2024/10/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にラヴィニアさんが現れました。
■ラヴィニア > 王都マグメール平民地区裏通り。
昨夜の曇天とはうって変わって月が輝き星が瞬く夜である。
大通りは騒がしく、人々は思い思いの相手と楽しそうに夜を楽しんでいるが、ここはそれとは正反対な薄暗い路地である。
少し大通りに視線を向ければそんな人々が行き交う姿が見え、ここにいる小柄な人影はどこか羨望に似た眼差しを送り向けていた。
路地裏とは少し違う裏通り。
全く人々が利用した路地ではなく、近道なのか隠れた露店を探しているのか、時々人とすれ違うそんな通りで、壁に寄りかかり、ぼーっと空をあるいは大通りを眺めている。
何を、どうしていいのか、いくら考えてもわからない。
考えれば考えるほどに考えてはいけないと言わんばかりに、お腹がなるどうしようもない状況に、それでも、どうしたものか?とぼんやりと考えながら、時々鳴るお腹にポケットから硬貨を取り出して、口に放り込んで咀嚼して空腹を紛らわせていた。
どこかに行かなくてはならない。
どこかで誰かと話さなくてはならない。
でもどこへ、でもだれと。
その為に王都に来ているのだとはわかるのだけど。
頭の中には「?」マークがいっぱいで、頭上にもピンッとうかびそうな勢いである。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にライブラさんが現れました。
■ライブラ > ほとんどをフィールドワークに費やしているためか逆に王都のような人がたむろする様な場所には疲労を感じやすく、だからと言って糧秣などの物資の補給を疎かにするわけにもいかず、せめて人並みからは外れて心の休息を得ようと裏通りを進む
補充するものは補充を終えたので今夜の寝床とする安宿を探し、夕食代わりに露店で買った肉を挟んだパンを齧りながら裏路地を進む。
裏路地を進んでいると前方でふと空を見上げている子供の姿に孤児かと思い、そのまま取り過ぎようとした瞬間感じた王都には不似合いな潮の香。
よく嗅ぎ慣れた海とそこに住まう者達が発する独特の匂いに足を止め、メガネの奥から興味深そうに少年を覗きこめば一言
「…⁉、ふむふむふむ、こんな場所でお目にかかるとは実に興味深い。こんなところでどうしたのかな、少年?」
人懐っこい笑顔を浮かべて問いかける女はオモチャを貰った子供のように明るく、しかしその言葉には表だけの意味以外に彼の本質を知ったような意味も含まれているだろうか
■ラヴィニア > ――…声をかけられてから返答までたっぷりと5分。
何故なら自分が話しかけられるとは想定外で、フードの奥に隠している貌を覗き込まれて、それに気が付いて初めて自分が声をかけられたのだと気が付いた。
声を発するのはそれから、なので話しかけられて返答すまで大体ざっくりと5分程度かかった後に、声よりなにより相手の人懐っこい顔に、がくんっ、と大げさなくらいに首を傾げてから、のどを震わせ声を発する。
その吐息は潮風に似た匂いが混ざり、発する声色は見た目と同じ中性的な高さのものである。
「…ドコ、カ、に、行こうと思ッテ。
イカなきゃ、ナラナイんだ。
お話、ヲ、しないト…………。」
人懐っこい笑顔に対して向けた顔は無表情に近しい。
それと小さな口を動かしてはいるが、口の動きと音はズレるし、声を発し終えたタイミングでバサっと被っているフードが外れるまである。
そうすれば無表情な顔はハッキリと夜空のもとに。
口と声のズレはより明瞭に。
そして潮の香りはよりハッキリと。
そして黒真珠のような瞳はじぃと相手の眼鏡越しの瞳を見つめる、そこに感情など欠片もない。
■ライブラ > 応答があるまでの時間、常人であれば呆れ果てる時間であるが女には観察するのには足りない位だ。
フードの奥から垣間見えるのは異質な瞳、色素の薄い肌と髪、そして磯の香、間違いない海魔に属する者に多く見える要素に笑みが浮かぶのを抑えきれない・
「どこか?なるほど、少年、キミは誰か人を探しているのか?困っているなら、私が手を貸そうではないか。
その見返りと言っては何だが、キミのことをもっと教えてはくれないか?」
フードから姿を現した姿に怖気突くことも気味悪く思うことするもなく、むしろその姿に歓喜の溜息すらも零してしまう程で、陸地にわざわざ来てまで会って話したいという彼の目的に興味が尽きない。
わざわざ属するテリトリーを超えてまで行う行動など中々お目にかかれない事象だ
そこまでしたいということはそれだけ重要
その生態の根幹にかかわる可能性も大いにあり、心が躍らないわけがない
■ラヴィニア > 誰か人を探しているのか、YES
困っているか、YES
王都まで弱体化し幼さの残る人間の姿になってまで、
やらなければならない事があったはずだ。
だから未だに王都から逃げずに、こうして此処にいる。
忘れるところであった。
傾げるというには大げさなくらいに曲げた首をガクンッと戻し、それから自分の頬を摘まんで左右にぐにと引っ張る。
相手が笑顔を見せたのであれば笑顔で返礼しなければなるまい。
「あり、ガ、とう?」
あとはお礼の言葉を。
ほほを引っ張ったままであるが、発音は確りと正しく。
声自体は人間にまねた声帯から出しているが、人間ではないのでそうしなくても、それらしい声は出る。
でも、大事なのは笑顔やお礼だけではなく果たすべき目的。
昨日まで、一昨日まで、果ては1週間前まではハッキリと覚えていた目的地は今や朧気にしか思い浮かばず、ドコに行って何をすべきだったか、考えても、考えても、深く考えようとすると、その分だけ強く本能に上書きされてしまうのだ。
「なに、ヲ、教え、タラいい?
いきたい、場所、すべき、コト、わからないノニ。
ドコカ、ダレか、話さなイト、場所?ナマエ?」
考えがまとまらず、教えてくれないか、と問われた言葉に辛うじて浮かんだ自分のことは名前だけ。
「ラ、らびニ、ア。
なまえ、らビにあ」
■ライブラ > 他の通行人が怪訝そうな視線を送る少年の笑顔にお安い御用だと笑みを返す女。
「なにこちらこそ、キミとの出会いに感謝しなければな。
ふむ、思い出せないのか?テリトリー外に出たための減衰か…
ワタシへの見返りはキミの用が済んでからかまわんよ
ラビ、ニア?ラヴィニアか、ワタシはライブラだ」
腰のベルトから小瓶を選んで手に取ればコルクを取ってからにそれを差し出し、小瓶の中身は淡い青色の液体が揺れていて。
小瓶の中身は自作の強壮薬ではあるが希釈に使用している材料を除いては市場で流通しているものと変わない。
人間用ではなく魔物用に調整したそれは魔物の水場などで採取できる魔素を含む水で希釈したもので、これで海から離れたことで弱まった組織をある程度であるが回復できるだろうという考えの元与えようと
毒ではないと自ら一口口に含んで見せ、小瓶を差し出せば彼の思考が僅かでも鮮明さを取り戻すことを期待して。
■ラヴィニア > 笑顔はこれで十分だろうか、ひとまず自分で摘まんで引っ張った頬から指を離して、更に返され向けられた女性の笑みに再び人形のような無表情な顔を向ける。
ら、ライぶ、ら、らいぶら、ライブラ。
口の中でモソモソと教えられた名前を何度か反芻し、王都で初めて他者の名前を覚えると、黒真珠のような視線を相手の視線に合わせようとしたが、吸い寄せられるように、女性の手元へ。
ベルトから小瓶のひとつが外されて、中身は淡く青い液体だろうか、知らない青い液体の入った小瓶を差し出されて、また首を傾げそうになったが、その前に女性自身がそれを一口口に含んで見せたので、飲み物だと判断する。
――…これを飲めということだろうか。
瞳を小瓶へ、ライブラと名乗る女性の顔へ、また小瓶へ、女性の顔へと往復させた後に、一度大きく首を縦に振ると、小瓶を受け取らず、小瓶に口をつけるよりもっと安全な小瓶の中身を得るために、指先も出ないサイズオーバーの外套の袖ごと両腕を両手を伸ばして、はしっ、とライブラの頬を挟むように触れる。
「これヲ、飲むノ?飲むト、どうナルの?
美味しイ?不味イ?辛イ、苦イ?」
真っすぐにライブラの眼鏡越しの瞳を覗き込んで問う。
声色は変わらず中性的で高く抑揚も希薄だが言葉にして問うた後に、べろんっと異様な長さの舌を口から垂らして見せた。
もっとも安全な飲むべきだと思われる液体を摂取する為に。
■ライブラ > 小瓶を受け取らない様子にどうしたと首を傾げるも頬に彼のひんやりとした手が触れ、その行動に彼にとって最も安全性の高い場所の薬は何かに気付けば残りの小瓶の中身を口へと含もうと
「まぁ、糖衣とは言えないが、飲めなくない味は保証しよう。
これを飲めば大切なことを思い出す手助けになるやもな
ふむ、なるほど、ラヴィニアはこちらのほうが安全と見るか、いいだろう
ッんく…」
自らも屈んで身長を合わせるようにすれば彼の両肩に手を置いて顔を寄せ、口付から口移しで強壮の水薬を飲ませようと。
水薬を流し込む隙間を狙いように長い舌が潜り込んでくれば拒むことなく受け入れ、水薬の残滓と唾液を混ぜながら舌を絡ませれように魔物の愛情表現を知ろうと裏通りからさらに分岐した建物と建物の隙間の死角へと彼を引き込んでしまおうと。
隙間には放置された木箱や樽が置かれ、腰を掛けること以外にも通行人から完全な死角となっていることで見かけ子供相手に人目につくと支障があるような行為も誰にも咎められず。
水薬が効果があれば彼がなそうとしていたこともおのずと見えてくるだろうと考え、例えそれが常人に許容されない事であろうともここでは女しか目撃する者はいない