2024/07/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にユーリさんが現れました。
ユーリ > 夜も賑わうギルドの片隅、依頼受諾等の手続きをするカウンターの横に設けられた一角が今日の少女の仕事場だった。
少女自身も冒険者として採取やら討伐やらの依頼に従事することもあるのだが、今日は手頃な仕事もなかった次第で。
のんびり休みを謳歌しても良いのだが、今日は少し働きたい気分。そこでギルドの仕事を少しばかり手伝うことにした。
仕事に使うのはたった二つ。羽根ペンと羊皮紙だけ。後はお客様を待つばかり。代筆屋――それが少女の仕事である。

「……とは言え、今夜はあんまりお仕事無いかも」

昼間であれば、冒険者登録やら依頼の受諾・報告やらで手伝うこともあるのだが、既に仕事のピークタイムは過ぎている。
報告をうっかり忘れた者でも居なければ、ただ座っているのみだ。一応、本を読む程度の作業は許されているが、少々気が引ける。
ともあれ、給金は出来高ではなく当番制の時間単位だから、今もしっかり仕事中。魔術で隠した耳と尻尾が手持ち無沙汰に揺れていた。

ユーリ > 夜が更けてきたならば、次第にギルドも閑散としてくる。もう追加で冒険者がやってくることもなさそうだ。
或いはやってきたとしても、夜勤のギルド員だけで事足りるのだろうから、これ以上の長居は給料泥棒みたいなもの。
手元の道具をまとめると、手早く整理してカウンターへ。一つの包みに整えた荷物を差し出すと。

「えぇと、ユーリです。今日はここからここまで、ですね。確認お願いします」

当番表に自分が勤務した時間を記録して、ギルド員のサインを記入してもらう。これで本日の業務終了だ。
後は多少の雑談と夜の挨拶を交わすと、湿り気に満ちた夜気の下へ。ぽつぽつ灯る街灯の火が仄暗い道を照らす。
下宿はほんの少し先だが、夜道は気をつけるものだという。そろり、そろり、フードを被った少女は静かに帰路へ着いた。
途中、閉まる寸前の酒場で残り物を安く売って貰い、夜の食事を確保して、そそくさぱたぱた、猫が一匹、夜闇へ消えて――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からユーリさんが去りました。