2024/09/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にオウルさんが現れました。
■オウル > ここ最近何かと図書館で本を読んだり借りる事があり、偶には1冊くらい身銭を切って買おうかな?何て軽い気持ちで古書店の扉をくぐる少年一人。
ここ最近妙に羽振りの良くなった【ギルド】の恩恵があり、財布もそこそこに温かいので、少しは自分の知識の為に財貨をつぎ込む事にしたのだ。
最初は日々生きることだけで精いっぱいだったが、生活が安定してくると今度は自分を伸ばす為に投資をする事が出来るようになって、はじめて貧民地区ではなく平民地区に生活の基盤を作れるようになってきたなと少し自信もつく。
さて、妙に薄暗い古書店の店内。
図書館よりも数少ない書架の間を歩き、値段も安く、解りやすそうな本がないかと探すのだ。
自覚はあるが読み書きが非常に苦手で、未だにラジエル学院でも筆記を必要とする授業やテストは苦痛でしかなく、できる限りその苦手を取り除きたくて、……こう、ね、読みやすい本を文字を真似しやすい本がないものかと探している。
こんな時に眼帯下の左目は非常に役に立たない。
呪われた本やいわくつきの書物はそれとなく見えるが、今はそうじゃない、今欲しい本はそうじゃなくて。
「そもそも何て書いてあるか半分以上わかんねぇんだよな。」
愚痴る、愚痴ることしかできない。
背表紙に目を通しても読めない、理解できない。
時々読める、幾つか文字は読める、でも基本さっぱりだ。
■オウル > 手頃な本で気になる本が1冊。
手に取ってパラパラとページを捲る。
内容は絵が8割の文字2割の絵本に近しい本である。
――…これなら読める、だろうか。
「……これ、ガキ向けの本だよな?」
背丈と同じ小さなプライドと、勉強への意欲と天秤に掛けながら、本を捲りながら買うべきか、それとも諦めるべきか、と睨めっこを繰り広げる。
本当なら本を勧めてくれるような友人でもいればよかったのだが、生憎友達なんてものはできた試しがない、ほしいとも思ったことはないが、今初めて友人が欲しいと思うのだった。
一人で本を探すには色々と限界があると。
面倒くさいというのもある、だって1冊1冊手に取らないと、背表紙を見ただけでは内容がわからない、つまり現状は総当たりで探して見るしかなくて。
ここでひとつ値段を確認しようか。
くるりと本を裏返し、値札を確認する。
値札を確認すると、ふんわり笑顔を浮かべて本を書架に戻す。
少年は本屋を後にする。
……今度はもう少しお金を持ってくるぞと心に決めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からオウルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > 夜分遅くの酒場。酒盛り飯食いの夢の跡と散らかったその場所を片付ける。
寝入った男の背を叩いて起こしたり。汚れた床をモップで拭ってはテーブルを吹いて。
やることに枚挙に暇がない忙しさが過ぎ去り。
「ちょっと休憩はいりまーす!」
店主にそう告げた少年はエプロンを外してカウンター席の1つに腰を下ろす。
まかないの飯を平らげながらそばのコンロからことことと音を立てて湧いた湯でコーヒーカップに注ぐ。
まだ閉店には時間があるが、この店で夜間働く少年にとっては憩いの一時。
湯気立つ珈琲カップに口付けるとふぅ、と心地よさげに吐息を零した。