2025/02/16 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロスクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にコンゴクさんが現れました。
コンゴク > かんかんかん。石畳に舗装された路面を下駄の歯が甲高く踏み鳴らす。
腿を確り持ち上げる大股闊歩。周囲に入り乱れる雑踏の大海を恐れず掻き分ける。
周囲には布や木板の庇をつけた即席の店構えが幾つも在る。此処には商業権を得た商人達が市を催しているのだ。

「主人。そこの果物をおくれ」

立ち止まる。目立つ為に木箱一杯に山盛りに展示されている果実を買い付ける。
じゃらじゃら金銭のやり取りを経て一個受け取る。

「主人。蜂蜜酒をおくれ。この升一杯で頼みたい。そこの肉桂の粉末も」

立ち止まる。大樽を持ち込んで来て直接に売られている酒の蛇口から酒を買い付ける。
容器は自分自身の持ち込んだ檜の升だ。重さを丁寧に計り、それに見合った金を支払う。

コンゴク > 「それと、それと、後、アレも、コレも!」

豪勢な買い物。荷車や馬車も無ければ荷物持ちの同伴も無いというのに。
しかし心配は無用。装束に巻かれている帯紐が枝分かれに端が拡がり、与えられる荷物の一つ一つに巻き付いて支える。
目を細めなければ見えない絹糸の細さだけでも百人力だ。
御蔭で物凄い買い物荷物を抱え込む事が可能であり、そしてその小柄さ故に傍目からは荷物に埋もれるかのようになっている。

「豊かなり。辺境の村では金が在っても使い道が無きに等しいからのう~。石や煉瓦で風や水の通り道は塞がれておるが、俗世に浴するならばやはり都会の人里」

ほくほくの笑顔。道端に設備されているベンチの前に辿り着く。
運んでいる荷の数々を草臥れた椅子板上にへと搭載。載せ上げる。左右其々のスペースに出来上がっていく小山。

コンゴク > 「よっ、と」

最後に自分自身がそのど真ん中に乗り上がって座り込む。ベンチスペースを一杯に利用して背もたれに背中を預けた。
髪房を自分の体重で潰してしまわないように括った根本を手で持ち上げて向こう側に垂らす。
長い髪の房が尻尾のように床石に触れる寸前でゆらゆら揺れる。何度も盛んに身じろぎをしているから。
両足を前に放り出す。ちびっさい全体の骨格故に足は中空に放り投げられ、下駄の長い歯も地面に着く事は出来ない。

「山林を歩き回るのと。街中を歩き回るのでは大分違うのぅ、山や川の方が険しい筈なんじゃが…これが気疲れって奴かの?」

ブランコに乗っているみたいにスカートから伸びている両足を屈伸、ぐいぐい。
若干露出している首回りに手を当ててこきこきと左右に鳴らす。
ゆったりと其の場に寛ぎ、果実と蜂蜜酒を御供にして交通路を行き来する街人の営みをともなしに眺む――。

コンゴク > 果皮を器用に歯と口先だけで剥いて果肉を噛む。果汁がたっぷり。
肉桂の粉が浮かんでいる升の蜂蜜酒を口もとに寄せて軽く呷るように啜る。

「あまい」

買い付けた品々だけではない。
周辺で生活をしている人間達から漏れ出る苦労、疲弊。
ポジティブに相反するそういった概念も一緒に咀嚼する。

「人の多い場所はやはり良い。五臓六腑に染みわたるとはこの事也」

機嫌良く目が細くなる。だらーと弛緩する五体を椅子に委ねる。
酒の肴に漂う感情を摘まんでは摂食する、というよりも吸食するかのようだ。
気化した麻薬を吸ってキマッてるみたいな顔付。

コンゴク > 自堕落気侭に過ごしている内に配備された品々が大分減った。多くは食料品や飲用品。
残り物の日用的に扱う雑貨の類を文句一つ言わない優秀な従者に任せる。
帯紐の蛇が軽々と纏まったそれらを担ぎ上げた。

「飽ひた。次に行こうか。物珍しさで氾濫しておる。暫し退屈より縁遠い事には間違いも無い」

その束ねられた紐の一部をいたわるかのように手で撫でつけ、飛び降りるように地に立つ。
浮足立った足運び。からん、からん、と、足場を蹴っ飛ばすようにして歩き出す影引きは、そのまま市場の区画の外にへと出て行った。
疾風一陣引き連れ何処へともなく、奔放闊達。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からコンゴクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキールさんが現れました。
キール > 昼下がりの平民地区をぶらぶらと歩く巨躯の大男。
着崩したスーツから香るのはそこはかとない暴力と危険な香り。

さてもさて、特に目的も無く平民地区をぶらついているわけではあるが、昼下がりの穏やかな陽気。
自然と小腹もすいて、屋台でにぎわう一角に。

鼻を擽るのは肉の焼ける香ばしい匂いやら、小麦系の食べ物から香るほのかに甘い匂い。

どんなものがあるかと男は覗き込みながらゆったりと歩いている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にノア = セシルさんが現れました。
キール > 適当なたれをつけて香ばしく焼いた肉串を手にした男。
賑わう屋台、他に何かを買うかと未だにぶらぶらしている。

長身とその体格故に頭二つほど抜き出ていて、かなり目立つが本人はさほど気にしておらず。
本人としては、前まで行かなくても見下ろせるは楽なものである。

ノア = セシル > 『 ノアだ! 』『 ノア! 』

賑わう人混みの中、まだ年端もいかぬ兄弟に声を掛けられ脚を止める。近所で小さな飲食店を営む夫婦の子で、親の仕事をよく手伝う見知りの兄弟。何度か通う内、呼び捨てにされる程やけに懐かれてしまった。

「 ノア “さん” ね。それで、何してるの。叱られて追い出された ? 」

生意気だと釘をさしつつ、そうではないとわかっていながら軽口を付け足す。子供は扱い方がわからない為に得意じゃない、けれど、嫌いでもない。理由を聞くと屋台を任されているようで、売れ行きは…… お世辞にも良いとは言えない様子。山積みになったドーナツを背景に、潤んだ瞳で訴えてくるものだから ──

『 ありがとう! 』『 ありがとうノア! 』

─── 到底食べきれない程のドーナツを、つい購入してしまった。紙袋に入った其れを両手で抱え、視界も悪そうに歩いていると… ぽすん、と大きな胸板にぶつかった。いつかにも見たような衝突。

キール > ふと男の耳に聞こえた子供の声。
喧騒の中でもよく通るそれにちらりと視線を向ければ何やら見知った相手で。

ふむとそちらに歩み寄り近づいた所で紙袋を抱えてきた相手が再び男の胸板に飛び込んでくる。
相手にケガをさせぬように串を持つ手は軽く挙げ、左手で飛び込んできた相手の腰をキャッチ。

抱えて見れば二人の間のドーナッツから立ち上る甘い香りに鼻を鳴らし。

「また俺の胸に飛び込んできたのか。」

等と笑いながら甘いドーナッツの匂いを嗅ぐ様にくんくんと鼻を鳴らしながら軽く下を眺めながら顔を頭に近づけ。

「今日も随分と美味そうな匂いだ。」

等と相手だけに聞こえるように耳元で囁きかけた。

ノア = セシル > 大した衝撃もなく受け止められ、見上げれば其処には あの夜女を救った恩人の顔。今度は昼下がり、女の装いも隠れ忍ぶようなものではない。人並みの中抱き合うように立ち止まるには、貴方の長身は一際目立って

「 キール、っ……… 」
『 ノアが男と抱き合ってる! 』『 おとこ! 』

身体を屈め囁く貴方に、何かを口にしかけた女の声は… 怖いもの知らずな兄弟の冷やかしによって掻き消され

「 押し売られたって言いつけるわよ。 」

そんな兄弟へ 意地の悪い顔を作って返すと、二人はさっさと逃げていって。再び貴方へと視線戻せば、聞きたかったことを… 女にしては遠慮がちに訊ねた。

「 甘い物……… 食べれる、 ? 」

キール > 男の巨躯からとったらその四分の一にも満たないかもしれない相手から与えられる衝撃などとても軽いもので。

男の名前を呟いたところで揶揄う様な冷やかしを上げる兄弟に男はどこか悪戯っぽくもにっと笑いかければノアの言葉に逃げる兄弟を楽し気に見送り。

「食べられるが、さて、ドーナッツだけではな。 少々もの足りない」

遠慮がちに訪ねてくる相手を見下ろしながら男は囁きかけて。
太陽の光を受けて光る金の瞳を見詰めながら、腰に回した手に軽く力を込めて男の熱を伝える。

ノア = セシル > 今まさに二人に挟まれた大量のドーナツだけでは物足りない、と… 含ませた言い方と、強まる抱擁。勿論、其の意味に気付いていない訳ではないけれど

「 あのね、渡したいモノがあるの。 」

食べられると聞いて、遠慮がちだった表情は ぱぁと目を輝かせ。白い指先で摘んだスーツの襟元を、くいくい と軽く引いて揺らした。

貴方が離すまで抵抗はせず、誘いに乗ってくれたなら 其の腕に腕を絡ませて歩きだそうか。行先は、以前 全く違う形で招いた女の自宅。不思議と人が避け、其の帰り道は 屋台で賑わう通りも珍しく歩きやすかった とか。

キール > 「ふむ? プレゼントか。 楽しみにしている。」

等と答えながらぱぁっと華やいだ表情を見せる相手を見詰めながら頬にあいさつ代わりの口づけを落としてから、未だ手の中に有った串を一つ歯で挟み引き抜いてから食べ。

ノアにも食べるかと問いかけながら相手が腕を絡ませ歩き始めれば男は相手の家の方に向かって歩き始める。
案内されながらも既に知っている場所ゆえに二人の脚は迷いなく進んでいく。

ちなみに大半の者は男の大きな姿に怯え、横にいる女に気づけば見つめて来れば男のさりげない目配せですごすごと去っていくものが多かったとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からノア = セシルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からキールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
ラリー > 平民地区内のその小さな古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるために出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。

この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。
獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。

なお主な客層は通常の書店では見つからないような商品を求めるマニアックな本好きか、
遠方の客との本のやり取りの依頼を受けた冒険者あたりとなる。
少年の修理の腕はそれなりに定評があるため、そうした依頼もぼちぼちやってくる。

「…ん」

そうしていれば来客を告げるドアベルの音が響いて、少年はゆっくり本から顔を上げ
珍しく現れた客の姿を視界に入れた。
さてその客は少年の獲物になりうるような者なのか、それともなんでもない一般客か…。