2024/06/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にセカンドさんが現れました。
■セカンド > ランチタイムも終わり、一息ついた店内に弛緩した空気が流れる。
キッチンからは夜の仕込みに忙しく働いている音が伝わってくるが、客のいないカウンターは気楽なもの。
休憩時間のようなひとときを黒髪眼鏡の女は過ごしていた。
「ほい、まいど~」
キッチンから受け取った薄いトーストにバターを塗りたくり、食パンで挟む。
ラインメタルが誇るお手軽料理、トーストサンドイッチの完成だ。
余り物があればそれを挟んだのだが、野菜も肉も丁度よく使い切ってしまった。賄いのために地下から何か持ってくるのも面倒だ。
ワインを炭酸水で割ったものを傍らに、もそもそと遅い昼食を摂る。
この時間帯に来客があるとすれば火を使わない軽食でも良いという者か休憩がてら飲み物だけの客か。
女本人に用事があるという者はおるまい。
■セカンド > 「……どないしようかなぁ」
考えるのは他でもない、今後の身の振り方だ。
長い時間をかけた計画が終焉を迎えた。安直ではあるが、それは女にとって生きる目的そのものだった。
計画が完成した今、女は『生きている』とは言い難い。ただ死んでいないだけ。
協力者は不器用ながらも新しい生き方を模索している。彼が得た二名の知己は女自身にとっても良い出会いだ。
今現在、表向きの生き様である『酒場兼宿屋の雇われ店長、時々錬金術師』を続けるのも悪くはない。悪くはないが――。
「引退、っちゅー歳でもないしなぁ」
口に銜えた吸入器を右手の人差し指と中指で挟むと、中空に煙――実際は水蒸気だ――を吹き出した。
二君に仕えずとはよく言うが、どこか新しい働き口を見つけるのも一つの生き方か。
■セカンド > 結論に辿り着くことはなく、女はうだうだと考え続けていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からセカンドさんが去りました。