2025/03/21 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアルティナさんが現れました。
アルティナ > 王都の大通りにある大きな建物。
冒険者ギルドと書かれた看板が下がったそこには、大小さまざまな依頼が舞い込む。
その依頼を熟すのは、いかつい装備に身を包んだ筋肉男たち……だけではなく。
清楚な修道衣を身に纏った少女もまた依頼を受ける側で。

「こんにちは、今日は治癒の依頼出ていますか?」

顔馴染みの受付嬢に軽く挨拶を交わして、生活費の足しになりそうな依頼を訊ねる。
時に冒険者パーティーに同行することもあるけれど、危険を伴うことも多い。
つい先日も、大変な目に遭ったばかりだから、街中で終えられる依頼があるのならと希望を伝え。

アルティナ > 残念ながら、今日はそういった依頼はないらしい。
また依頼があったらよろしくお願いしますと、と言い残して、ギルドを後にして――

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアルティナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にリリィさんが現れました。
リリィ > 正午。お天道様が天辺に差し掛かるお昼時の平民地区大通り。
時節はもう春だがまだまだ陽気より寒気が勝って道行く人もまだまだ冬仕様――
そんな人の様相と人の活気とを臨むような位置に開かれた飲食店のオープンテラス。

そこな一席に――

樽の大ジョッキのジンジャーエール。
大ぶりのパテに大きなバンズのハンバーガー。
揚げたジャガイモ、鶏肉、玉ねぎ。
コーンスープ。玉ねぎスープ。
等、等、等、等、五人前ほど並んで机を埋め尽くすほど並んだお昼ごはんを。
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ、
どか食いしている兎が一匹もとい一人座っている。

「店員さん! これ! この。すみびやき? てりやきバーガーもう五個追加!」

大食いの大男でも胃袋が悲鳴を上げそうな量を。
一人で食い尽くさんばかりの勢い、
どころじゃなくてこれでまだまだ足りない様子。

「レモネードもおねがいします!」

大ジョッキを傾ければ、一息で半分、大きなバーガーを、一口で三分の一。
とんでもないスピードで次から次へと食べながら次から次へ追加注文していた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にマカナさんが現れました。
マカナ > 軽く鼻歌を歌いながら、学院の方からやってきた1人のギャルルック女子。
途中途中で声をかけられては軽く返答を繰り返しながらも足を止めない陽キャっぷり。
そんな風に学院後に町ブラをしていた所で、とんでもないものを発見する。

「……はぁ~……」

流石に足を止めてぽかんと暫し見物を。
オープンテラスの一席で、フードファイターが大食いイベントでもやっているのかと言わんばかりの大量の食事。
それを細身の少女が喰らっているというのだから、流石にぽかんと見るしかない。

とはいえ、暫し見ていたが、正気に戻り、よくよく見てみれば学院制服、かつ、一度見たら忘れるはずもないウサギの姿。

「あ、あーし絶対どっかで見たことある。
あんな子、みたことないはずないし。
えーっと、えーっと……」

そんな風に考えながら、あんまりな様子にポカーンとみている、または忙しく食事を運ぶ店員ばかりの世界から抜け出して、ウサギ少女の傍へと近づいていく陽キャギャル。

そして、そのすぐ傍らまで来た時にピンときた。

「あ!思い出した!リリたんだ。こんちゃ~」

ひらり手を振って、相手の名前から勝手にあだ名をつけるいつもの調子。
たとえ話をしたことが無くても、特徴的な生徒ならほとんどの生徒の顔と名前を一致させるこのギャルは、なれなれしく挨拶をしていた。

無論、リリィがマカナを知っているかどうかは当然別の話である。

リリィ > 羽毛ぐらい柔らかそうで新雪ぐらい真っ白ふわふわな毛並に包まれた細い指が、ぐわっ! と力強く開かれてハンバーガーを引っ掴むと見目大きくないお口を大~~~きく広げて、ばくん! と齧り付く。よく噛む。嚥下する。ポテトの袋を引っ掴んで、ドリンクじゃないよそれ? とツッコミ受けそうな勢いで傾けて口に流し込む。よく噛む。嚥下する。見目も光景もそれはもうよく、よく、よく、目立つ、兎。
 
「んむぉ?」

周りの客から通りすがりまで視線をかなり集めながらも目線はずぅっと食卓にある。
偶に逸れたと思ったら献立表を見ているし追加注文するし。
偶に伏せられたら、にこぉ♡ と美味しそうに目を細める。

そんな兎が軽やかな挨拶で近づく陽キャギャルに首を向けた時……
口に目一杯詰め込みすぎて兎のくせに栗鼠みたいに頬袋がぱんぱんになってた。

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ!
急いで噛んで。
ごくん!
急いで飲んで。

「こんちゃ~。マカたん! マカたんもご飯~? 一緒に食べる? 美味しいよ~、ここ!」

ハンケチーフで肉球についたソースやら粉末やら何やらを拭ってから、ゆらぁりのんびり挨拶に手を挙げる。
あんまり話した事はなかったけれど挨拶にちょっとした世間話ぐらいは朝やら擦れ違いやらにするぐらいの顔見知り。
最初はきちんと『マカナさん』だったけれど三回目あたりで『マカたん』だし向こうも『リリたん』だしの、
結構似た者同士では? 間ある顔見知りに飯食ってる時よりも機嫌良さそうな笑顔を向けて手招きする。

マカナ > なかなか派手な食べっぷり。
あっけにとられるが、これはこれで気持ちよい食べっぷりでもある。
無論、こんな華奢な子のどこに入っていくのかは謎だ。
世の中には謎が色々あるものなのだ。

自分が向けた挨拶に返ってきた顔。
まるで栗鼠。その様についぷっ、と噴き出して。

「あっはははははははっ!」

急いで噛んで飲んでしている間、面白いモノを見たとばかりに大笑い。
そして、挨拶と返事が返ってきたころには笑いも止まり、上がったリリーの手にほい、と自分も手を重ねてハイではないタッチのご挨拶。

「あーしは学校帰りの町ブラだよん。
こんな所でリリたんの大食いっぷりを見るとはおもわなくてさ~。」

一度でも会話をしたら友達認定のこのギャルは、リリィの言葉を聞けば当然のように椅子を引いてそんな言葉を。
そしてさらに続けて行く。

「でもま、折角リリたんにもあったんだし、ちょっとだけお茶してこうかな。
リリたんはお気になさらずご飯を続けてどーぞどーぞ。」

そして、手を上げて店員を呼べば、特にメニューも見ていないのに、
トロピカルフルーツのジュースを注文した。

リリィ > 体積の三分の一ぐらいはもう食ってやしまいか?
等の観客の懸念もなんのそのと胃袋にどんどん入っていく。
店に入って注文してからずうっと止まらなかった口が、
ほ、の形で止まって大笑いしている様子に首を傾げる。
自分がどんな有様になっていたのか気付いてないし頓着もなさそうだ。

ほい、とハイでないタッチを交わせば桃色の肉球がふんにゅり柔らかく撓む。
兎の毛皮のふわふわ触感も挟まってちょっと擽ったいタッチだったかもしれない。

「あ、今日もう終わり? おつかれおつかれ~。私も~。
 食堂で食べようかと思ったんだけど今日はジャンクな気分だったので!」

しょっちゅう遊びに行ってる仲、みたいな距離感だが気にしてないし何なら嬉しいぐらいの笑顔のまま。

「うんうん、お茶してって。ありがとー。マカたんとはゆっくりお喋りしたいなーと思ってたから嬉しいー」

机の大半を占領している食べ物達の、彼女側にある分を抱きかかえて自分の方へと寄せてスペース確保。
パイナップルにマンゴーにバナナに、を絞ったり果肉ごと撹拌したりのトロピカルフルーツジュース。
注文すればさっと届くそれに『……あれも頼むか……』みたいな目を向けつつ、またバーガーをひと齧り。
もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。

「食べ終わったらデートしよーぜ! 良ければだけど。親睦深めたい!」

喋る時はきちんと噛み終えて、飲み終えてから。
暇なら遊びに行こうぜ! って、どこ行くかは全然考えてないけれど、指先が街中向いてあっちをふらふらこっちをふらふら。

マカナ > きっと、リリィの胃袋の奥には乙女の嗜み袋、いくら食べても太らない若さの証があるのだろう。
そういうことにした。こういう時、深く考えるとループに嵌まるとマカナ、知ってる。

「いやいや、リリたん、うさちゃんなのにさ、さっき一瞬見た時はリスっぽかったんよ。
それはそれでラブリーなんだけどさ、すらっとうさちゃんが、頬袋パンパンリスちゃんになってたらわらうじゃん?」

何に笑っていたのかもキッチリ説明。
距離感についてはノープロブレム。
だって、自分も同じだし。

「そそ、あーしはおしまい。ってか、単位はもう全部取っちゃってんだけど、卒業条件だけ無視して余計な単位も楽しんでる感じ~。
お、そういう気分ってあるよね~。それにしてもだいぶジャンクだけど、くらくらしたりしない?
あーしはジャンク食べ過ぎると、ちょっと調子悪くなるんよね。」

傍から見ている皆にはどう見ても、この2人は古い親友に見えるだろう。
少なくとも、数回会話をした程度とは思えない。

「お、それナイス! あーしもりりたんとはゆっくりお話ししたいって思ってたとこ!」

その会話を聞いて、周囲の人間に戦慄が走ったような気がするが、気にしない。
こんな会話をしているなら、大して見知ってないのにこの距離感で会話してやがるこの2人。
当人たちは当然と思っているので、見ている周囲がゲシュタルト崩壊を起こし始めたら、悪いのはこの2人だ。

程なくやってきたトロピカルジュースに刺さっているストローに口をつけて一口……

「……?」

そこで視線に気づいたか、口元にっこり笑顔を深め、とん、とリリィの目の前に置いてみる。

「一口飲んでみる?気に入ったら注文したらいーし。
あーしはこの店だとこれがお気に入りなんよね~。

お、いいね!デート! もちろん大歓迎だよ!。
どこ行こっかな~。ぶらぶらもいいし、食べ歩きも面白いだろうし、
楽しいとこなんていくらでもあるもんね!」

二つ返事で受け入れた。
絶対にこの子とのデートは楽しくなるはずとの確信をもって。

リリィ > ふむ、ふむ、ふむ……と律儀に説明してくれる様子に逐一頷き、数秒沈黙、後、はっ!? と口元を手で抑える。
目は真ん丸に大きくなっているが視線と顔をそらして、人間の顔だったら赤面して恥ずかしそうなポーズ、だけれど、

「驚愕の新事実。リリィ氏&女史、ウサギちゃんだけでなくリスちゃんも混じってた……!?」

出力される言葉はこれである。

「新発見お手柄マカたんにはリリィ博士号を授与! 今度領地(おうち)に来るが宜しい授与式すっぞ!」

出力される言葉こんなんばっかである。
むははははは! と豪快な笑い声まで上げたあと、その大きく空いた口でバーガーがまた一個消費された。

「マジで博士号取れちゃいそうなお利口さんで私びっくりだけど、え、単位もう全部? えらい!
 そうそうそんな気分なの、たまに週八ぐらいでそんな気分でさ~。
 全然くらくらしない、ん、だけど寧ろマカたん大丈夫? 私食べまくってるけど見てて気分おえーてなんない?」

場合によってはお持ち帰りしたあと消費も検討。
と机に積まれに積まれたジャンクフードの群れを指す。
会話のノリは、古い親友、会話内容は、若干初々しく……
成る程これは聴衆も首を傾げるような雰囲気もりもりだ。

!?

とさらには二度見されるも、ギャルも兎も素知らぬ振りっていうか素で気付いてない。

「っお。ごめーん! つい、つい美味しそうで目が……っ。でもいただきます! ありがとう!」

美味しそう。甘そう。飲みたい。云々それはもう目が全力で語っていたものだから、差し出されたトロピカルジュースに両手を合わせて謝罪と頂きますジェスチャーでも両方してから、両手でしっかりグラスを持ってストローに口を付ける。吸えば、酸味と甘味にもったりとした喉越しの塩梅が実に絶妙なそれにうんと頷いて。彼女にお返ししてから、追加注文するのだった。

「ねー。んふふふ。どこ行こっかー。ふふふ、このリリィ、食べ歩きも好きですがお買い物も大好きです。
 アクセとか服とか見に行く? ほらもう将来も誓い合って長いし……指輪とか買いに行っちゃう……!?」

まともに会話するのは今日が初めて。さきほどから会話内容もそれっぽかったのに、段階がいきなりすっ飛んだ。
照れるぅ! みたいな素振りで頭の真白ふわふわな毛髪や垂れたうさ耳を掻く仕草しながら、

「んぐふっ」

言い切りはしたが言い切った段階で可笑しそうに吹き出す。勿論、冗談である。

マカナ > お?恥ずかしがってる?とみているが、続いた言葉にまた大笑い。

「あはははははっ!
それは貴重な博士号もらっちゃったねぃ。
おーけーおーけー。領地(おうち)までお邪魔するねぃ。」

出力する方もする方だが、受け入れる方も受け入れる方である。
明らかにこの2人、周波数が似通っている。下手すると一致している。

「そそ。これでも結構真面目に授業出てんのよ。
別に、センセに色仕掛け仕掛けて単位くすねてるわけじゃねーし。」

あははっ!と楽しげに笑いながら、王都民らしいダメな方向のジョークを飛ばして
続いた言葉にはウインク&サムズアップして

「あー、それは大丈夫。匂いも味も好きなんよ。
でもさ、悪い脂にあたるとくらくらすんの。
だから、モノによっては1個でもダメだし、大量に食べたら良くてもダメ。

でも、大体この辺あーしのテリトリーだから、どこの店ならOKかは知ってるよん。
ま、今日は学院で昼食べてきたし、あーしはりりたんと違って、食べ過ぎたら丸くなるし。」

うらやましいことです、とこれもまたジョーク交じりに。

「全然おっけー。さっきのりりたんだって、美味しいものはシェアシェアしようとしたじゃん?
ただ、あーしが今はいらなかっただけで。
で、りりたんは今欲しそうにしてたから、あーしがシェアする。
リリたんもハッピー、あーしも好みを分かってもらってハッピー。オーケー?」

こんなノリが続くのだ。ついてこれない人はついてこれないが、突いてこれる人にとっては楽しい事この上なかろう。
そして、戻ってきたグラスとストロー。そして追加注文に気に入ってもらえたみたいで満足気。
そして当然のごとくまたストローに口をつける。
間接キッス?気にするはずもない。

「アクセとか服とかもいいね~。りりたんをあーしみたいにするのも面白そうだし、
逆にあーしがりりたんみたいになるのも面白そうだし!
あはは!それはそれでおもしろそうだけどさ、指輪より、チョーカーとかの方がっぽくない?あーし達。」

段階がすっ飛んで行って、照れ&ジョークと理解した上でのっかった。
こっちもニマニマ笑いだ。冗談で返している。
二人でラブ漫才でもやっているような空気感だった。

リリィ >   
「パパ上に連絡しておきます! フィアンセ連れてくから博士号宜しくなって!」

辺境伯(パパ上)、無事困惑する模様。
『婚約者ぁ!? え!? 結納式!? ん!? 博士、えぇー!?』と。
二人のノリにはついてこれないご様子。
余りに周波数が合致しすぎて付いてこれる人なんか少数だろうけれども。

「色仕掛けで単位総浚いできそうなのに普通に頭宜しいとは……くっ。天才め!」

王国流ジョークに、んはははは! とまた大笑いするわ手をぱんぱん叩くわで受けて、
涙は出ていないけど目尻を指で拭う仕草をしつつも時々もぐもぐもぐと別方向でも口は動く。
シェアしてもらったトロピカルジュース以降追加注文がなくなればガンガン減る机の上。
乙女の嗜み袋(マジカル胃袋)のマジカルっぷりを遺憾なく発揮していき、もう、残り僅か。

「私は丸くならない代わりにいつも食べてないとあっちゅう間に痩せちゃうんだぁ。
 燃費? がものすっっっっごく悪いの。エネルギー消費? ていうのが凄いらしくてねー。
 塩分とかタンパク質とか糖分とかまぁ色々要るわ要るわ。
 でもマカたんのお気遣いもあってだいぶマシ、ハッピー、オッケー!
 この幸せな気持ちもシェアしたいので後でぎゅうして進ぜよう、ふふふ、このもふもふは癖になるぞぅ」

頭の天辺から爪先までモフモフふわふわである。頭は真白な毛髪で、顔から首から手から足から真白な毛皮で、もっふもふのふわっふわ。
ちょっと先払い、とか何とかいってトロピカルジュースの冷たいグラスで濡れた肉球をちゃんと拭いてから手の甲あたりを向けて、頬を挟むように手を伸ばし、触れられるならその質感をたっぷりと感じられる事だろう。

「あ、それ面白そう。してみよっか、とっかえっこ! じゃーぁー……
 ここ出たらお揃いの、チョーカー? いいね! チョーカー買って二人でゆっくり出来るとこでしっぽりしよう」

ジョークもがっつりノっかってくれるものだから悪ノリがつい止まらない。
照れ臭そうにも垂れた耳がぴんぴんと跳ねさせたり、そのウサ耳の裏側にあるピンク色が赤くなったり、しつつも、誤解を生むというか誤解しか産まないような事口走っている。二人して大きな声で喋っているから聞くつもりがないけど耳に入る聴衆たちはそろそろ解読を諦めていそうだ。

マカナ > 恐らく、リリィ×マカナ被害者の会筆頭に上がるのはリリィのパパ上、間違いない。

「ほら、結構コツを考えれば別にそこまで難しく考えなくても何とかなるんさ~。
もし、リリたんが苦手あったら勉強見てあげるのもおけー。」

大笑いにちょっとだけマジレス返すけど、それはそれ。
もちろん次からはまた元のテンションに戻る。
押さえる所は押さえて、走る所は走る。メリハリ大事。

「あー、そういう系なんだ。
それならたっぷり食べるのも納得だわ~。
そういう意味ではうらやましくもあるかな。
美味しいものをとにかくたっぷり食べられるもんね。

ただ、食べられないとやせてっちゃうのはちょっと心配。
なのであーしの前でも全く気にせず食べまくっちゃうのだ!」

状況が理解できれば大食い肯定。むしろ推奨。
美味しいもの食べまくれるのはうらやましくても、その先はうらやむべきものではないと理解。
だからと言って悲壮感は全くなし。
だって当人が気にせず話しているのだから、こっちがそうなるのは逆に失礼だ。

「おほ!わーかーるー!りりたんのモフは絶対癖になる。
いえーい!これは後でのぎゅうが楽しみだ~!」

これはとっても役得である。
ウサギ、犬、猫。この辺りのモフモフは至福。
その至福を等身大で受けられるだなんて、どんな天国なのだろう。
ちょっとだけお試しとばかりにモフられて、ふにゃぁ、とちょっととろける表情。

「もち!ギャルウサギ、絶対アガるよ!
おけおけ。買い物して、2人でゆっくりできる場所行って、服のとっかえっこ……
……なんか、しない気がしてきた。でも、それでもおっけー!」

ゆっくりで、しっぽり。
そのキーワードが出たことで、多分脱いだらその先は……そうなるのだろう。
そんな予測をしたものの、気にせずOKを出す。
マカナも基本的には好色だ。
ならば、臆する理由もない。

程なくリリィの食事が無くなったのを確認してからひょいっと立ち上がり

「ほんじゃ、リリたん、この後はデート!いくぜ~!」

そんな言葉を向けて手を差し出す。
支払いはそれぞれキッチリした後で、手をつないでこのまま夕方から夜の街へと消えていくのだろう。
その先に何があったのかは、2人だけの秘密。

リリィ >  
「マカたん先生宜しくお願いします!」

身体を動かすのは得意でも頭を働かせるのは幾分不得手な兎。
お勉強見て貰えるともなれば両手を机に額も机にべったり平服。
芝居掛かった言動よくよくあるがこれは真面目にしっかり平服。

「そー。そーゆー系ー。おいしーものいーっぱい食べれるのが良いとこだけど一日絶食なんかしたら割と真面目に餓死見える系ー。
 優しさでもお腹ちょっと膨れるんだなって思いました、まる。ありがとねー? あ、でも、ほんと気持ち悪くなるようだったら言ってね!」

やったー! とご了承頂いて頭も手も今度は天高く振り上がるが、それはそれ、マカナが胸焼けしている真横で食うのも気が引けるから配慮も少々。
机の上にどっっっっちゃりと積もった食料すっぽり収めきって尚ほとんど外見上膨らんでないお腹を叩く。

「知っておられるかね? マカたん!
 好きな人に対して動物のもふは……より、もふになるのだと……! 今味わっているもふは普段より尚もふなのだ!」

そんな事象が実際あるのかは兎も角この兎の毛はそういう不思議物質らしい。
毛布みたいな厚手でありつつ微細な毛羽立ちがさらりふわふわもっふもふ。
彼女のほっぺを全部包んで刷り寄れば、あれだけ手づかみで物掴んでても食べ物の匂いはなくてお日様の匂い。
ふにゃふにゃに蕩けている笑顔に、んむふふふふっ、とか得意げなのと可笑しそうなの半々ぐらいの割合の笑みを零し、

「ふ。ギャル界の覇権、ついに制する時が来た……! ギャルウサ二人で天下取ろー! いぇー!」

ギャルスタイルがバチッとキマっている彼女がコスプレした時の愛らしさは、かなりの層にウケる。カチッとスタイルそのものは崩していない兎があえて着崩した様相もまた違う層にウケる。確信。もはや取れるに違いないと思われる未来予想図にそれはもう大はしゃぎしているが、いざ、服の取っ替えとなった時……ゆっくりでしっぽり、の件、この今ははしゃぎ過ぎてて気にしちゃいないが後には気になったら、もう、彼女も乗り気だったら、もう、別の意味で止まらなくなる事も間違いない。

「おーう、いくぜー!」

色んな意味で仲良くなる事必至のデートに、仲良く手をもふり包んで、繰り出した。
どこをどう仲良くし合ったかは、さて、聴衆が想像するよりも尚濃密なのだろうが……
そう、緻密は二人だけの秘密――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からマカナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からリリィさんが去りました。