2024/03/02 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」 露天風呂」にリコッタさんが現れました。
■リコッタ > てち、てち、と湿った足音を立て、こっそりと奥の露天風呂へ向かう小さな影が1つ。
普段から人付き合いは得意ではないが、今日は──獣の徴が出てしまっている日は、特に。
綺麗な月夜を恨めし気に眺めつつ、ちゃぽりと湯に身体を沈める。
「はふ……なんだか、慣れちゃいましたね……」
それでも湯に浸かれば、小さな悩みや不安は温かに溶けてゆく。
しばらく通ううちに見つけたこのスポットは、湯に設置された岩の影になって見えづらい。
人目がない分、比較的安心してリラックスすることができた。
……もっとも、人気がないということは、同じように人目を憚る客が訪れやすいということでもあるのだけれど。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」 露天風呂」にシアリィさんが現れました。
■シアリィ > 師匠から聞いていた学院への入学手続きを終えて、ひと段落
学院生には寮が割り当てられるそうだけれど、それには数日かかるとのこと。
せっかく王都にまで来たのだから、少しくらいのんびりしても罰は当たらないだろう。
そんな考えで、老舗と名高い旅籠の暖簾を潜ったのがつい先ほどのこと。
「―――よかった、こっちはお客さんが少ないみたい。
混浴があるなんて知らなかったよぅ……」
説明は受けたのかもしれないけれど、聞き漏らしてしまったのだろう。
荷物を部屋に置いて、さっそく向かったのは、この旅籠の名物である温泉。
それも屋外の露天風呂だったのだけど、脱衣場を出たところで
ばったりと体格のいい全裸の男性に出くわしてしまったものだから、
危うく濡れた石床で滑って転んでしまうところだった。
慌てながらも、人気の少ない方へと駆けてきた結果が今だった。
「はふー……」
ざばりと掛け湯をしてから、湯気の立つ温泉へと身を委ねる。
じんわりと肌へと染み込んでくる熱に、思わず声を漏らし。
■リコッタ > 「…………っ!?」
完全に気を抜いて、ゆったりリラックスしていた少女。
後から入って来た新たな入浴客には全く気付いておらず、突然近付いて来る気配にギョッと身を竦めた。
まあ、貸し切りでもない露天風呂なので、人が来るのは当たり前なのだが。
(ど、どうしよう……誰か来ちゃった……しかも、女の子みたい……)
普段なら男性でないことを安心するところだが、今の少女の状態だと女性でもあまり良くない。
そんな風に焦っていたせいか……ずる、と頭に載せたタオルがずり落ちそうになる。
露になるピンと立った狼の耳。それを反射的に隠そうとして──。
パシャン、と。つい岩陰から大きな水音を立ててしまった。
■シアリィ > 熱いお湯が旅の疲れを溶かし出して行ってくれるかのよう。
気持ちよさそうに、瞳を閉じて、温泉を堪能していると、岩場の影で水音が響いた。
旅籠の温泉なのだから、当然他にも湯治客はいるだろう。
そのこと自体には、何の問題はないのだけれど。
「も、もしかして、また……?」
つい先ほど出くわしてしまった男性のことを思い出し、警戒するかのように身構える。
いつでも逃げ出せるようにしながら、そっとその水音が響いたほうへと視線を向けると。
そこには、可愛らしい狼の耳がちょこんと覗いており。
「えっと……ミレーの方?
というか、怖い男の人じゃなくて良かったぁ……
あ、ごめんなさい。うるさくしちゃったかな?」
可愛らしい耳の持ち主は、自分よりも幾分か幼い風貌の少女だった。
方々で迫害を受けているミレーだとしても、自分としては特に思うところはない。
むしろ高い魔力の資質ゆえに、独自の魔法を使えたりするらしいから、仲良くなって話を聞きたいと思うほど。
何やら驚かせてしまったらしい様子に、砕けた口調で話しかけてみて。
■リコッタ > 「あっ、ぇ、えーと……こ、こんばんは……」
バレてしまえば無視するわけにもいかず。
どうやら見えてしまったらしい狼耳を抑えつつ、顔を俯ける。
やはり、ミレーに勘違いされてしまったよう。
とはいえ見られたのが偏見や害意のない相手であったのは幸運か。
「これは……そのー……生まれつき、というわけじゃなくて……。
……魔法の影響、のようなもので……。
…………あっ、い、いえ、そんな。
みんなの、お風呂ですから……ゆっくり、していって……ください」
もちろん、1人であるに越したことはない。
相手が健康的な肌を晒した、可愛らしい女の子であるなら猶更。
かといって、自分のワガママで相手を追い出すわけにもいかず。
観念したように手を外し、ぴょこりと耳を立てた。
同時に少女の背後で水面がぱしゃりと揺れ……どうやら、尻尾もあるようだ。
■シアリィ > 「はい、こんばんは。
ここは、良い温泉だよね。ご一緒させてもらってもいい?」
人見知りするタイプなのだろうか。
もじもじと言い淀む相手を安心させるように微笑んで言葉を重ねる。
あまり近づきすぎても緊張させてしまうだろうと、距離は保ったまま。
「え? 魔法なの??
変身魔法とか、そういうのかな…? それとも魔法薬の効果とか……」
魔法と聞くと、まじまじと少女の頭を見つめてしまう。
ぴょこんと生えた狼耳は、どうみても血の通ったもの。
先程までの配慮はどこへやら、手を伸ばせば触れられそうな位置にまで乗り出してしまって。
「尻尾のほうも?
どんな魔法なのか気になる……って!
ご、ごめんなさい。不躾すぎちゃったね。
………さ、触っちゃ……ダメ、だよね?」
目の前でぴょこぴょこ動くケモミミ
魔法のことも気になるけれど、濡れてボリュームが少ないとはいえ、ふさふさの獣耳に興味をそそられる。
それはダメ元で初対面でもそんなお願いを口にしてしまうほどに。
■リコッタ > 「あ、ど、どうぞ……。
……そう、ですね。変身魔法の、ようなものです。
生憎と、自分で制御は……できないんですけど……」
露天風呂を煌々と照らす月は、まん丸に輝いている。
本来は満月が近付くと発現する呪いなのだが、いきなり初対面の相手に「呪いです」とは言いづらかった。
さて、どうしたものか。そんな風に考えていると……距離が詰められた。
今にも触れ合えそうな距離で、じっと見つめられる。
耳や尻尾を落ち着かなさげに揺らし、そわそわと視線を彷徨わせ。
「み、耳を……ですか……、…………ど、どうぞ」
耳を他人に触らせたことはあまり多くないが、何かしていた方が気が紛れるはず。
そんな風に考え、あなたの方へ頭をそっと傾けた。
湯気で少し毛並みの湿った狼耳が、少し緊張したようにピクピク動く。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」 露天風呂」からリコッタさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にヘルフリクさんが現れました。
■ヘルフリク > 「もうさあ、大浴場っていうのがエッチだよね」
大浴場に響く高い声。
意味のわからないことを言いながら大浴場へと入ってくるすっぽんぽんのエルフ。
当然のように混浴だったりするのだが、大事なところにタオルを巻いたりはしない。
胸も股のものも特に恥じることなく晒している。
「ああ! 白濁のお湯だ! これは絶対エッチな効能があるに違いないよ~
きっと入ったら大変なことになっちゃうんだ
ここは悪いウワサばっかりある浴場だからね!
はあはあ もうすでに勃ってきちゃった どうしよう」
クソデカい独り言を口にしながら勢いよく濁った湯槽に飛び込む。
バッドマナー。
「こ……これは……!
身体が……あたたまる……」
どうやら別に何も起こらないらしい……