2025/04/02 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にレトさんが現れました。
レト > 「もしもーし。すいません、起きてください!ここで寝てないで宿屋やご自宅で寝てくださーい!」

深夜の平民地区を巡回する若い衛兵たち。
なんでも、最近路上やベンチで眠ろうとする住居を持たない者が増えているようで住民からクレームが寄せられている。
不幸にもその対応にあたる事となった若い男たちは、真夜中に屋外で寝ている者に声をかけて深夜営業中の宿屋などへ誘導する。
……と言っても、宿代も必ずしも安くはないからこうして泊まれない者が発生しているのでただ起こすだけにしかなっていない。

「ったく、何時まで仕事させるつもりなんだよ……ふぁぁ、オレ達の方が寝ちまうぞこんなの」

『浮浪者っぽいのとか、どこで寝るつもりなんすかねえ……』

「知らねぇよ。役所の仕事……つってもこんな深夜にアイツ等絶対仕事してる筈ねぇもんな」

衛兵たちは今にも帰りたそうな様相で、他にも路上で寝ている者がいないか巡回していく。
酔っ払い、迷子などであればまだいいが、夜盗や暗躍する魔族であるケースもある。
故にチームでの任務となるが……まだ若い男4人だけ。
腕に覚えのある傭兵相手となれば、恐らく簡単に全滅してしまう程の貧弱さしかない。

レト > 『先輩、ところでこの辺って……出ないっすか?』

新米の衛兵の言葉に思わず足を止め、何が? と首をかしげる一同。

『貧民地区ってほら……化け物が夜な夜な彷徨ってるって噂じゃないですか。この辺は……』

『バカな事言ってんじゃねーよ、いる訳ねぇだろ見た事もねーよそんなの』

唐突に発せられた疑問は、幽霊やオバケといった類。
周りの男達は小馬鹿にしたように笑い飛ばすが、一人だけ不機嫌そうに「この話やめようぜ」と止める。

「コクマー・ラジエル学院はな……マジらしい。魔法使う奴等が夜な夜な変な儀式したりとか、そういうので……」

男がさりげなく口にした言葉に、一同は青ざめる。
話題を切り出した新米が顔面蒼白になり、露骨に周辺を見回して怯え始めるのを見れば はぁとため息をつく。

「つっても、この辺で妙な話なんて殆ど聞いた事もねぇし。くだらねぇ話してないで質の悪い酔っ払いの心配でもしてろよ」

ほら行くぞ とハンドスピアの石突でレンガの道をコツコツと叩いて同僚たちを催促する。
本当なら人目の付かない路地裏なども見て回るべきだが……、新米が余計な事を言ったせいで暗黙の了解でスルーしようとする雰囲気に。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にメアリさんが現れました。
メアリ > 幽霊話に盛り上がる衛兵達のすこし先――。
通りから外れるために足元を照らす魔導灯もなく、月光もあまり差し込まないような薄暗い路地裏から
ふらりと揺れる人影が一つ。

外套を身に纏い、衛兵の男とそう身丈も変わらぬようなその人物は、まるで幽霊の如く外套の裾をふわりと
揺らしながらゆっくりとした足取りで通りに出て、衛兵の男達の元へとやってくる。

ふわり、ふらり……。

外套のフードを目深く被った人物は一見して男か女か判別つかないものの、よくよく見れば外套越しに
伺える身体の凹凸で女性ということは理解できるだろう。

その不審な女は衛兵の男達の傍まで来ると、その横を通り過ぎようとする。
女とすれ違う際、ふわりと酒精の香りを僅かに感じる筈で。

レト > 時間が時間なので衛兵たちの疲労もストレスも計り知れない。
オマケに新米がバカな話をしたものだから闇夜の恐怖は更に増して。

路地裏の向こうは視認さえできない。
視線を向けるだけで何かに引き込まれそうな恐ろしさが渦巻いている。

「……うぉ……。……と、とっとと次いこうぜ……」

男は思わず目を逸らし、周囲の同僚もうんうんと頷いて足早に横切ろうとしたその時だった。

何か物音が聞こえる。

『…………え?』

一人が足を止める。男もつられて、視線を向けるとそこには外套姿がひとつ。
不気味な足取りで迫りくるそれに、一同は凍り付く。

「……い、いや、待て待てって……」

慌てて武器を構えるが、間近に男とほぼ互角の体格の人影が迫れば新米が『出たぁぁぁ!!』と叫ぶ。
それにつられて、周囲の同僚たちも喚き散らし、一目散に逃亡。

「おい!!……おい!!!!……あ、あの、えっと……」

(う……酒くさ……っ。)

あっという間に取り残される男。恐る恐るフード姿の人物に視線を向けると、外套越しでもハッキリ分かる身体の凹凸。
女性だ ……しかし不審者である事には変わりなく、恐る恐るフードの中の顔を覗き込もうと試みるが、酒の香りには思わずすんすんと鼻を鳴らさずにはいられない。

メアリ > 衛兵が叫び声を上げて逃げ出せば、フード越しにちらりとそちらに視線をそちらにやる。
何だか騒がしいですねぇ……、とまさか自分が幽霊と見間違えられているなど夢にも思わず、
ただの酒場帰りの傭兵はのんびりと歩みを進めていた。

「ん……?何ですか?」

先ほど騒いでいた集団……今は一人らしいその男に呼び止められては足を止めて顔を上げる。
その瞬間丁度夜風が吹き、メアリがかぶっていたフードが風で吹き飛ばされ、その顔を男の前に晒すこととなるだろう。

「あらまぁ、衛兵さんですか。こんな時間までお疲れ様ですねぇ。」

目の前の男が衛兵と気付けば、にこりと人当たりの良さそうな笑みを浮かべつつ、なぜ呼び止められたのかと頭の中に疑問符が浮かぶ。

「何か御用ですか?」

"今日は"特に悪さはしていないのだから衛兵に止められる理由に思い当たる節はなく、メアリは不思議そうに首を傾げて