2025/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にリーザさんが現れました。
リーザ > 平民地区の冒険者ギルド。
もう日も暮れそうという時間帯に扉を開け中にを足を踏み入れる。
そしてギルド内を眺め、受付が目に入ればそちらにと足を向けていき。

「こんな時間に済まない。登録を頼める?」

受付に近づけば短くそう告げ、こんな時間にという顔をする受付嬢に小さな声でお願い。
そして用紙を受け取れば簡潔に記載し、それを返し。

「あっちで待ってればいいのね」

登録まで少し時間がかかると聞けば、その時間を潰す為にロビーへと向かってはベンチに腰を下ろそうとする。
しかしその前にとギルド内でも連絡などが張り出されている板を眺め。
それを読み終えれば次はどんな依頼があるのか、それを気にして依頼を眺め。

「ここはこんな感じなのね」

依頼や注意、連絡などを見ては、どういうことが多いのかをなんとなく察し。
これからが大変そうと考えながらもベンチに腰を下ろして登録が終わるのを待つことにする。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」に影時さんが現れました。
影時 > 朝一番に出て来れない冒険者は、その日の仕事にありつけない――と云う。
真実であり、同時に真実ではない。
駆け出しが朝一番に起きれない時点で、依頼の奪い合いが生じ易い時間帯を制せないのは如何ともし難い。
一仕事終えた後の疲れで起きれない以外の者となれば、だいたいは副業を掛け持ちしている。
宿部屋を工房代わりにして細工や刺繍、調合して、小遣い稼ぎをするもの。
はたまた、何処ぞの貴族や有力者に雇われて、短期や長期などの契約を経て食い扶持を稼ぐもの。

「……――ったく、思ったより長引いちまったもんだ」

或いは、学院の講師を掛け持ちしているも副業の一環とも言えるだろうか。
その実例の一人の男が、日暮れが近い通りを歩みながらぼやき、ギルドの扉を押し開く。
慣れた素振りで壁際の掲示板に貼られた依頼の数々を確かめ、その枚数の少なさに顎を摩り、苦笑を滲ませる。
さて、どうするか。その日次第の仕事を受けるのも良いが、何らかのお呼び、召集の類が掛かっている場合もある。
ギルドの受付に向かい、顔見知りの事務員に挨拶がてら、自分宛の手紙や伝言の類が無いかを尋ねる。
そうしていれば、不意に首筋に巻いた襟巻の中から、もそもそ、もそもそもそ……と波打ち、盛り上がって。

「ンぁ? どうしたね、おまいら、と……?」

ぽこっと音がしそうな仕草と共に、二匹の小さな毛玉めいた獣が顔を出す。
その二匹が何か匂いを嗅ぐような仕草と共に、不意に男の身を伝って床に降り、とことこ、と何処かに走り出すのだ。
はて、と首を傾げつつ、事務員から“今日はないねえ”という言葉を受け、忝いと会釈しては身を翻す。

そんな二匹が向かう先は、ベンチに腰掛ける見知らぬ顔の女性の足元だ。
ぴた、と足を止めれば、ぢぃと見上げてるは――何か尋ねたいのか、気遣っている様な眼差しを以てか。

リーザ > 冒険者登録をしていなければ良い依頼があっても受けることはできない。
登録自体はそんなに時間はかからないとは思うが、それでも新人ならば今残っているような依頼の半分は受けることができない。
登録が終われば何か簡単な依頼を受けてみようと考えながらベンチで時間を潰し。

そうしていると扉が開きこの辺りでは珍しい服装の男が入ってくる。
服装と見た目で以前どこかの国で組んだことがある東の国の人間かと一瞬だけ見るも直ぐに視線をそらし。
物珍し気に見ていれば失礼になり、何より揉め事の原因になる可能性もあればじっと見る訳にもいかず。

「まだ、かかりそうね」

時間が悪かったのか受付嬢の仕事が遅いのか登録完了の声はなく。
受付をせかすようにと眺めていると先ほどの男が近づいてくのが見え。
話している内容はよくは聞こえないが、何かを訪ねている様子。

その様子にここでの古参なのだろうと見ていると、男の襟巻が盛り上がり毛玉のようなものが現れ。
それらが自分の足元に来て見上げるしぐさを見下ろし。
何か用なのだろうか、言葉はわかるのだろうかと考えては、そっと手を伸ばして触れようとしていく。

影時 > このギルドを訪れるものは多種多様だ。
種族まで細かく見るとなると、それこそ表を出歩きがたいものまで居ることだろう。
そういったものを含め、ギルドは受け入れる。その働きに応じて実力を認定し、相応の仕事を斡旋する。
その制度は男のような余所者、他国からの流れ者、旅人が日銭を稼ぐにも有用だ。
ギルドが登録者の素行、行いに対して信用の証と言えるランクを与え、より実入りを見込める仕事を得られる。

とても分かり易い。
日々の糧を得るためには、あれこれと手段を択べないなら、どんな下らない仕事でも受けるしかない。
何故か。きちんと仕事を果たせるだけの信用、伝手を持ち合わせていないのだから。

(……――んー? どっかで遭った、か?)

受付の方に歩んでゆけば、幾人か知らない顔が見える。新顔か。新参か。
明らかな初心者めいた者も居れば、何か、ふと、ぴっと来るような。微かな匂いを覚える。つわものの予感だ。
視線の一つを辿りやれば、ベンチの辺りから向けられてくる。
垣間見える顔にはて、と首を傾げて。だが、用事がある飼い主と違い、二匹の毛玉達は自由だ。

「……あー、ったく。すまんね。こいつらが何か変なことしてなきゃァ良いんだが、初めて――かね?」

飼い主とおそろいのつもり、だろうか。
白い法被を着こんだ二匹のシマリスとモモンガが見えた姿の足元にやってくれば、ぢぃぃと見上げて。
こてんと首を傾げ、何か話したりするような素振を見せていれば、伸ばされる手に気づく。
わーい!とばかりに尻尾を立て、機敏な動きで触れるどころか手に乗り、腕を伝って肩まで登っていくことだろう。

そんな有様に何やってンだとばかりに顔を顰め、ベンチの方まで歩みつつ声をかける。

リーザ > ここのギルドは今日初めてやってきたのでどうかは判らない。
今の所は問題はないだろうが、もし怪しい雰囲気があれば他に拠点を移す必要もあり。
ただ余ほどに怪しくなければ仕事にありつくには丁度いいので気にはせず。
いつまで居るか判らないが、しばらく稼げれば良いという考え。

そして今ギルド内には受付嬢が数人、自分よりも前からいた数人、そしてやってきた男と自分。
この中では自分が一番新人だなと思うと小さく笑みを零してしまい。

しかしあの国の人間は服装、見た目が判りやすいが個別に特徴をつかめないと懐かしそうに思い出し。

ただ気配の違いだけはよく分かり、初日から古参、ベテランといえる気配を感じ。
ああいう手合いとは敵対したくないなと、それが何処かで仕事を続けるコツと考えているとこちらに毛玉が二匹やってきてしまう。

「大丈夫。少し驚いただけですから。……多分?」

二匹の毛玉に気を奪われ、それらが服を着ていることに気が付き。
使い魔なのかと豊かなしぐさを見せる姿が可愛く見え、つい手を伸ばしてしまい。
あと少しで触れる、というところで手に飛び乗られ腕から肩まで登られたことに驚き。

え?え?と驚きの顔で肩まで登った二匹と飼い主の男を交互に見てしまう。

影時 > この王都に冒険者ギルドは数あるが、如何わしい、雰囲気が悪い――といった風情はあるまい。
柄が悪い、後ろ暗い者、いかにもな悪人面等々が集うアンダーグラウンド的なものなら、貧民地区の方だろう。
そうした幾つかに心当たりもあれば、伝手もある。
この王都に腰を据えて長く活動していれば、表裏の素性、動向にも自ずと通じてしまうものだ。
そうした裏社会的な動向とは、国や土地が異なってもそうそう変わりはないらしい。

……そうしたあれこれに通ずる時点で、ただ者ではないと言われると、返す言葉はない。

このギルドで顔を知るものに聞けば、独り歩き(ソロプレイヤー)、幼女連れ、毛玉使い、ニンジャ、便利屋等々、様々な仇名を聞けることだろう。
そんな仇名とも悪名とも云えない呼び名のひとつの由来は、いつからか連れ出した二匹の毛玉たちにほかならず。

「そりゃ良かった。だが、お前らよう。せめてアイサツしねぇかねアイサツ。
 ――多分ってなら、多分お初だろうなあ。俺は影時という。そっちがスクナマル、こっちがヒテンマルだ」

使い魔、ではない。使い魔のように賢く、力もある二匹は子分であり毛玉の冒険者だ。
相手の左右の肩に登り、ふふーとふわふわの胸毛に包まれた胸を張ってみせれば、飼い主の言葉に耳をぴこぴこ動かす。
てへっとばかりに片目をばちとしてみせる姿に肩を竦め、羽織の裾を払って名乗る。
会釈の後、二匹をそれぞれ指差して名を告げれば、賢くシマリスとモモンガはぺこりと頷くように礼をしてみせて。

リーザ > ほとんど地理も知らない街で見つけたギルド、ここを選んだのはそんな理由。
ある意味、最初に貧民地区に足を踏み入れていないのが幸運といえ。
何れはそのあたりも知る事になるだろうが、今はまだ縁はなく。
腰を据えて活動をするならば、いずれは係るかもしれないのだが…。

そして長く活動をしていけば、この男の二つ名や評価も知る機会があるかもしれず。
しかしそんな仇名よりもこの二匹の毛玉が印象に強く残るだろうが。

「噛みつかないなら…まあ。この子達、言葉がきっちりとわかる子?
多分、あなたと同じ国か近い国の人はあったことがあるけど……あなたはないと思う。
私はリーザ、影時ね。それでこの子たちがスクナマルとヒテンマル。覚えておく」

見た目は毛玉小動物なのに実はすごく賢いのだろうか、と男の言葉に思わず問い。
左右の肩に上り胸を張って見せる姿は可愛いの一言。男の言葉に合わせて耳を動かすしぐさもまた可愛く。
羽織の裾を払って名乗る男に、自分の名前を、そして二匹の名前を聞けばそれぞれを小さく口にして忘れないようにし。
こちらこそよろしくというように立ち上がっては小さく会釈を返して。

影時 > いきなり貧民地区に足を踏み入れていないのは、きっと幸運だっただろう。
心構え含め、何もかも準備がない状態で行くのは、さながら備えなく迷宮に踏み込むような無謀にも近しい。
だが、さしもの冒険者ギルドも初心者向けに、いきなり斯様な仕事は斡旋はするまい。
余所者が貢献しつつ、同時にこの王都の地理を知れるような。そんな類を先ずは出してくることだろう。

「……気に入らねぇ奴には噛み付くとは思うンだが、ははぁ、お前ら気に入ったか?
 いかにも、だ。こいつらはしゃべれねェが、頭が良いらしくてなあ。
 だいたい分かるらしい。最近だと、魔法の教本だって読んで――いる、のかねありゃ。
 
 ――だろうな。一度会った奴のことはだいたい覚えてるが、見たような気がしたのは気のせいだろうなぁ。
 
 リーザさん、と。宜しくな。
 こいつらは短くヒテンとかスクナとかで呼んでやってくれ。それで分かってみせるからよう」
 
良い匂いがしたのか或いは。女性に甘いきらいもあるが、気ままな二匹がこんな風にしてみせるのは珍しいことだ。
そう思いつつ、向けられる問いに頷く。言葉も文字も分かるらしい。
……らしいのだが、本当に分かってるかは本人(?)たちのみぞ知る、といった処だろうか。
本当に読めてるんだろうなァ?と一瞬胡乱げな眼差しを向ければ、分かってるーとばかりにぴょこぴょこと飛んでみせて。
立ち上がって会釈を返す様子に、毛玉達は肩の左右からこくこくと頷き返し、頬擦りしてみせる。

「さて、見た所だと登録待ち……かね?もうすぐ終わると思うンだが」

やれやれ、と二匹の仕草を見つつ、何やら待っていそうな素振りからそう察しを付ける。
ちらと受付の方を見遣り、待ち順を確かめる。この時間帯と混みながら、長く時間はかけない筈だろうか。

リーザ > 出来るだけ綺麗な街並みを歩く、それが功を制し今に至り。
あとは依頼を受けながら街の事などを覚えていく日々になっていくはず。
余程な事が起き、街を離れるようなことにならなければだが。

「普通は警戒心が強いものですからね。
読んでいるのかどうかは別として……興味を持っているだけでも凄いことじゃないです?
もし会ってるなら名前か顔で判るはずですし……気のせいですよ。
ヒテン、スクナ、本当に賢いのね」

初対面で噛みつかれないなら懐かれたのかと見て。
二匹の頷く姿に言葉も文字もわかっているという仕草に、賢いを通り過ぎているように思え。
肩ではねる動きに、飼い主である男の視線に抗議をしているようでまた可愛く。

「くすぐったい……本当に可愛くていい子ね。
明日から仕事を受けるために必要だから……そうみたい」

二匹に頬ずりをされるとくすぐったそうに笑い。
そして男の言葉にそうだったと思い出して受付を見れば、ちょうど自分を呼ぶのと重なり。
行かないと行けないと肩に乗った二匹に降りるように促して。