2024/04/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からシアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にタチさんが現れました。
■タチ > とある国境付近での防衛戦に、傭兵として加わった長い長い戦い続きの帰り。
女剣士にとっては異郷の地ではあるが、どこか懐かしい気持ちを覚える程に王都は賑やかに感じられた。
果たし合い続きで、あちこち傷み汚れきったボロボロの着物姿、傷だらけの鞘に納刀した片刃の剣を携えて
命の奪い合いとは遠くかけ離れた光景を眺めては草鞋でレンガ道を進んでいく。
同じような野良の戦争屋たちが今頃、祝杯をあげたりずっとお預けを喰らっていた性処理を楽しみに
殺気という名を鎧を脱ぎ捨てて一人の民間人に紛れて賑わいを見せていることだろう。
とはいえ、戦帰りで湯浴みは済ませたものの数ヶ月も戦い続きとなれば相応に血と鋼の香りは付き纏って離れない。
黒一色の着物は、赤黒く沈着したシミによってどこか禍々しさや恐ろしさにも近しい迫力を放っている。
殺気こそ放っていないものの、落としきれない汚れは民間人にとって異様に映るようだ。
人斬りが平然と街中を歩いている……そんな謂れのない無理解はとうに慣れている。
「…………先ほどの娘、随分と目に毒な恰好をしていた」
女剣士は、街中ですれ違ったとある女性に目が行った後、無性に何かがこみ上げて落ち着きがなくなっていた。
彼女もまた、男達と同じく戦時中に発散できずにいた”昂り”を持ち帰ったままどこか落ち着きなく
何かをきょろきょろと見回し、時には物色するような視線を送る。
戦場で武具を振るう者の大半は、男だ。
近年は女性の戦士も活躍しており、男女比は少しずつ均等化を目指しつつあるが、依然として男優勢。
誰もが戦場帰りに報奨金で女を抱くだの、高い酒を飲むだの使命を果たしたからこそ許される己への褒美を語っていた。
自身もまた、己への”褒美”とはいかないまでも性処理に悩んで、ついつい市井の女を目で追ってはそんなチャンスが
不意に訪れないかと期待を浮かべてしまう。