしは何故か妙に様になっていた。

それはそれとして、男は現在旅籠内を探検という名の散歩中である。
この旅籠は知らないうちに道が変わっていたり施設や仕掛けが増えていたりするので
男にとっては適当に歩き回るだけでもなかなかいい暇潰しになるものだった。
知り合いの従業員に聞いたところによると、その妙な特性のおかげで主に女性が迷ってしまう確率が高いらしいが……。

それはさておき、やがてT字路に差し掛かると、男は一旦足を止めて。

「──さて……どっちに行くべきですかねぇ」

右か左か。
廊下の中央で仁王立ちしながら、男は顎に手を当てうぬぅ、と唸りながら思案し始め。

「んんーむ……よし左だな、左へ行くべきと俺の中の何かが囁いている──おおっと!」

しばらく悩んだ後、男はおもむろに左側の通路へと踏み出し──その途端に、
ちょうど通りかかった誰かと出くわし、思わず足を止めて上肢をのけぞらせた。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にエレイさんが現れました。