2025/04/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエウヘニアさんが現れました。
エウヘニア > 市民の憩いとして設けられている庭園風公園の一つ。
富裕層向けではないから、とくに守衛が見回りをしているわけでもないし、すごく立派な花木があるというわけでもないが、ゆったりとした空気感が流れている。

「いーお天気ー」

ゆったりのんびりに釣られるように、のんびりと伸びた声音。
遊歩道の左右には季節のワイルドフラワーが思い思いの花の色を広げて目を楽しませてくれる。

視線を少し上げるとミモザの鮮やかな色合いが、空の色とのコントラストを描いて、また表情が緩んだ。
へらっと弛んだ笑みを浮かべて、今日はどの辺に居場所を決めようかなあ、なんてゆったりとした歩み。

四阿もいいし、その辺のベンチでもいい。
昼時の穏やかな空気を楽しんだら、また午後からは仕事だしねーなんて考えながら。

エウヘニア > のんびりとした歩みは急いているわけでもない。今日は急ぎの仕事は───一応ない。
春らしい陽気につられて少しゆっくりしても問題はないはずだ。

「───そろそろ早起きして森にはいかないとね」

製薬素材をすべて自分の庭で賄っているわけじゃない。
時には自然のまま、季節に合わせて成長したものを使うほうが良い場合もある。
採取時期や、人の手が入る前、と考えると明け方まえには森に、なんて考えをゆるゆる巡らせながら、日当たりのいい場所にしつらえられているベンチに腰を落ち着けた。

そよ、と淡い色の髪を揺らす穏やかな風に目を細めて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にガルディさんが現れました。
ガルディ > 寝惚けたくなるような昼下がりだ。
暑いでもなく、寒いでもなく、大あくびをしながら歩くのが似合うような。
鍛冶場は暑いし職場といえる場所も人の熱ばかりだし。
たまにはこういう時間もヒトには必要だなあ――と、らしからぬぬるい頭で、いた。

「――そうやってぼんやりしてっと、ほんとにそこらの村娘っぽいんだがなあ」

女が歩いてきたのと同じ方向からやってきた巨躯。
淡い色の髪を遠目に見て取っていたにも関わらず、目の前に来るまで“女”だと気付けなかった。
春風で頭がぼんやりしていたとか、深い色の瞳が細まって寝ているようにも見えていたとか、理由は幾つかとあるけれど。
……いや、実際寝ているんだろうか。

試しに、軽口に声をかけてみた、ところ。

エウヘニア > 長閑な空気感。春の訪れを告げる景色。
縮こまってしまう様な寒さが緩んだ移ろいの中で、緩まない人間がいるんだろうか。
自分はそこまで勤勉な性質ではないし、休めるときは全力で休みたいところ、ではあるけれど。

「………ふわ?」

うとうとしていたのは事実だろう。
昼の軽食を澄ませて、食休みがてらの庭園の散歩だったのだから。
かけられた声音にずいぶんとぼけた声が上がった自覚はあった。

「ふわー!?」

びゃ、とそのまま居住まいを正すように背筋が伸びたが。
なんで、どーして、と丸くした双眸が素直に物語る。
悪いことをしていたわけじゃないし、ちゃんと契約を履行してはいるのだが、気を抜いた瞬間に見つかると居心地の悪さを感じるのはどうにもしがたい。

こほんと咳ばらいを一つして、自分の中の意識を切り替えた。

「実際小娘だとは思いますけど、小娘……?うん、まあいいですが。時間ができたらそちらに伺う予定でしたけど…時間はまだ、でしたよね?」

年齢的にそう評される域は過ぎてるよーな、そうでもないのかな、みたいな緩いことを考えながら、言葉を返して。

ガルディ > 抜けた顔して抜けた声をあげてビクついて、そんな姿は小娘と評する他ない。
自分が知っている顔だと、“女”と評して遜色ないものだからそこにギャップを覚えての発言である。
そもそも詰問するでもなかった声掛けが、より一層毒気を抜かれる空気に包まれる。

「可愛げあるつってんだから、別にいーだろ。こっちも今しがた手が空いたとこだ、急かす気はねェさ」

大きく首を回してヨソを向いて、また込み上げてきたあくびを噛み殺す。
妙に姿勢を正した女の佇まいを見下ろし、大きな肩を小さく揺らして笑い。
すい、と流した視線は女の傍らにある仕事鞄へ。

「……なあに、忘れてなけりゃ、いいんだけどよ」

春の陽気に惚けていた目元が、妖しさを含んで細まり。
女の細い首と瞳とを覗いて、窺うよう小首を傾げて。

エウヘニア > 雇用主に弛んだ姿を見られたのとほぼ同義なので、居心地の悪さは相応にあるわけで、と背筋を伸ばしたまま。
それを揶揄うような言葉で返されると、そこに咎める意思がなさそうなので少しだけ肩の力は抜いた。

「あー、そうなんですね、ならよかった…ううん、仕事先が増えたこっちの身にもなってほし、いやいや」

ぶんぶんと首を横に振る。
定期収入源が増えるのは良い事のはずなので、と自分を納得させるよう。

ちら、と向けられた意味ありげな眼差しに、分かってますようと言いたげに首肯を返した。

「ちゃーんと忘れてませんよ、でもまだ休憩時間ですし、『旦那様』?」

小間使いとしての契約。なのでそれらしい呼び名で相手のことを呼んだ。
とはいえ思いっきり私服だから、こう、自分で口にしても違和感が凄いな…と思いつつすまし顔。
もう一つについても忘れてませんと鞄を引き寄せるものの……こっちは少し人目のあるうちは容赦してほしそう。

ガルディ > 言葉の上では反抗的なところもままあるが、その振る舞いに疑うところは殆どない。
ただ、たまのうっかりは目の前の女にありがちなもので、そうしたらお仕置きに及ばなければならない。
そのための一応の確認でしかなかった、はずなんだけれども。

「……この前はちょっと興が乗りすぎて悪かったか、って思ってたんだが……そんなに『旦那様』に可愛がられたけりゃ、そうしてヤろうか」

ふわ、と背筋を撫でる呼び声。
巨躯が雰囲気を塗り替えたのを、目の前にある相手であれば気付けよう。
気付かないようだとすれば、それはきっとフリに違いない。
そう呼んだということは、相手は自身の『小間使い』であると宣言したに等しい。

お隣に腰掛けて、長いスカートを手繰って跨がらせるなんてどうだろう。
腰回りから、細い脚首へ視線で舐めて。

「休憩分は割増してやるよ、支度しろ」

胸板から腹へと自ら撫で下ろし、込み上げたものを堪えてやろうという仕草。
容赦ならん、という返答。
もっとも、妙に装飾していたりするわけでもないのだからそれこそ済まし顔していれば平民地区とて大した違和感は無い。
支度――そう言って、自身の太い首をぺちぺちと叩いて装備を促す。

エウヘニア > 「えっ、え…っ?」

墓穴掘ったのは自分…?と困惑に表情が曇った。
ちゃんと仕事はしてるはずなんだけどなあ──…!という被雇用者っぽい嘆きが表情に浮かんだ。

しかし、自分の中の危機管理能力が、今の相手に逆らうのはやめておいた方がいいと訴えるのにしおしおと萎んでゆく。

「…………こ、個人的にはそういうのは、こういうところは嫌かなー……って」

オンとオフは切り替えたい。すごく、と言外にも言動にも示したが、権力者の意向により沈没した。
ぐう、と視線を避けるようにうつむいたが、もぞりと鞄の中に手を伸ばすあたりは素直。

指先に当たる装飾品は、この街では特に珍しいものではないだろう。
自由市民なんだけどなーと思いつつも、割増、という言葉にはじとーっとした目つきを向ける。

言葉と視線と仕草で示されるのに諦めて、契約中を示す装飾を頸へと巡らせた。
普段のお仕着せじゃないところに着けるのは若干浮いてるなあとは思うものの、他者が見る分には違いなど意味はないので気にするだけ無駄なのかも。

「んー……、はい。それじゃあ職場のほうにで…よろしくお願いします」

留め金を、きつくないあたりに調整すれば、たったそれだけのことではあるのだけれど。
とりあえず律義に頭を下げるあたりは男の毒気を抜いてしまうのかもしれない。

ガルディ > オンオフを区切りたいなら、冗談でも、そんなスイッチを踏みしめるような呼び名で呼ぶのはやめた方がいい。
『旦那様』としては目の前で無防備な顔した被雇用者を如何に弄ぶか、それしか考えられなくなる。
なんて、ご丁寧に教えてやったりはしない。

休憩時間に相当する割増かそれとも何か即物的なものがいいか。
その辺りはまた『職場』に至るまでの間ででも応相談といこう。
帰ってからのお楽しみが、帰るまでもお楽しみとなったわけだから機嫌は上向き。
春風に惚けていた思考は女の一言であっさりと塗り替えられてしまった。

その責任を取ってもらおう――というのだが、また毒気を抜く所作に、言い出した辺りは守ってやろう。
具体的には、そこらの茂みや路地裏で首輪を引っ立てることをせず、持ち帰り――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からガルディさんが去りました。
エウヘニア > 解せない表情を浮かべつつ。
機嫌がいいのか悪いのかよくわからない雇用主の後をついて、休憩時間終了のお知らせにちょっと後ろ髪をひかれつつも歩いていく女の姿があるのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエウヘニアさんが去りました。