2025/03/04 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にミューアさんが現れました。
ミューア > 「失礼します。こちらにナルラート朝時代の遺跡について記された論文が入荷したと窺ったのですが……」

ドアベルを鳴らして入ってきたのは、まだ年端もいかない少女
けれどその物腰は、見た目の年齢よりも楚々と大人びしており。
少なくとも、平民地区の店に気軽に来るような身分ではないとは知れるだろう。

店主というには年若い少年にも丁寧な言葉遣いで、お目当ての書籍の在処を尋ねる。
過去に散逸した貴重な論文――その断片が見つかったとか何とか。
そんな噂話を学院で耳にして、真偽を確かめるには直接赴いたほうが速いと足を運んだ次第で。

ラリー > ドアの向こうから姿を表したのは少年よりも年下であろう少女。
その幼い外見に反してしっかりとした立ち居振る舞い、そして何より明確な目的があるらしい
その表情をじっと見ながら、少年は手元の本をパタン、と閉じた。

「…いらっしゃいませ。…遺跡の論文、ですか…少々お待ちください」

用件を告げられ、少年もまた年下だからとくだけたりはせず、店員としての口調で応対する。
少し思案するような仕草を見せてからゆっくりと椅子から立ち上がり、一旦店の奥へと姿を消して。
やがて戻ってくれば、手にした一冊の本を掲げ。

「…おそらくはこちらかと思われますが…少々状態が悪く、売り物として並べるまでには
いくらか時間を要しますが…ご覧になるだけなら今も可能です」

そう告げてカウンター上にそれを置き、差し出すように相手側にす、とずらして。
相手の反応を伺うように、表情らしい表情のない顔をじっと向けて。

ミューア > 半信半疑というか、ほぼただの噂だと疑ってかかっていたのだけれど。
まさか本当に出てくるとは思わずに、驚き半分、嬉しさ半分といった表情を浮かべ。
そわそわとカウンターの前で待っていると、やがて店員が一冊の本を手に戻ってくる。

「そちらが……?
 拝見してもよろしいのでしたら、ぜひ。」

今となっては、一冊とさえ残っていない彼の王朝時代の書籍。
そのものではないにしても、その時代のことに言及した貴重な資料だ。
本来ならば、アカデミーの書庫に厳重に納められる代物で、お目に掛かれるだけでも、幸運というもの。

いそいそとカウンターの方へと近寄って、その古びたページへと視線を向ける。
書かれている文字は、確かに旧時代のもの。
内容をざっと流し読みする様子は、古い文字を読むのに慣れているといった風で。

ラリー > 「…ええ。お求めのものかどうか、お客様自身の目でご確認頂ければと…」

売る側がその価値を知らないまま、雑多な古書の一つとしてこうしたレア物が流れてくることは
極めて稀ではあるがなくはない。この一冊もそうした経緯でこの古書店にやってきた代物だった。
カウンターに近づき本を開く少女を、少年は棒立ちしながら見守っていて。

「…不躾な質問で申し訳ありませんが。お客様はこの本がこの店に入った、というのをどちらでお知りに…?
ご来店頂いたときの様子を見るに、事前に当たりをつけていたようでしたが…」

不意に、そんな質問を投げかける。
顔を上げれば、変わらず無表情の少年と目が合うだろう。

ミューア > 古い文字に目を通していると、不意に問いかけられる。
いったん、読むのを中断して、視線を本から離して顔を上げる。

「はい、学院の――教授の研究室で。
 といっても、噂話程度のものでしたので、核心はなかったのですけれど……」

教授の中でも古書蒐集家とも言える御仁
専攻は考古学とは異なるものの、希少な古書であるなら、ジャンルを問わず集めているような教授だ。
だからこそ、平民地区での古書店での仕入れ情報も手に入ったわけなのだけれど。
とはいえ、場合によっては、既に教授の買取予約が入っているのかもしれないが。
ふと、そんな考えに至れば、窺うような視線を相手に向け。

「もしかして既に買い手が付いているとか……でしょうか?」

それならそれで仕方がない。
誰が買うのかくらいは聞き出したいところではあるけれど、顧客情報を易々とは教えてくれないだろう。
何事も引き際が大事と、そのときは大人しく引き下がるつもりで。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からミューアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 路地裏」にリュシエルさんが現れました。
リュシエル > 「ふんふんふ~ん」

短めの金のツインテールを揺らしながら
夕過ぎの薄暗い路地裏を女装少年は歩いている。
これぐらいの時間にこんな場所をほっつき歩くのが彼の趣味だった。
より正確に言えば、迷い込んだ誰かや、因縁をつけてくるチンピラに魔法をかけて“かわいく”することが。

「あ~っ、猫ちゃんだ、きゃわい~」

隅っこで丸くなっている猫を見つけてしゃがみ込む。
ウルルル……と威嚇されている。
動物には好かれない模様。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 路地裏」からリュシエルさんが去りました。