2024/04/07 のログ
タマモ > まぁ、声を掛けたのは、男の性格を知っているからだ。
もし相手が違ったのなら、その対応は、また別のものとなっていた。
背を向けていようとも、その感情は、感じ易い程に、明らかなものだっただろう。
もちろん、己の問いに対して感じている、意外性も、である。

「ほほぅ…お主であれば、その辺りも考え、注文する…と、思っておったんじゃが。
そうかそうか、それでは仕方無いじゃろうなぁ?」

当然だが、その言葉が言い訳である、と言う事も気付いている。
己が伝えた通り、男であれば、そんな注文の仕方はしない、と思っているからだ。
その言葉を伝えながら、くすくすと笑っているのだから、その辺り、予測されている、と思えるか。

そして、続く己への返答も、本当に思った通り、と言えるものだった。
己が聞いたメニューから、男が選んだものを考えれば、それが良く分かる。

「さて…悪酔いをした、と言っておったな?
それならば、こうすれば、残ったものも食べられるじゃろうて。
やはり、食べ残しは出す側に悪いからのぅ」

と、やっと背後へと顔を向け視線で男を捉えてから。
ぱちん、と指を鳴らせば、実際に酔っていようとも、そうでなくとも。
少なくとも、男が飲んでいたアルコールでの酒気は、薄れていってしまう。
答えを言えば、男に刻んだ印を介して、そうしているだけなのだが。

そして、言葉の終わりを失せる酒気へと合わせるように、そう伝えるのだ。
視線で、男が残している料理の器を示しつつも、席を一つ、二つとずれ、その隣へと陣取るようにして。

サウロ > (指摘された内容は言い訳だと分かっているからこそだろう。
 普段なら余さず食べて満足しながら帰路についてる筈だ。
 見抜かれているというよりは、見透かされているというべきか。
 くすくすと笑う彼女に、ぐ、と言葉を詰まらせるのがその証拠だろう。

 続けるように指を慣らす音と共に、酒精の酩酊感が抜けていく。
 驚きとともに自らの体に干渉する彼女の能力に僅かに眉を寄せもした。
 そして告げられる言葉の意味を捉えるなら、席に戻れ、ということだろう。
 何を考えているのか予想がつかないが、それは常のことだ。
 元の席の隣へと陣取る少女の言葉にしばし間を置き、周囲からの視線も感じれば一度元の席へと戻っていく。
 腰を下ろしてから、冷めかけの料理を申し訳なく思うが、一度失せた食欲は再度沸くことはなく。)

「…………」

(席に戻っても、フォークを再びとる気配はない。
 改めて隣に陣取る少女を見据えて、困惑と戸惑いを滲ませた表情。
 こうして改めて向き合うのはどれぐらいぶりかも思い出せないくらい、記憶は混濁としているが。
 彼女の注文のついでに水を女給に頼みながら、軽く額に手を当てつつ隣の少女の様子を伺う。)

「……貴女は、俺の体に何をしたんだ?」

(先ほどのことを一つ尋ねる。
 彼女が自身の体に干渉している要因に心当たりはあるが、詳細が思い出せない様子。
 形容しがたく、言葉にならない不可解な感覚がずっと胸からみぞおちのあたりをぐるぐるしていて、落ち着かない。)

タマモ > 相手が相手なら、それを無視し、行ってしまいそうではあるが。
やはり、性格なのだろう、男は律儀に席へと戻って行き。
その隣に、己が居るとなれば、己だけに向けられていた一部の視線が、男にも向く事だろう。
あれの知り合いなのか、みたいな反応もあれば、その先に、何か思う事があるかのような、そんな視線が。

「妾に気にせず、食べ切ってしまえば、まだ良かったんじゃろうがなぁ?
まぁ、運が悪かったと思い、ちゃんと食べ切る事じゃ」

と、給仕へは、男が教えてくれた注文を頼みながら。
まだ注文したばかり、何もないテーブルの上を、そして、隣に戻った男へと視線を向ける。
何かしら、考えるような様子を見せるのは…実際に、色々と思うところがあるからだろう。
男が己を気にし、視線を向けたのならば、ちょうど視線が重なり合うか。

「うん?…妾が、お主に魔法だか魔術かでも使った、と思うか?
なんでも、魔力はあるらしいが、そうしたものはからっきしでのぅ。
…と、言う訳じゃ、少なくとも、そうしたものの類ではないじゃろうて?」

じっと男を見詰めたまま、男の言葉に、かくん、と首を傾げる。
傾げる動きに合わせ、さらりと卵色の髪を揺らしながら、すぅ、と瞳を細めれば。
酒気を取り除いたと、その答えであり。
それが何であるかの答えでない、そんな言葉を男に返す。

サウロ > (他からも向けられる視線を感じながら、極力気にしないように振る舞うが、彼女の悪名次第ではその影響も受けそうなもの。
 気にせず食べればよかったとはいうが、それが出来たのであればそうしていただろう。
 彼女が注文する横で小さく息を吐きながら、向けられた視線を受け止めれば碧い双眸が彼女の瞳を、その顔を見据えた。
 額に添えた手をそのまま頬杖にして、受ける説明に少しばかり考え込む。
 彼女が扱うそれは、魔法や魔術とは一線を画す何かであるように感じられる。
 齧り程度ではあるが魔術の基礎を学んだからこその違和感。
 首を傾けながら返された答えは、知りたかった答えとも言い難い。
 ずっと落ち着かない何かを胸に溜めながら、小さく息を吐いた。)

「……はぐらかす、ということは、答える気はないと。
 正直に言うと、貴女に関する記憶が、少し曖昧なんだ。
 ――――…知っているけれど、遠い夢のような感覚がある」

(最初の出会いを覚えてはいるが、それから今日に至るまでの間の記憶がはっきりしない。
 改めて顔を見て、姿かたちにも覚えがあって、しかし明確な記憶が砕けたガラスのような状況。
 だからこそ、問うた。貴女は自分に何をしたのかと。
 まあ、その答えが得られないのであれば、それは仕方がない。

 ほどなくして彼女の前に湯気を立てるスープが届けられるだろう。
 己にはコップに入った水が。それに口をつけながら、存外乾いていた喉を潤した。)

「……話は変わるが、貴女はナグアルという国について何か知っているか?」

(ふと、話題を探して浮かんだものが一つ。それを試しに問いかけてみて。)

タマモ > うん、その考えは、聞く事が出来たならば、もっともだ、と思う事だろう。
もっとも、やっている事は悪い事ばかりではない…一応は。
ただ、誰かを助けても、その助けた相手に悪戯したり、助け方に問題点が多いだけである。
その辺り、普段の行いの賜物なのだろう、悪い意味で。

ともあれ、己の力については、考えても考えても、答えは出ないだろう。
そもそも、根本的に力の源が違うのだから。
…もっとも、それに加え、少女が素直に教えたりしないのだから、難しいのは当然か。

「おぉ…なかなかに、やるではないか、妾の事、分かってきておるのぅ?
…ふむふむ、それはそうじゃろう、そうしておるんじゃからな。
まぁ、お主にとって、知って良いものでもなし、そのままの方が良いと思うぞ?」

とか、そんな言葉を、男へと返しているところで、注文の料理と水が運ばれて来た。
さて、味はどうだろうか?そんな感じに、スプーンを手に取るが…そこで、手は止まっている。
視線は、湯気を立てている出来立てのスープに向けられているも、それだけだ。

「………なぐある?…はて、聞き覚えはないのぅ。
そんな国、この周辺にあったっけか?」

そうして手を止めたまま、ちら、と視線を男へと向け、さらりと答える。
実のところ、魔族の国へも良く足を運ぶが、国の名前とか、気にしていないのだ。

サウロ > 「……分かってきているわけではないと思うが。
 ――――貴女がそう言うのなら、知るべきではないのだろう」

(知ったところで解決できる問題でもない気がする。
 実際そうしているのが彼女の能力であるのかもしれないが、それらの記憶は"少女"の姿へと隔離されている。
 それはある意味サウロ自身の精神の働きもあるのかもしれないが、複雑すぎて解明のしようもない。
 スープが届いてからも手を付ける様子がない彼女を見つつ、軽く首を傾げ。
 こちらの問いに対して帰ってきた返答は、知らぬというもの。
 彼女のような存在なら何か知っているかとも思えたが。)

「……そうか。魔族の住まう北の方、魔族たちの国の一つ…ということしか俺も知らない。
 まあ、この国で魔族の国について詳しい方が珍しい。」

(受けた招待、滞在できる為の物はあるが、肝心の行き方を含めた情報が集まっていない。
 何か知っていればと思ったが、知らないという体ではぐらかされてしまえば、それ以上の追求も止まる。
 すっかり冷めてしまった煮込み料理にフォークを刺し、口元を手で隠しながら一口、二口と大口で平らげる。
 咀嚼し、水で飲み流して、酸味と甘味の交じり合うソースを掬ってから、口を拭って平らげた。
 食欲はなかったが、残すことに抵抗があったのも事実。
 いくらか会話をして食べられると思ったから、食べきった。そんな様子で、息を吐く。)

「――ここの料理は、冷めても美味しいようだ。
 ……スープも冷めるくらいがちょうどいいかもしれない。」

(すぐに手を付けない様子に、なんとなく熱いのが苦手なのかと思いながらそんな風に告げて、改めて席を立つ。
 はっきりしない記憶にモヤモヤしていたが、実際に彼女から知らない方がいいと言われれば、それもそうだと切り替えられた。
 その切り替えのおかげで頭の中はいくらかスッキリとしている。
 持ち直した思考と精神で食事も平らげ、改めて少女の背に「ごゆっくりと」と告げた。
 何事もなければそのまま、今度こそ酒場を後にしただろう――――。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」からサウロさんが去りました。
タマモ > 「いやいや、そう言うところ、じゃからな?
まぁ、分かったのならば、それで良い」

まさに、男が今行った対応が、それを体現している。
記憶の境がはっきりとしないのは、そうしているのだから、と心の中で言いつつも。
不思議そうにしている男の前で、少女はまだ、手を動かさない…動かせない。

「あー…なるほど、そちらの方か、もしかしたら、見ておるかもしれんなぁ。
一応、魔族の国には、ちょくちょく行っておるしのぅ」

これに関しては、本当に分かっていない、と言う事実であるが。
その辺り、普段の言動から、どちらとも受け取れないのは当然か。
さり気無く、魔族の国に何度も足を運んでいる、と言うのを伝えているが、気付いたのかどうか。
そして、男が食べ終わった頃合か、やっと一口、啜ってみる。
…よし、大丈夫そうだ。

「うむ、そのようじゃ。
いやはや、温かい内に食べれば、と良く言われるが…まぁ、良かろう」

何気ないフォローに、一つ頷きながら、少しずつ口に含んでいき。
己の言葉で、少しは良くなっているのか、そんな様子の男を見詰めながら。
先に食べ終わり、席を離れる男に対し、今度はひらりと手を振って、素直に見送るのだ。
その後は…こちらも食べ終え、小腹を満たせたので、己もまた、酒場を後にするのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/酒場」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にクレアさんが現れました。
クレア > 冒険者ギルドに併設された酒場。
冒険者や一般の客で混雑する中、カウンター席でそれなりにいい食事を楽しむ。
普段はこういう食事はまず頼まないが、依頼で稼げた日は別であり。

「ん~、おいしい。いつもこれぐらい頼めればいいのに」

そう言っては太めのソーセージをナイフで切っては口に運び。
その次にはエールを口にして流し込むようにして飲み込み、満足そうな吐息を吐き。

「至福の時間だよね…って、そういうのはパスね」

その至福のさなか、声をかけてきた一応顔見知り冒険者の誘いを軽く流し。
それは今度ねと追い払っては食事を続ける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からクレアさんが去りました。