2024/07/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミンティさんが現れました。
■ミンティ > 冷却用の魔道具が故障してしまったせいで、家の中は蒸し暑く。生ぬるい風を浴びながら夜の散歩。大通りからすこし離れた静かな路地を、小さな歩幅でゆっくりと進む。
ときどき仕事帰りの人とすれ違ったりしながら、特に目的もなく歩き回る。
どこかに寄っていこうかとも迷うけれど、行き先は浮かばなかった。この時間だとデザートがおいしいお店なんかも大体閉まっているだろう。
「…」
あまり治安の悪い場所ではないけれど、平民地区とはいえ夜ともなれば、なにに出くわすかもわからない。
曲がり角に差し掛かるたびに息を潜めて、そっと周囲を確認するのも忘れずに。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミタマさんが現れました。
■ミタマ > 既に夜の帳が下りた時間帯。
美味しいスイーツなどよりも、ひと仕事終えた冒険者たちの喧騒響く酒屋などが開くお時間。
そんな平民地区の一角で、大きな看板を手に、きょろきょろと辺りを見渡す影がひとつ。
闇夜でも映える純白の巫女衣装。それに、もふっとした耳や尻尾。
遠目で見ても、ミレーかシェンヤン辺りの獣人だろう。と思わせる様相の少女が。
――――ふと、曲がり角を曲がろうと、息を潜めて周囲を確認してる女性をロックオンっ。
「おやおやー? ―――こんな時間に女性ひとりで出歩くのは関心しませんよー?
ただでさえ、ほら!この時期は蒸し暑いからって解放的になる不審者さんも多いわけですしっ!」
と、足早に駆け寄り、危険がないことを示しつつお声を掛けてみたり。
小さな身長。その視線の高さ故、じぃっとお相手様を見上げる姿になっているわけですが。
■ミンティ > 今後の仕事の予定なんかをぼんやりと頭に思い浮かべながら歩いていると、どこからか、からころと木製のおもちゃでも転がすような音が聞こえてくる。
不思議な物音にきょとんとしたあと、周囲を見回してみて。こちらへと駆け寄ってくる白い人影が目についた。
職業柄、異国の品物なんかにも触れる機会が多いから、耳にした音が、下駄、という履物だと思い至る。
「…? ええ、と……、あなた…も、だいじょうぶですか?
迷子…とか、じゃあ……ないですよね。…おしごと……?」
こちらよりも小さな背丈の相手に、年下だろうかと判断。
自分だって他人の事をどうこう言える背丈ではないけれど、子どもが歩き回るには遅い時間だから、淡々としながらも多少は心配な気持ちが滲む口調で問いかけ。
そこで、少女が手にしている大きな看板に視線が向く。客引きの仕事かなにかだろうかと小首をかしげて。
■ミタマ > 石畳に響き渡るそれらしい音。
不安定に見えるが、実はそうではなく。出っ張った下駄の底が何度も面白い音を響かせる中。
「あー、あー。大丈夫ですよー? わたしは、こうっ! あちらにお店という名前の住居を持っていますのでっ!
……あ、はいー。お仕事なんですよ。」
見た目は確かに年下。
とはいえ、この王都マグメールでは、外見的な雰囲気は正直当てにならない。
長寿な存在もいれば、やっぱり見た目通りだったり。こちらは前者なのですけど、特にそれを告げることはなく。
小首をかしげる様子を見やれば、「こちら!」と、見せつけるのは看板――!
『不眠のあなたに!【眠らせ屋】!
睡眠のプロフェッショナルである店主が、美味しいお茶といっしょにあなたに快眠サポート!
もちろん、快眠グッズの通販も承ってます!』
と、謎のお店説明が書かれており。
「このお時間ですと、夜、疲れたー!という方が多いものでして。
ある意味稼ぎ時、なわけなのですよー。」
■ミンティ > あちらと示された方向を反射的に視線で追う。
こんな夜道で出会った相手から目を逸らすのもなかなか不用心ながら、容姿からして自分もよりも小柄な少女であるから、あまり警戒心も湧いてこず。
「このあたりの子、なんですね。…遅くまで、おつかれさまです。おしごと」
自分もこの歳で店主ではあるから、子どもが仕事をしていると聞いても素直に飲みこめた。
こんな時間まで大変だろうと思いつつ労いの言葉をかけて、呼び止められたという事は客として見られたのだろうか、などと推察もしつつ。
高い品物を売りつけられたりするような話でなければいいけれど、と願っていると。耳馴染みのない職業に、ぱちりとまばたき。
「眠らせ…屋、さん?……変わった、お仕事…ですね。
わたしは、あいにく…不眠などでは、ありませんが。
……でも、最近は寝苦しい日もありますし。そうした…暑さ対策、みたいなものも?」
夜こそ稼ぎ時だという話は納得できる。なるほど、と首肯を返しつつ、少女が手にする看板を見て。
室内冷却用の魔道具が壊れていて、修理もこの時期は順番待ち。代わりになるものが見つかるようなら嬉しいのだけれどと問いかけてみて。
■ミタマ > 「えぇ、この辺りの。流石に大通りの、いかにも立地がよい店舗等は無理ですけどねー?
……あはー。ありがとうございますっ。とはいえ、お仕事がお仕事なので、お客が来なければ、本当にお店で熟睡しているだけなのですけどっ!」
からからと、楽しそうに笑い。コロコロと表情を変えて。
ねぎらいの言葉は素直に受け取れなかったり。何せ、添い寝したり、ちょっとしたカウンセリングをしたり、気に入った子にちょっとしたいたずらをしたり。
お仕事。というには少々、不健全なところも入り交ざっていたからか。
―――そうして、看板で示す自分のお仕事の内容。
当然のようにまばたきをして、聞き覚えがないと言わんばかりの反応が返ってくる。
当然。そもそも、こんなお店をしているのは自分だけなのだから!
「ふふー。そうでしょう? わたし、こう見えてもシェンヤンの方で、そういったものを学んでましてー。
……特にこの時期、寝苦しいということはやっぱりあるでしょう。
ふふー。もちろんですとも? 安眠のためのグッズを用意する。と豪語したからには、そういったものもちゃんと用意してますよー!
……もしよろしければ、お店の中でご説明しましょうか?
あ、それと。夜も遅いですし、お店の通り、少し休んでいかれても良いですし、ね?」
■ミンティ > ころころ変わる少女の表情に反して、生まれつき顔が硬いというのか、あまり感情が表に出ないながらも、なるべく目線や口調に気をつけながら応対する。
まんまと商談に乗せられているような話の流れだけれど、悪い気はしない。
それなりに好奇心は強い方だし、孤児院出身であるせいか、こうして年下に見える子と話をするのも嫌いではなかったから。
看板の説明を読みながら、少女の声にも耳を傾けて。マッサージ店の亜種のようなものなんだろうと、とりあえず認識を固めておいた。
「…大通りに並ぶようなお店で、お仕事できたらいいのですが。
……シェンヤンの方だと、いろいろあるのですね。…確かに、変わった品物が、多いなと思います」
シェンヤンから仕入れてきた珍品だというものを持ちこむ冒険者も稀にいる。
食器みたいな日常品の類でも装飾品が異なっていたり面白い品物が多かったなと思い出しつつ。
特に予定のある散歩でもなかったし、今、家に戻ったところで寝苦しい思いをするかもしれない。そう思案したあと、小さく頷きを返して。
「今、あまり手持ちが多くはないので…いろいろは、買えないかもしれませんが。
それでもよろしければ。……案内、してもらえますか?」
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミタマさんが現れました。
■ミタマ > 「あはー。其処は難しいところもありますよねぇ。
取り扱うものがものだったりすると、あんまり表立って――というのもありますし。
わたしのお店とかは、逆にこういったあんまり人の通りが少ないほうが効率が良かったり? ……ほら、安眠にはやっぱり、静かな空間が大事ですからっ!」
その言葉の通り。今は姦しく喋る自分たちの声が響くけれど、
其処は元々人気はあまり多くなく、言葉が途切れた際にやってくるのは静寂。
そうして、少し考え込むお相手様からの、快諾に。ぱぁっと表情を明るくして――。
「えぇ! もちろんですともーっ! ではでは、【眠らせ屋】に1名様ごあんなーいっ!
あ、お店はこちらですよー。薄暗いですし、足元にはお気をつけて?」
そのまま、からんころん。と下駄の音を響かせて向かうのは、駄弁っていた場所から10数メートルも満たない場所にある一つのお店。
よく見ると【眠らせ屋】と看板がある其処は、他の家よりも何処となく整った雰囲気。
日差しが入ったりしないようにか、暗幕が窓に掛けられているところが、気になるところかもしれず。
―――そのまま扉を開ければ、薄暗い事務所の玄関がお出迎え。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にミタマさんが現れました。
■ミンティ > 元気のいい応答に、ときどきそわそわと周囲を見回してしまう。
こんな夜中に、と怒られないかと不安になったりもしたけれど、幸いどこかから罵声が飛んでくる事もない。
会話の隙間の静かな空気感は、たしかに彼女の説明のとおりで。
「表通りだと、がやがやしすぎて…眠るどころではなさそうですね。一応、あのあたりには…お宿も多いです、けど」
自分の商売も、そういう意味では大通りに似つかわしくないかもしれない。なんとなくいつも薄暗い古物店は、静かな通りの方がお似合いだろう。
短い間、思考が別の方向に逸れかけて、下駄の音ではっと我に返る。先導するため歩きはじめていた少女の背中を、あわてて追いかける。
店先にかかっている眠らせ屋の看板を見て。
「……意外と、普通…?…なんですね」
シェンヤン製らしい雰囲気を押し出した雰囲気でもなく、周囲の建物に比べて、多少お店らしい様相であるだけ。
案内されなければ、ここにこんなお店が気がつかなかったかもしれない。
内部もこんな感じなんだろうかと、開かれたドアの向こう、薄暗い空間をおそるおそる覗きこんでみて。