2025/05/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアードルフさんが現れました。
アードルフ > ─カランコロン

今夜もまた酒場が開く。仕入れ帰りかカウンターには幾つかの酒瓶が並び、琥珀色の物や東方の出物。果実酒等様々なものが並ぶ。
どれもこれも埃を被っていた古い代物。一つ一つ丁寧にふき取りながら棚に並べ始める。

「こういうのは、どうしても自分で飲みたくなるのが難物だなぁ…。」

古く珍しい物なら尚の事。味見なんて言い訳をしても良いはいいのだが……。
口開けを喜ぶ層が一定数居る以上それも無下には出来ず。
全てをふき取り、汚れた作業台と布巾を片付けてから、カウンターの中。客席に背を向けて並べた瓶をまじまじと眺めた。

店の照明を受けて光る瓶は、やはり美しい。とどこか恍惚とした表情で。

アードルフ > 「偶には、カクテルの練習でも、と思うは思うんだが、どうにもなぁ。」

酒と他の素材の組み合わせは無限大。だからこそ面倒が先に立つ。
知識としてはあってもシェイカーやストレーナーを洗う事を考えるとそれだけでも滅入るという物。

「まぁやっぱ…、こういうのが丁度いいよな。」

そう、手にした琥珀色と、柑橘の果汁をグラスへ注ぐと軽くステアし、出来上がるのは典型的なレディーキラー。
飲み口は甘く軽いが度数は高い。酒よりも強い果実の香りに満足げな笑みを浮かべながら、ちびり、ちびりと中身を減らしてゆく。

アードルフ > ──カラン。

幾つかのカクテルを作っては飲んだ後。消える明かりと共にカウベルも室内へ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアードルフさんが去りました。