2025/02/09 のログ
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ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にテンドンさんが現れました。
テンドン > カフェに居る。それなりに賑わっている御店だ。
店内にはカンテラの灯火が温かく満ち満ちていた。
珈琲や紅茶、簡単な軽食や甘いものが配膳される場所となっている。
そこで夜の暗がりを僅かばかりに払拭する暖気と灯りを挟み込んで、
穏やかな憩いの一時を過ごしている人々が店の彼処に窺われていた。

ボクはそういった世間話や話題に花開いているゾーンから少し離れた場所に陣取っている。
窓際のお一人様やお二人様ぐらいの小さな木造の椅子にテーブルの席だ。
お皿の上には皮が破けているベイクドポテトとパセリの混ざったバターが大盛り。
その湯気に香る芳しさを味わいながら、手元には書類を拡げてうんうん唸り続けていた。

「税金ってなんで世の中にあるんだろうね」

ぶつぶつ呟く言葉は消え入るばかり。
必要な申請書の難しさに辟易しながらも、インクにつけたペンでちょっとずつ攻略していく。
あたかもダンジョンのような難解さ。文字で出来ている。余の中の税の専門家はこのリドルに日々当たってるんだなあ、偉いなあ、という顔をしながら。
急激に消費されていく脳の栄養を補給するために、時々目の前の炭水化物と脂質の塊をフォークでぶっさして口の中に運んでいる。

テンドン > 「あー、だめだめだめだめ!オツムが噴火する!!!煮え滾る!マグマ同然!!」

眉間の皺が凝り固まった後戻りできなくなる寸前にサッと書類を横に払う休憩。
本来は暖かくないと余り飲めたもんじゃない冷え切った紅茶も、湯気の出ている脳細胞への冷却材としての用途には事足りる。
ティーカップに持ち手に下品指を突っ込み(富裕区画の人にはまあ!それってマナー違反だわ!!って時々言われる)。
ぐったりと椅子の背もたれに体重をかけて寄り掛かった。
吐き出す息遣いが青色溜息、真っ直ぐ垂直の置き方から斜めった椅子を直ぐ真後ろの壁に押し付け。
ぱたぱたと空中に浮き放っている形となっている両足をぱたぱた上下。

「体を動かして終わりー、だけなら単純明快で簡単なのにね。同じ動かすでも頭はこうも……使ってるのは頭だけなんで肩凝るんだろう。人体って不思議」

テンドン > 「っっしょ……っ……」

体を前後させる軽いバネを借り、ぱたんとまた椅子をニュートラルの姿勢に戻した。
突っ伏しておっぱいをテーブルの板面に思い切りくっつけるとくっそ冷たいので、肘を立てて回避しつつ卓上に頬肘をつく。
そしてまた明後日に放棄していた書類を引っ張り寄せて、また睨み合わないといけない。

「めんどくさ…寝てる間に小人さんが片付けてくれたらいいのに。靴屋だけ贔屓じゃないのかな?」

どんなにボヤいていても、この書類を一段落させないとボクは帰ってぐっすり眠れないのだ。残酷な運命。

テンドン > 「………よし」

やっと或る程度書き終わった。
書類を畳んで鞄の中に丁寧に入れる。
残りの紅茶を呷り、残り物を急いで平らげるのだ。

「寝よ……」

眠い目をしばたかせながら会計を済ませ、ボクはカフェを出て行く。
お布団がボクを呼んでいるからだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からテンドンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 街角でタップを踏んで踵鳴る。
軽快な足さばきの割には、浮かない顔で足を鳴らして。
夜の街灯の下で誰が聞いているわけでもない。
何かの練習のように足で床を叩き続け。

時折、休憩をして煙草を吹かして灰を風に攫われて。

グスタフ > ベンチに腰掛けながらも、時折足を踏み続けて。
鉄板仕込んだ足靴が路地に足音を響かせるが、風に消えて遠くへは届かない。

たまに足を擦るような音も交えて音は続く。
それはタップダンスの練習のようで、不確かなメッセージを伝えている。