2024/10/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にミタマさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にミタマさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にミシェイルさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からミシェイルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からミタマさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/廃教会」にセカンドさんが現れました。
■セカンド > 「めんどくさ……」
白衣の女は廃教会の庭でぽつりと呟いた。昼間だがこの一帯は静かだ。誰も彼も働きに出ているのだろう。
この地域は狭い三~五階建ての家が立ち並び、階ごとに違う世帯が住む。炊事や入浴設備がない、最低限の家。
姿を見咎められないのは良い事だが、これからの作業が面倒なことに変わりはない。
「即席罠の設置ってそれなりに面倒やねんけどな……知らん奴は『え、簡単でしょ?』とか言うんが腹立つわ~……」
少し離れた草を他の草で隠れるようにして縛る。単純な転倒罠だ。
転んだ先に釘の先端が上を向くようにして打ち付けた廃材を置いておく。他の場所には鋭利な石や煉瓦片を。
細い紐を何か所かに張り巡らせ、触れたなら離れた場所にある鳴子が音を出す仕掛け。昼間なら注視すれば避けられるが、夜間では難しかろう。
「落とし穴は掘るのも戻すのも面倒やしな…………」
所有者だから自由にして良いとはいえど、無関係の人間が塀を上って侵入し、罠にかかることもある。
特に子供にとってはこの廃教会は絶好の遊び場だろう。ざっと見たところ、そんな痕跡はなかったが……。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/廃教会」にジーゴさんが現れました。
■ジーゴ > 「やっべ、ちこく、ちこく」
廃教会の塀の外。小さな気配が近づいてくる。ミレーの脚力を活かして、軽やかに跳ねて塀を軽々乗り越えると、音もほぼなく廃教会の敷地内に着地して、そのまま廃教会を横切るようにしてまた向こう側の塀を乗り越えて出ていくつもりだったが、
「いってぇ。なんなんだよ!」
着地から数歩目で盛大に転ぶ。体重の軽さと勢いも相まって、
地面に転がった。
鳴子も鳴り響いて酷い状態。思わず口から悪態が漏れた。
尖った何かが刺さった手を恐る恐る開いてみる。
その場から転んだまままま動かないのは、痛いからというよりも、まだその場にいる他の気配に気がついていないからだ。
■セカンド > 「……あ?」
声が聞こえた。男のものだが、高い。雇い主ではなさそうだ。
そもそも彼が来るのは夜になってからで、この罠が役立つのもそれからの筈。
巻き込まれる民間人はいないに越したことはない。
声があがった方へと歩いていくと、転んだ人影を認めた。
「ウチの敷地内は遊び場やないで。あー……そのまま、足の方に身体を動かした方がええ。逆やとまた別のにひっかかるで」
背丈は自分と同じくらいか。少年と青年の中間といった頃合い。
あのあたりに置いたのは煉瓦片だったか。
■ジーゴ > !!!
思いがけない場所で転んだことに驚いていたからか、
その場にいる別の人物に気がつくのは声をかけられてからだった。
びっくりして思わず反射的に動いてしまったから、
せっかく注意してくれたのにまた鳴子を派手に鳴らした。
「あ?いったい何?」
敷地に入ったことが悪いとは全く思っていないといわんばかりの口調で、
なんで罠をかけてるのか問うた。
彼としては、ただの日常的な近道。
手のひらは何かが刺さったようだったけれど、
痛いだけで、特に血も出ていない。
「だれ?なにしてるの?」
また何かに引っかからないように注意しながら立ち上がった。
目の高さは同じくらい。年齢は自分よりも相手の方がうえだ。
罠を台無しにしたのにそれも悪びれる様子はない。
言葉の幼さもあるが、本当に悪いとは思っていない体。
■セカンド > 鳴子がなるのはまだ良い方といえた。
違う方向に進んでいたならば、怪我をさせる何かを踏んづけていたところだ。
「ある貴族様が暗殺者に狙われてるみたいでな。この廃教会で迎え撃つんやって。
で、その防衛用の作業をしとる、ってところや。」
こんな話は誰も信じはすまい。馬鹿にしているのかと怒る者もいるだろう。
口に銜えていた筒状の木製品を指の間に挟むと、長く息をついた。無遠慮に少年の姿をじろじろと眺める。
廃教会で遊ぶ歳には思えない。寝泊まりする不法占拠者でもなさそうだ。
教会の敷地はそれなりにあるから、近道で入ったのだろうか。敷地出入口の門扉は長らく閉ざしているから、不便かもしれないが――。
「ここの所有者や。――出るんやったら摺り足でまず塀に向かって、塀沿いに動けば安全や。ここは他にもよく人が通り抜けるんか?」
悪びれない点は特に気にしない。加害者なのに被害者のように振る舞う手合いに比べれば何倍もマシだ。
とはいえ同じような者が多いと問題だ。昼に設置した罠が夜にはもう全滅という恐れもある。
ひとまずこれ以上罠を潰されないように助言しながら、状況を問うた。