2024/12/29 のログ
ご案内：「王都マグメール 平民地区・酒場」にクローネさんが現れました。
■クローネ >
「ってぇワケでぇ、聞いてる？ マスター」
夕暮れ時の冒険者酒場。
カウンター席に陣取ってタンブラーを煽りながらくだを巻く女が一人。
泥酔、といった程ではないが頬に朱が差し眼が据わっているほどには飲んでいた。
元々目つきが悪い？と言われればまぁその通り。
女が来店して一時間程、女がなんの話をしていたかといえば
いかに、この国の金持ちの男のレベルが低いかということ
冒険者の男も軒並み大したことがない、ただの体力自慢ばかり
この酒場にやってくるヤツで自分に挑もうとする気概のあるヤツがいない
…と、並べればただの女の自分本位な話を永遠にされ続けているのだ。
言い換えれば女に男を見る目がなく、既に悪評が知れ渡っているビッチなためにロクな相手がいないだけなのだが。
その上、女が飲んでいる酒もツケとくれば、大変気の毒である。
ご案内：「王都マグメール 平民地区・酒場」にクレイさんが現れました。
■クレイ > そんな会話の中扉を開いて入り込む男がいる。冒険者ではないとひと目でわかるだろう。
足運び、目線の切り方。全てが対人戦を意識した動き。それは明らかに傭兵の物。
そんな男は会話に割り込む形でカウンターにやってくる。
「話中失礼するぜ、マスター。年末の徴収の時間だ」
ほらこれさっさと払うと書類をマスターに押し付けに行く。チラと見えるその書類には４桁や５桁の請求がツラツラと書かれている事が見て取れるだろう。
しかし彼女の悪評もあるのだろう。マスターは動くに動けず目線が男と女を行ったり来たり。溜息を吐いて。
「マスター。酒２つ。俺とこっちに１杯」
マスターの逃げ道を用意してやって隣にそのまま座った。
マスターはそれ幸いにと奥へ行く。面目上は男に依頼された仕事をこなす為に。
「ってわけで、悪いがマスターには仕事に戻ってもらうぜ。代わりといっちゃなんだが話し相手位俺がやってやるよ・その割にはもうだいぶ出来上がってるみたいだが」
■クローネ >
太陽が傾き、冒険者酒場は当日の仕事を終えた者達で賑々しくなってくる。
そんな中、その屈強に見える男は扉を開けやってくる。
男自身と、自分の前に置かれる酒を注文した男はどっかり隣に腰を降ろす。
「なぁに、奢ってくれんの？ ラッキー。えーと……」
注がれた酒をさっそく手に口元に運びながら、
ゆったりと脚を組み上げながら椅子の上でくるりと身体をそちらへ向ければ、どこか男を値踏みするような女のあからさまな視線。
共に冒険者、顔くらいは知っているし、もしかしたらどっかで一緒に仕事になったかもしれない、が。
基本的に人の顔も覚えない女はぱっと男の名前がでてこない。
「ん…出来上がってるって？
こんなの酔ってるうちに入んないってぇ。
っても、愚痴は大体吐いちゃったからねー」
頬が赤らんではいるが、酒乱という程でもなく、程よく酔っている。
マスターにとっては天の助け、面倒な客の相手も仕事のうちとはいえ気の毒なことだ。
■クレイ >
「話し相手を取り上げる形になるからな。その代金だ」
１杯以上は奢らねぇぞと言いながら自分も酒を飲み進める。
しかし目線に気がついてハッと笑って。
「なんだ、依頼でもしてぇのか？」
なんて冗談を交えて横目で見る事だろう。
さて、値踏みをするのなら衣類で隠れてはいるが、それでも腕の先、首元等は隠しきれない。
見かけだけなら痩躯。だが、徹底的に鍛えているとわかるだろう。
「ああ、なら話を切るタイミングとしちゃ丁度良かったわけだ」
違う話が始まるタイミングならば不味かったと。
■クローネ >
「依頼する金あったらツケで飲んでないかなー。
羽振り良さそうじゃん。なんかいい仕事でもあった？」
思い出した。
貧乏人の依頼なら端金でも受ける、変わったヤツ。
その理由が彼の出自にあるなどといったような理由は知らぬ故、己と真逆の精神性の持ち主として認識していた。
奢ってもらった酒を遠慮なく煽る様はあけすけな女そのものである。
細っこいけど結構イイカラダしてんなー、なんて思いながら。
話を切ってよいタイミングだったのか否か、それは兎も角として女はさして細かいことを気にしないタイプであった。
■クレイ >
「んだよツケかよ。やめてやれよここのマスター金無くなるんだから」
俺がぶんどるからなんて笑った。
仕事の話題となればニヤリと笑う。
「まぁな、年末は仕事したがらない奴が多いからな。代わりに戦場に出たり、冒険者の宿の受け手のいない依頼を掃除してやったりってな。１月いっぱい遊んでもおつりが出るレベルには稼いだ」
ここもそんな形でターゲットにした宿のひとつ。受け手がいないのに大量に仕事を取った結果処理しきれずこの男にむしり取られた哀れな店のひとつである。
「で、ここの金を回収したらとりあえず今年は仕事納めって訳だ。お前さんは？」
なんて目線をそちらに傾ける。
飲んでいる以上向こうも今日の仕事は終わりなんだろうが。
■クローネ >
「この時期の仕事ってワリに合わないのが多いしねー。
テキトーなのがなけりゃアタシも今日で仕事納めでいっかなー」
このまま朝まで飲む？
なんてクスクス笑みを零しながら。
「ツケはまぁそのうち払うからいーんだって。
どーせ裏でなんか汚い稼ぎ方してんだから」
この王国で商売をやっている人間なんて裏があって然りだ。
よくない信頼ではあるが、利用する側も利用する側でスレたものである。
「あとはイイ男が釣れればくらいだけど最近フチャチン野郎ばっかりで男日照りだわ。まったく」