2024/01/08 のログ
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ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にレヴェリィさんが現れました。
レヴェリィ > ───ひらり、と一羽の青い蝶が露天風呂に舞い込んだ。

月光の下、ふわふわと羽ばたく蝶はしばらくすれば湯煙へと溶け込むように消え。
やがて湯気を掻き分けるようにして、1人の少女が浴場へと歩み出た。

「あら温泉……久し振りの気がするわ」

そこにいるけれど、そこにはいない。白昼夢のような存在───夢魔。
周囲を見渡し、そこが温泉であることを確認すれば手を一振り。
魔女を思わせる帽子やローブは、その動作1つで青い蝶となって散っていった。
残されたのは透き通るような肌の一糸纏わぬ少女だけ。

「たまにはのんびりするのも悪くないかしら」

今はまだ誰もいない露天風呂。その湯船へちゃぷりと浸かる。
夢を叶えるべき相手がいない以上、特にやるべきこともなく。
夢魔はただ静かに身体を沈めて月を眺めていた。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からレヴェリィさんが去りました。