2024/08/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > とある食堂兼宿屋。その窓際のテーブル席。
食後に一服、煙草を吹かしながら窓の外の街並みを眺める。
変わったこともない。良い宵だ。

この宿屋、食事もちょっとした有名店であったが。
出会い系の宿としても知られている。カウンターでいくらか払うと色つきの札がもらえる。
札の内容によって、友達募集やらセフレ募集やらいろいろあるわけだ。
今、男はセフレ募集の札を下げて、ぽけーっとしている。
夜なのだから出会いの一つもあるかもしれない、などと。

「まあ夜は長いか……」

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」に幻燈蝶さんが現れました。
幻燈蝶 >  
雨模様の空は夜になっても静まることはなかった。
窓辺を叩く雨粒の音が、薄暗い部屋の中に響いてくるどこかの寝室。
誰かのささやかな家か、酒場の二階に設けられた連れ込み宿か、どこかの客室か。
どこであろうと構わない。平民地区のどこか、というだけだ。
何故なら雨から逃れるでもなく、窓辺にそっと翅を休めるそれにはきっと関係がない。
ただ、薄闇にその翅の色を溶け込ませ、音もなくその場にいる蝶。

――刹那、室内を眩く走る光が包む。数秒遅れて響くのは轟音。
どこかに、雷が落ちたのだろう。空気を震わせるその衝撃。
まるで、それに導かれるように蝶の翅が、僅かに開いて、閉じる。
激しさを増した雨音、それとは裏腹にゆっくり開き、閉じる翅。
そこから、光の薄片が散っていく。

ふわ、ふわ――と夜気に紛れて微かに煌めく火の粉の雪。
暑気の失せた湿った空気の中でも消えることはない。
舞って、散って、降っていくその赤紫の光。
それが向かっていく先は、きっと、雷でも目覚めることのなかったこの部屋の寝台の主で。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」から幻燈蝶さんが去りました。