2024/09/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にズラトさんが現れました。
ズラト >  
月も星も隠れる曇天からざあざあざあと雨が降りしきる亥の刻頃。
それでも目抜き通りも歓楽街も酒や女あるいは男を求める人達で賑わっている。
そんな、端の端。

集合住宅に両隣を挟まれて狭苦しそうに立つ小さな酒場。
木目の扉の真横には、
【Bar『Pšeničné klasy(小麦の稲穂)』】の置き看板が設置されている。
木目の扉のあちこちに、
営業中の札やら本日のおすすめメニューの黒板やらがぶら下がっている。

「――♪」

外観通り中身もまた狭い店内に、人気は無し。
本日は雨天のせいか偶々そういう日なのか閑古鳥が鳴いている。
おかげで、しんと静まり返って。は。いない。
窓を打つ雨音に。蓄音機から奏でられるしっとりとした曲に。
カウンター向こうの厨房で明日の分の仕込みをする調理音に。
それと仕込み中の店主が鼻歌を口ずさんで穏やかに賑やかだ。

「うん。ええかんじ」

しっとり柔らかに仕上がった蒸鶏に胡麻ダレをかけて盛り付ける。
手作りのジンジャーエールと一緒に厨房から出てきてカウンター席の一つに腰掛けて。
仕込みをひと休憩ついでに仕込んだばっかりの成果をつまみ食い。

一人きりだからって。いや。お客さんが居てもこんな感じだけれど、好き勝手している。